新春記者会見平成19年1月
(注)このページは、定例記者会見のもようを広報広聴課がまとめたものです。
日時・会場
平成19年1月4日(木曜日)午前10時から
宇都宮市役所3階・特別会議室
発表事項
市長 あけましておめでとうございます。皆様におかれましては,新たな気持ちで輝かしい新年を迎えられたこととお喜び申し上げます。年頭にあたりまして,本年が皆様にとって明るく,幸多き年となりますよう,心からお祈り申し上げます。
さて,昨年を振り返りますと,「第1回ワールド・ベースボール・クラシックでの日本代表の優勝」や「トリノオリンピック女子フィギュアスケートでの金メダル獲得」など,多くの日本人が心を一つにして,大きな感動を共有した出来事もございました。
その一方で,未来のわが国を担う青少年が,いじめなどを原因に自らかけがえのない命を絶つという事件が,社会的な問題となり,また,飲酒運転による交通事故が多発するなど,誠に悲しいニュースを数多く目の当たりにした年でもありました。
私は,それらの報道に接するたびに,改めて,他人を思いやり,互いに支えあうことの尊さや,社会のルールを守ることの大切さを思い起こすとともに,人や社会とのきずなを深められるような環境づくりの重要性を強く感じたところであります。
このため,本市におきましても,「いじめを絶対に許さない」という緊急アピールや,飲酒運転撲滅のキャンペーンに取り組んだところであります。
一方,社会経済情勢に目を転じますと,企業収益の改善などにより「いざなぎ景気」を超えた戦後最長の好景気にあると言われている一方で,個人所得の伸びは鈍化していると見られるなど,景気回復を肌で実感するまでには至っていないと感じております。
また,わが国が人口減少期に転じたことが明らかになり,これまでの成長を前提とした社会からの転換点となった年でもあり,将来に対して漠然とした不安が広まっているように受け止めております。
本市におきましても,好景気を受け,税収増が期待できるものの,少子・高齢化などの様々な社会構造の変化などを背景に,市民ニーズはますます多様化し,「子どもの健全育成」や「保健福祉の充実」などの重要な行政課題が山積しております。
これらの課題に的確に対応するために,私は,市長就任以来,一貫して,「スピードと成果」,そして「おもてなしの心」を重視したサービスの提供に取り組み,職員の意識改革や組織風土の改革,市債残高の削減など,徹底的な行財政改革を進めているところであります。
昨年,本市は,市制110周年を迎え,この節目の年を「『人間力・都市力』向上元年」として,新たに動き出した年でもありました。
まず,「人間力の向上」といたしましては,私たちの日常の生活や活動の舞台となる「地域」において,学校と地域が一体となって児童生徒を育てていけるよう,「魅力ある学校づくり地域協議会」を設置し,地域の人材を生かした取り組みを進めてまいりました。
また,「都市力の向上」といたしましては,昨年11月に,「オリオンスクエア」を中心市街地の新たな拠点広場としてオープンさせることができました。
また,大通りをトランジットモール化した「大通りにぎわいまつり」につきましても,9万人というお客様にお越しいただき,昔ながらのバンバの賑わいの復活を楽しんでいただくことができました。
これらを通して,都市の魅力と活力の向上にむけて,着実に歩みを進めることが できた年でありました。
また,懸案でありました上河内町及び河内町との合併につきましても,滞りなくまとめあげることができました。
本年は,宇都宮市が,合併により,北関東初の「50万都市」となります。
私は,それぞれの地域が有する歴史・文化などの個性や特性を発揮しあいながら「新・宇都宮市」が,50万都市にふさわしい風格や魅力,活力,ブランド力などを備えた「北関東の中枢拠点都市」となるよう,さらに強い信念と情熱を持って取り組んでいかなければならないと,決意を新たにしたところであります。
ここで,本年の主な取り組みについて,いくつか申し上げます。
その一つ目は,「未来を拓くひとづくり」であります。
まちが輝き続けるための基本は,正に「ひとづくり」であり,人や社会との関わりやきずなを大切にすることができる,自立した人間として力強く生きていける 「人間力」の高い人材を育成することが何よりも重要であると考えております。
そのために,まず,生きる上での基本は「食」でありますことから,健やかな心身を育むと同時に家庭の教育力の向上にも資する「食育」を,学校・地域・企業が一体となって,さらに強力に進めてまいります。
具体的には,平成19年度から,外食などの事業者や生産者,地域団体などで構成される「食育応援団」を結成し,食育の推進に向けた協力体制をつくるとともに,幼児期から正しい食習慣を習得できるよう,「実践講座」や「栄養指導」などを充実させてまいります。
また,小・中学校におきましては,一人ひとりに応じた給食が提供できるよう,「食物アレルギーを有する児童・生徒に対応できる給食設備」を,19年度中に,全ての小・中学校に整備するとともに,引き続き計画的に自校炊飯を行うための施設整備を進めてまいります。
また,2年目を迎える「教育改革」の新たな取り組みといたしまして,親が,親としての役割を果たし,家庭の教育力を向上できるよう,「子どもにとって親はどうあるべきか」,「家庭でどのように子どもと関わるか」などを学ぶ「親学」について,関係機関と連携を図りながら取り組んでまいります。
また,児童生徒に対しましては,基本的な生活習慣を身に付けるとともに,学力の向上を図るため,「基本をしっかり!~あいさつ,朝食,漢字に計算」を合言葉に,あいさつの励行や朝食の指導の充実など,具体的な取り組みを進めてまいります。
さらに,児童生徒の体力が低下傾向にある現状を踏まえ,具体的な数値目標を示した体力向上のためのプログラムを作成し,一人ひとりの体力や技能の向上を図ってまいります。
次に,社会経済環境の変化が激しい中でも,青少年や障がい者,ひとり親家庭をはじめとして,あらゆる人が,社会的・経済的に自立し安心して生活できるよう,幅広い分野での「自立支援」に,力を入れてまいります。
まず,雇用確保に向けた企業への働きかけや,関係機関と連携した就労支援セミナーなどの実施により,これまで以上に就労支援に力を入れてまいります。特に「青少年の自立支援」に関しましては,若年労働力の低下は社会の活力の維持・発展に大きな影響を及ぼしますことから,キャリア形成の支援や将来の悩みに対する相談機能を充実してまいります。
また,高齢者や障がい者が住みなれた地域で日常生活が営めるよう,小規模多機能型介護施設やグループホームなどの設置を促進してまいります。
また,障がいのある子どもに対して,医療・保健・福祉・教育などが連携し,総合的な支援を行う「子ども発達センター」と,「西部保育園」につきましては,本年4月にオープンしてまいります。
次に,地域の人々が有する様々な知識や経験を結集し,互いに支え合い高め合うことができるよう,主体的な活動を行う機会の提供や拠点の整備に努め,「地域力の向上」を図ってまいります。
具体的には,「魅力ある学校づくり地域協議会」の設置につきましては,早期の全ての小・中学校での事業展開を目指し,19年度は,設置のスピードを上げ,60校への設置を目標に,地域への働きかけや支援を行ってまいります。
また,地域の人材を生かし地域住民が主体的に運営する「地域スポーツクラブ」を22年度までに10地区に設立できるよう,19年度から新規地区での設立に向けた支援を行ってまいります。
また,地域づくり活動の拠点となる「地域コミュニティセンター」につきましては,19年度は,新たに今泉地区に整備してまいります。
二つ目は,「都市の拠点や基盤づくり」であります。
新たな時代を切り拓き,将来に渡って本市が着実に発展を続けていくためには,人・モノ・情報が集い,活発に交流し,新たな文化を発信することができる「拠点や基盤づくり」を進め,都市の力を向上させていく必要があります。
そのため,まず,JR宇都宮駅周辺地区と都心部の2つのエリアを中心に,高次な都市機能の集積や回遊性の向上などを図りながら,「賑わいと風格のある都心部づくり」を進めてまいります。
まず,JR宇都宮駅を中心としたエリアでありますが,「駅東口地区整備事業」につきましては,20年度の土地区画整理事業の完了に向けて着実に整備を進めていくとともに,県都の新たなシンボルとなる拠点施設に関しましては,22年度のオープンを目指し,19年度には,設計に着手してまいります。
次に,都心部のエリアでありますが,まず,本市の新たな名所となる「宇都宮城址公園」につきましては,いよいよ本年3月にオープンいたしますことから,多くの市民の皆様に来園していただき,まちの賑わいを生み出せるよう,時代行列を中心とするオープニングイベントをはじめ,四季を通じて,様々な趣向を凝らしたイベントを開催してまいります。
また,本年夏に竣工予定の「馬場通り中央地区」及び平成22年竣工予定の「馬場通り西地区」における市街地再開発事業につきましては,文化や娯楽など交流拠点を創出するとともに,都心居住の促進により,効果的に賑わいの創出をもたらしますことから,引き続き事業者と一体となって推進してまいります。
また,本市といたしましても,立地条件を生かした利便性の高い行政サービスの提供を行いながら,中心市街地の活性化を図るため,馬場通り中央地区再開発ビルの5階と6階に,出張所機能や消費生活センター,妖精資料展示施設,(仮称)国際交流プラザ,子育て支援機能などを有する(仮称)子どもセンター,青少年の居場所などを設置してまいります。
また,二つの再開発事業により創出される空間を活用し,人々の賑わいと潤いを生み出せるよう,滝をあしらった水景施設を備えた広場を,あわせて整備してまいります。
この広場と,「宇都宮城址公園」及び「オリオンスクエア」の3か所を,新たな人の流れを生み出す拠点として,様々な魅力あるイベントなどを展開し,誰もが心ときめく,いわばテーマパークのような,魅力ある都心部を築いてまいります。
こうした都心部づくりに向けた取り組みのほか,雀宮駅周辺や上河内町及び河内町など,各地域の拠点におきましては,居住機能などが整った利便性に優れた生活の場となるよう,それぞれの地域にふさわしい社会基盤を効果的に整備し,より「機能的で活力のある地域拠点づくり」に努めてまいります。
その中でも,本市南部の都市拠点となる「雀宮駅周辺地域」におきましては,23年度の供用開始を目指して,(仮称)第3図書館を整備してまいります。
整備にあたりましては,レファレンス機能や情報提供機能などが強化された図書館とするとともに,市民が学習成果を発表できる多目的ホールなどを備えた施設として,19年度はその基本設計に取り組んでまいります。
また,雀宮駅における駅舎の橋上化や駅前広場の整備に係る設計なども行い,平成23年4月に開校予定である科学技術高校の移転と合わせた,一体的な雀宮駅周辺地域の整備を進めてまいります。
三つ目は,「都市の活力を生み出す産業づくり」であります。
都市の活力を高め,市民の生活の豊かさを向上させるためには,地域の資源を最大限に生かした「産業・経済の活性化」が不可欠であります。
このため,まず「農業」でありますが,本市の豊かな農資源を生かした「地産地消の推進」や,生産者と流通・観光などの様々な産業が一体となった「戦略的な農業の展開」などに取り組んでまいります。
具体的には,生産者や流通事業者,飲食店などが連携した「うつのみやアグリネットワーク」を今月中に立ち上げ,地域の農産物や人材,技術などの資源を有機的に結び付け,新商品や地域ブランドの開発などの新たなビジネスチャンスを創出してまいります。
また,消費者の方々にも本市農業のすばらしさをご理解いただけるよう「うつのみやアグリファンクラブ」を立ち上げたところであります。19年度から,地元の農産物や農業体験の情報提供など,積極的に事業を展開してまいります。
これらの,「アグリネットワーク」と「アグリファンクラブ」との一体的な取り組みを核として,全市を挙げて,「農業王国・うつのみや」を築き,今後も,市民に安全・安心・新鮮な農産物を提供してまいります。
次に,「工業」でありますが,本市経済を牽引する高度な先端技術産業の集積を図るため,産・学・官の連携のもと,「次世代モビリティ産業クラスター推進協議会」を18年度内に設立し,新年度には,国や県の支援制度を活用しながら,共同研究プロジェクトなどを実施してまいります。
また,産・学・住をつなぐ東部の都市拠点である「テクノポリスセンター地区」におきましては,都市再生機構など関係機関との連携を図りながら,次世代モビリティ産業や研究開発型企業の誘致に積極的に取り組んでまいります。
次に,「商業」でありますが,まちに活気と賑わいをもたらす「魅力的な商業空間の創出」に向け,民間主体による「商店街の景観整備事業」を支援してまいります。
また,交流人口を増やすため,引き続き「おもてなし運動」の普及に努め,民間と行政が一体となった「まちなか観光」を促進するとともに,コンベンション機能や宿泊機能などの充実を促進しながら,教育・文化・スポーツなど各種大会の誘致に積極的に取り組んでまいります。
これらのハード,ソフト両面からの取り組みを通して,中心市街地の活性化という難題に全国で多くの自治体が直面している中で,「一歩先んずる都市」を目指してまいります。
四つ目は,「暮らしやすいまちづくり」であります。
市民が,安心して安全で快適に生活し,それぞれの持つ力を十分に発揮できるようになるためには,「まちの暮らしやすさ」を向上させていくことが不可欠であります。
そのため,まず,犯罪や災害などに強い「安全・安心を実感できる生活環境の整備」を進めてまいります。
まず「防犯」面でありますが,本市の玄関口であり市民や外来者など不特定多数の人が早朝から夜遅くまで行き来するJR宇都宮駅周辺におきましては,従来から推進している地域住民主体の防犯活動に加えて,19年度から,「防犯カメラ」を設置し,警察と連携を図りながら犯罪の抑止や不安感の解消に一層努めてまいります。
また,全ての地域において,地域住民による自主的な防犯活動が効果的に行われるよう,18年度から開始いたしました自主防犯活動団体の設立のための支援を,引き続き行ってまいります。
また,「防災」面では,学校施設におきまして,昨年より,概ね10年間で全ての校舎の耐震化を終了するよう進めてきたところでありますが,「学校体育館」につきましても,計画を見直し,19年度から,28年度までに全ての耐震化を終了させるよう整備に取り組んでまいります。
また,県や周辺自治体と連携して地震防災マップを作成し,市民の地震災害に対する啓発を進めるとともに,民間住宅の耐震化を促進するため,従来からの耐震診断に対する補助に併せて,改修工事に対する補助を創設してまいります。
また,「(仮称)東消防署の整備」につきましては,本市東部地域の防災拠点として,また,消防・防災訓練研修機能も備えた施設として,20年4月の開署を目指して,引き続き建設工事を進めてまいります。
また,人々が地域の中で,安全に安心して,そして,楽しく生活するためには,地域コミュニティの回復が不可欠でありますことから,「自治会加入率」を今後5年間で90%台に戻すことを目標に,大手の不動産会社や事業所への働きかけなど,自治会連合会と連携しながら向上策に取り組んでまいります。
また,市街地における浸水被害の解消に,より一層計画的に取り組むため,三の沢排水区など4地区を新たな重点排水区として位置付け,19年度から雨水幹線などの整備に着手してまいります。
次に,市民が利便性の高い生活を送るためには,交通不便地域を解消し,誰もが移動しやすい「総合的な交通ネットワークの整備」が不可欠であります。
私は,公共交通全体のあり方につきましては,早急に道筋をつけたいと考えております。そのため,19年度は,「都市交通戦略」を策定し,LRTやバス,鉄道などの公共交通の連携方策などについて,その全体像を明らかにするとともに,「LRT導入」に向けましては,事業化を見据えたより具体的な検討を行ってまいります。
また,都市交通の骨格となる都市計画道路につきましては,国道4号 川田入口を東西に貫く「産業通り西原立体・川田」を,19年度内の供用開始に向けて整備を進めるとともに,他の都市計画道路や幹線市道につきましても計画的に整備を進め,有機的な交通ネットワークを構築してまいります。
次に,環境面におきましては,次の世代にも良好な環境を引き継いでいけるよう,「環境負荷の少ない社会の構築」に,積極的に取り組んでまいります。
まず,「地球温暖化の防止」でありますが,市民一人ひとりが日常生活の場面で,温暖化防止に配慮した取り組みを実行する必要がありますことから,18年度内に「地球温暖化対策地域推進計画」を策定し,市民・事業者・行政が連携しながら各種施策を総合的・計画的に進めてまいります。
また,一般家庭などから排出される使用済み食用油を回収し,軽油の代替燃料となるバイオディーゼル燃料を製造する「廃食用油の資源化」について,19年度から取り組めるよう,検討を進めているところであります。
また,本市独自の「もったいない運動」でありますが,これまでの取り組みに加え,一層の普及啓発を進めるため,幼児に対応した絵本や小中学生に対応したリーフレットを作成・配布するなど,あらゆる世代の市民への「もったいない」精神の普及啓発に努めてまいります。
以上,大きく4つの取り組みについて申し上げましたが,そのほか,いくつか申し上げますと,
まず,「第5次総合計画の策定」についてでありますが,合併後の「新・宇都宮市」のまちづくりの指針となるものであり,市民・事業者・行政が共有できる,戦略性の高い計画となるよう,19年度内の策定を目指してまいります。
次に,「株式会社栃木サッカークラブ(栃木SC)」に対する支援でありますが,地域経済の活性化に加え,スポーツの振興や青少年の健全育成,地域の教育力の向上など社会的・教育的効果ももたらすと考えられることから,ホームタウンである本市といたしましては,本年2月のJリーグ理事会での準加盟クラブの承認に向け,今月より,市職員を栃木SCに派遣するとともに,ファン層拡大のための広報活動などに対して支援してまいります。
次に,「高等教育機関との連携」についてでありますが,地方分権が進展する中で複雑化・多様化する本市の地域課題を解決していくためには,知的・人的資源を有する大学と連携し,相互に協力しあいながら取り組んでいくことが重要であります。
このため,宇都宮大学と,18年度内に「包括協定」を締結し,まちづくりに関する各分野で組織的・体系的な連携強化を図ってまいります。
次に,本市初のPFI事業である「新斎場の整備」でありますが,平成20年度内の供用開始を目指して,19年度は,施設整備に着手してまいります。
また,窓口サービスにつきましては,本市はこれまでも,「おもてなしの心」を大切にしながら,親切でわかりやすい窓口対応に努めてまいりましたが,改めてここに「窓口サービス向上宣言」を表明し,今月から,全ての窓口で,あいさつの励行などに取り組み,更なる窓口サービスの向上に全庁を挙げて取り組んでまいります。
以上,19年度の主な取り組みを申し上げましたが,これらの具体化に向けまして,現在,予算編成を進めているところであります。
19年度は,市町合併に加えまして,所得税から住民税への税源移譲や,県からの権限移譲など,本市を取り巻く行財政環境は大きな変化の中にあり,本市が今後とも,地方分権時代にふさわしい自律した自治体として,市民福祉の向上と持続的な発展を実現していくため,まさに,地域経営の力量と手腕が問われる年であると考えております。
このようなことから,19年度の予算編成にあたりましては,少子・高齢社会の進展に伴う社会福祉費の増加など,引き続き,厳しい状況が予測される中ではありますが,将来に負の遺産を残さないことを基本に,国・県補助金の確保はもとより,市民負担の公平性に基づいた,収納対策のなお一層の強化により,市税などの自主財源の充実・確保に取り組んでまいります。
また,徹底的な行財政改革による内部管理経費の縮減や,施策・事業の「選択」と「集中」,さらには,「スクラップ・アンド・ビルド」の徹底などにより,限りある財源を効果的・効率的に活用し,「新・宇都宮市」の一体的かつ均衡ある発展に向けて,「人間力」と「都市力」の向上に重点をおいた,力強い第一歩を踏み出すための,予算としてまいります。
最後に「執行体制について」でありますが,2町との合併後におきましても,より一層の効率的な行政経営の実現に向け,組織規模の適正化や,最少の資源で最大の効果が発揮できる執行体制を整備してまいります。
19年度につきましては,合併後の旧2町において,住民に身近な場所での総合的な行政サービスの提供や,地域の特性を活かした個性と活気あふれるまちづくりを実現するため,「地域自治センター」を整備してまいります。
また,市民の生命や財産に被害をおよぼす,危機発生への迅速な対応を図るため,危機管理専任組織を設置するとともに,馬場通り中央地区再開発ビルに設置する「仮称 市民プラザ」において,各種申請の受付など窓口サービスの提供や,国際化を推進するための体制を整備してまいります。
さらに,新たに一体的に設置する「子ども発達センター」と「西部保育園」において,障害児への継続的な相談や支援,乳幼児期の交流などを実現するための体制を整備するなど,将来的なまちづくりや今日的な課題の解決に努めてまいります。
以上,年頭にあたり,抱負の一端を申し上げましたが,このような取り組みを通して,市民一人ひとりが幸せを感じられ,「宇都宮に住んで良かった」,「宇都宮を選んで良かった」と思っていただける,「市民一人ひとりが輝く,活力あふれる新しい宇都宮の創造」に向けて,市民の皆様と一丸となって取り組んでまいりたいと考えております。
どうか皆様の,より一層のご支援,ご協力をお願い申し上げます。
資料
質疑事項
平成19年度の重点的な取り組みについて
記者 食物アレルギー対応給食設備は全国でも珍しいか。「親学」の取り組みとは具体的にどういったものか。
政策審議室長 食物アレルギー対応給食設備は、全国的にも進んでいて、宇都宮オリジナルではございません。
市長 食物アレルギーについては、宇都宮市医師会と連携し、「学校給食における食物アレルギー対応マニュアル」をつくりましたが、そのことは全国的にも珍しいのではないかと思います。また、「親学」についてですが、教育改革で、「地域・家庭・学校」の3つを教育改革の柱とし、現在、「地域」教育を進めるとともに、「学校」教育についても、学力の向上や集団の中での規範意識の向上など、より高めていく努力をしていきたいと思っていますが、それら2つの柱がどんなに充実したとしても十分とはいえません。3つ目の「家庭」での教育が、根本であり、最も大切なものだと思います。その中で、子どもに焦点をあてるのはもちろんですが、その親御さん達、保護者の皆さんの教育力を高めることが必要ではないかと思っています。子ども達をどのように教育していけばよいか、あるいは、食育を通して、常識やルール・マナーなどをいかに教えていけるのかということなど、親御さんに対する支援を「親学」という括りの中で進めていきたいと思っています。
記者 講座を開くのか、それとも学校の中で行うのか。
市長 昨年は、各小・中学校の入学式などに、全校で保護者の皆さんに見ていただく食育ビデオを作成しましたが、これからも、そうした親御さんに見ていただくようなものを「親学」の範疇の中で作成していきたいと思います。また、各学校に出向いて、「親学」向上のための出前講座なども行っていきたいと思っています。
記者 ワンルームマンションの独身者などは、自治会の入り方も内容もわからない人が多い。そういった人を巻き込まないと、市が目指す自治会加入率9割というのは困難だと思うが、加入率向上に向けて具体的にどんな取り組みをしていくか。また、いくつかの都市では、公共施設に雨水の備蓄システムをつくり、水不足に対応しているが、「雨水対策の推進」では、そういったことも視野に入れているか。
市長 1点目の自治会加入率の向上でありますが、自治会は「地域」の力の源でありますし、今後、市民協働を進めていく上でも、中心となる組織であり、我々にとってかけがえのないパートナーであると思っています。その自治会の加入率が年々下がっている現在の状況の中で、加入率の向上策は、我々にとっても大きな課題であり、今後、自治会連合会と協力をしながら向上策を進めていかなければなりません。ワンルームマンションにお住まいの方や単身赴任の方など、一人暮らしの方々に加入していただくために、集合住宅のオーナーには、建築確認などの申請のときに、自治会加入を呼びかけていただくよう働きかけを行っていますが、それだけで十分とは言えませんので、不動産業者・各企業などにも働きかけをしていきたいと思います。特に、我々が接触できる企業の皆さんには、雇用主から社員に自治会加入を呼びかけていただくなど、経済部を中心に行っていきたいと思います。また、一人暮らしの方の中には、学生さんもいらっしゃいます。例えば、まだ案の段階ではありますが、学生さんの自治会費用を無料または減額して、とにかく、学生さんに加入していただく、そして、自治会に出てきて活動していただくなど、そういった働きかけをすることも大切ではないかと考えています。自治会を、若いうちから理解していただいて、自分が家庭をもったときには、必ず自治会に入らなければならないという雰囲気作りもしていかなければならないと思います。このようなことを、現在議論しているところです。集合住宅などの加入率が低いというのは、如実にわかっていることですので、一人住まいでもそうでなくても、集合住宅を始めとして、徹底して自治会の加入率を上げるための努力を自治会連合会とともに行っていきたいと思います。
政策審議室長 2点目の雨水対策の推進につきましては、いくつかの方法で進めております。1つは、公共下水道の雨水幹線事業ですが、これはこれまでの4地区に新たに4地区加え、合計8地区の幹線整備を進めております。また、市民の方に、自宅のエリア内で雨水の貯留機能を高めていただければということで、概ね3分の2の補助制度を設けています。当初、一定のエリアでスタートさせましたが、より多くの方にその制度を活用していただきたいということで、市街化区域全域に広げたところです。次に、公共施設における貯留施設の設置でございますが、既存施設では、東コミセンが貯留機能を持っており、循環利用のための設備も備えているところでございます。さらに、緊急的な雨水対策として、公共下水管の中に、貯留機能を持たせていくという計画も持っております。
新年度の執行体制について
記者 「危機管理専任組織」とは、行政経営課の中にある現在の組織を「課」あるいは「室」にするのか、また、何人くらいの体制とし、具体的にどういう役割を持たせるのか伺いたい。
行政経営部長 独立した「課」ということで考えております。規模は、これから検討していきますが、係は1係、人数は10人弱ぐらいを考えています。専門的な立場の方の支援をいただくことも考えています。
記者 大規模なテロや無差別犯罪なども想定されているか。警察や自衛隊も入っているか。
行政経営部長 消防関係はもちろん、今の段階で協議を進めているのが、警察関係・自衛隊関係で、専門的な立場の方の支援・協力を含めて対応していきます。
新年度の予算編成と重点的施策について
記者 新年度予算の規模はどのくらいか。重点的施策の優先順位は、この番号の順番か。
市長 優先順位は特にはなく、全てに力を入れていきたいと思っています。また、予算についてですが、「都市力」と「人間力」を2本柱に据えて、そこから計画を作り、それを踏まえて予算を充てていきたいと思っています。「都市力」は、当然のことながら、今の宇都宮の資源をしっかりと生かしていくということ、「人間力」は、教育改革を始め、市民の皆さんが持っている力を十分に発揮していただいて、都市間競争に、きちんと勝ち残っていける、そういうまちをつくっていかなければならないと思っています。前提にあるのは、昨年に引き続き、徹底した財政改革を行うということです。特に市債残高を減らしていかなければなりませんし、平成16年度に7年計画を立ち上げましたので、その計画に合わせて、削減を図っていきたいと思っています。一番大切なのは、今後、税源移譲があるわけですが、自分達でしっかりと住民税を確保していかないと何の意味もありませんので、その税の収納率を徹底して上げる努力についても、知恵を使い、汗をかき、足を使いながら、行っていきたいと思っています。全体としては、「人間力」と「都市力」の2つを柱に据えて、宇都宮のポテンシャルをさらに高めていく、そのような予算編成を行っていきたいと思います。
記者 LRTについては、3月で問題点を洗い出す委員会が終わり、その後、具体的な検討に入っていくと思うが、19年度についてはどのようなことを行うか。
市長 LRTについては、県と共同で設置している「新交通システム導入課題検討委員会」から、提言をいただくわけですが、それに基づいて、さらに県と市の役割を協議しながら進めていきたいと思っています。大切なのは、LRTだけをやらなければならないということではなく、地域内交通を始めとする宇都宮の公共交通のあり方、特に高齢化社会、あるいは環境の問題、あるいはまちの魅力づくりなど、そういった観点から総合的な公共交通をどうしていくかというものを、戦略的なものも含めて策定していきたいと思っています。その中で、LRTをどう位置付けるのか、そして、LRTは公共交通の中でどう役割を担っていくのかなど、19年度には、LRTの方向性を明確にしていきたいと思っています。
記者 市長は、就任された年か翌年に、5年以内に着工できなければとおっしゃていたが、そろそろ具体的な計画がないと厳しいのではないか。総合的な公共交通の計画とは、そういったものになるか。
市長 国との関係もありますので、どこまで明確で完璧なものを作れるかわかりませんが、国・県と連携をとりながら、ある程度のものは作っていきたいと思います。自分では5年位の気持ちでやらないと、こういうものはできないという気持ちで申し上げましたが、今でもそうした気持ちは変わっていません。いつまでも、議論しているだけでは、前に進みませんので、具体的なことを一つひとつ、今までもやってきたつもりですが、課題検討委員会から明確なお答えをいただきますので、19年度には、総合的な公共交通の中におけるLRTの役割を、市として明確にしていきたいと思っています。
記者 新年度予算編成の中で、「内部管理経費の縮減」や「スクラップ・アンド・ビルドの徹底」とあるが、具体的にはどのような「スクラップ・アンド・ビルド」をするのか、また、どのようなポイントで行うのか伺いたい。
市長 昨年も「スクラップ・アンド・ビルド」は徹底して行いました。初年度でしたから、相当、各課や職員が見直すところや目に付くところを発見することが出来たと思います。2年目である今年は、どれだけできるか分かりませんが、昨年に引き続き、徹底して行うようにしたいと思います。各課でいろいろな課題を持っていると思いますので、その中で、職員に任せて「スクラップ・アンド・ビルド」を進めていきたいと思いますが、特に大きなもの、我々が進める公共事業については、より安全で、いいものを、そして少しでも適正な値段でということを意識しなければなりません。中でも、値段については、職員一人ひとりが意識をもって、行っていかなければならないと思っています。
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