予算大綱記者会見平成22年2月
(注)このページは、予算大綱記者会見のもようを広報広聴課がまとめたものです。
日時・会場
平成22年2月17日(水曜日)午後1時から
宇都宮市役所3階・特別会議室
発表事項
市長 平成22年度の当初予算案の大綱につきまして、ご説明いたします。お手元にお配りしてあります「平成22年度当初予算案の大綱」の1ページを、お開きいただきたいと存じます。まず、「予算編成の基本的な考え方」でありますが、我が国の経済は、緊急経済対策の効果などにより景気の持ち直しが期待されておりますが、一方で、雇用情勢は依然として厳しさが残り、海外景気の下振れやデフレの進行など、先行きのリスクも懸念されているところであります。
本市の財政状況につきましては、自主財源の根幹をなす市税収入が21年度当初予算から57億円、20年度当初予算からは、114億円を超える減収となり、加えて、生活保護費をはじめとする社会保障関係経費が急増するなど、極めて厳しい状況に直面しております。こうした中にありましても、すべての市民が明日に夢と希望を持ち、本市が、将来にわたり、持続的に発展していくためには、限りある行政資源の中で、より効果的・効率的な施策・事業への優先化・重点化を進めていく必要があります。
このようなことから、平成22年度の当初予算編成にあたりましては、市税の大幅な減収が見込まれる中にありましても、後年度への影響に配慮しながら、基金や市債を効果的に活用し、すべての市民が、健康で快適に生き生きと暮らすことができるよう、保健・医療サービスの充実や都市の福祉力の向上に取り組んだところであります。
また、低炭素型社会の構築に向けて、地球温暖化対策に取り組むとともに、中心市街地の活性化や地域拠点の創造、産業力の強化、次代を築く人材の育成など、本市の魅力や価値を高め、将来の持続的な発展につながる予算を計上したところであります。さらに、市内経済の活性化に向け、経済対策に継続的に取り組むこととし、中小企業への金融対策や雇用対策、市民生活に密着した公共事業の確保に努めたところであります。
2ページをご覧ください。「予算の規模」についてでありますが、平成22年度当初予算の規模は、一般会計、特別会計、企業会計の総額では、3,222億円余を計上したところであります。まず、一般会計につきましては、子ども手当の創設や医療や福祉などの社会保障関係経費の増加に加え、児童福祉施設や老人福祉施設整備事業、市街地 再開発事業やJR雀宮駅周辺地区の整備事業、市内経済の活性化に向けた金融対策などを計上し、前年度当初予算に対し、114億円増の1,812億円を計上いたしました。
次に、特別会計につきましては、国民健康保険や介護保険特別会計における保険給付費の増加や競輪特別会計における特別競輪の開催による増加などより、特別会計全体では、55億円増の1,012億円を計上いたしました。
また、企業会計につきましては、水道事業会計における、第6期水道拡張事業の事業量の減少などにより、企業会計全体では、8億円減の397億円を計上いたしました。
3ページをご覧ください。当初予算の「ポイント」を、ご説明いたします。
まず、「みんなが幸せに暮らせるまちを目指した 取り組み」でありますが、「こんにちは赤ちゃん事業の充実」、「私立保育園の整備促進」や「高齢者の入所・通所施設の整備促進」、さらには、「自転車の利用・活用の促進」、「新エネルギー・省エネルギー機器の普及促進」など、市民の幸せな暮らしをしっかり支える社会環境や生活環境を 創出してまいります。
4ページをご覧ください。「みんなに選ばれるまちを目指した 取り組み」でありますが、馬場通り西地区などの「市街地 再開発事業の推進」や「JR雀宮駅周辺地区の整備の推進」、さらには、「都市ブランド戦略の推進」「ジャパンカップ・サイクルロードレースの充実」など、本市の魅力と活力を高めてまいります。
次に、「持続的に発展できるまちを目指した取り組み」でありますが、「小中一貫教育の推進」、学校施設の耐震化などの「小中学校の整備」や「第3図書館の建設」、さらには、「企業誘致の推進」、「地域コミュニティセンターの整備」など、本市が将来にわたって 持続的に発展できるよう、まちづくりの基盤や仕組みを創造してまいります。
5ページをご覧ください。「市内経済の活性化に向けた継続的な取り組み」でありますが、中小企業融資制度の充実や 信用保証料の助成などの「金融対策」、雇用助成制度や資格取得支援などの「雇用対策」、さらには、中心市街地活性化の推進や公共事業の確保などの「地域経済活性化対策」を着実に実施することにより、市内経済や市民生活の安定を図ってまいります。
6ページをご覧ください。「効果的・効率的な行政経営への取り組み」でありますが、「自主財源の積極的な確保」といたしまして、市税等の徴収対策の強化を図るため、特別収納対策室を設置するほか、「コンビニエンス・ストアにおける納付機会の拡大」などに取り組んでまいります。また、「行政経営基盤の強化」といたしまして、新たな行政改革大綱に基づき、事業の原点からの点検・見直しに取り組むほか、現在、栃木県が実施しておりますパスポート申請の受理・交付事務の権限移譲を受け、本年10月から、市民プラザにパスポートセンターを設置してまいります。
8ページをご覧ください。「一般会計予算の概要」につきまして、ご説明いたします。1の「歳入」のうち、(1)の「自主財源」についてでありますが、「市税」につきましては、前年度比57億円減、平成20年度当初予算からは114億円減の863億円を見込みました。これは、企業収益の悪化に伴う法人市民税の減収 などによるものであります。次に、「繰入金」につきましては、退職者数がピークを迎えることによる退職手当基金からの繰入金のほか、財政調整基金や公共施設等整備基金などの活用を図り、前年度比12億円増の95億円を計上いたしました。
次に、中段の(2)「依存財源」についてでありますが、「地方交付税」につきましては、市税収入の大幅な減収により、平成15年度以来、7年ぶりに普通交付税の交付団体に転じる見通しであり17億円増の40億円を計上いたしました。また、「市債」につきましては、地方交付税の振り替わりである臨時財政対策債(さい)の大幅な発行を見込むとともに、建設事業債の活用を図り前年度比31億円増の142億円を計上いたしました。
10ページをご覧ください。2の「性質別歳出」についてでありますが、(1)の「消費的経費」のうち、「義務的経費」につきましては、子ども手当の創設や生活保護世帯の増加などによる「扶助費」の85億円の増や、団塊の世代の職員が退職のピークを迎えることなどによる「人件費」の5億円の増などにより、886億円を計上いたしました。
また、「その他の消費的経費」につきましては、中小企業融資制度の融資枠の拡大などによる「貸付金」の50億円の増のほか、保険給付費の増加に伴う、国民健康保険や介護保険特別会計への「繰出金」の増などにより689億円を計上いたしました。次に、(2)の「投資的経費」につきましては、前年度比20億円減の235億円を計上いたしました。普通建設事業の補助事業につきましては、国の公共事業関係予算の大幅な削減により道路や河川の整備事業が減となりますが、「JR雀宮駅周辺地区整備事業」や「第3図書館建設事業」などを着実に推進してまいります。また、単独事業につきましては、前年度当初予算と同程度の117億円を計上いたしました。
次に、13ページをご覧ください。4の「市債の状況」についてでありますが、地方交付税の振り替わりである臨時財政対策債を大幅に発行するとともに、建設事業債の活用を図り、市債を142億円発行いたしますが、一般会計における平成22年度末の市債残高は、前年度末に対し、4千万円の減となる見込みであります。5の「基金の状況」についてでありますが、JR雀宮駅 周辺地区の整備などの財源として、公共施設等整備基金を35億円活用するほか、財政調整基金を24億円、減債基金を24億円、合計で83億円の取り崩しを見込んだところであります。
次に、新年度予算の「主要な事業」につきまして、ご説明いたします。
16ページをご覧ください。まず、中段の「食育の推進」のうち一番下の「学校における食育の推進」につきましては、米飯給食を、より一層、推進するため、自校炊飯校の一部におきまして、週4回の米飯給食を試行するほか、自校炊飯を推進するため施設整備を進めてまいります。
17ページをご覧ください。下段の、「日中一時支援事業の充実」につきましては、特別支援学校に通う知的障がい児の放課後預かり事業を拡大するなど、障がい者の日中一時支援事業を充実してまいります。
18ページをご覧ください。中段の、「こんにちは赤ちゃん事業の充実」につきましては、これまでの、生後4ヶ月までの乳児のいる家庭への全戸訪問に加え、さらに、育児などに不安がある家庭に対する「養育支援訪問事業」を実施してまいります。
19ページをご覧ください。中段の、「私立保育園の整備促進」につきましては、施設の増改築への助成を行い、定員の増加を図るなど、待機児童の解消に努めてまいります。次に、「宮っ子ステーション事業の推進」につきましては、「放課後子ども教室事業」の実施校を拡大するほか、子どもの家事業におきまして、土曜日の午後の開設を通年化できる体制を整備するなど、放課後における児童の健全育成に取り組んでまいります。
20ページをご覧ください。上から二つ目の「高齢者の入所・通所施設の整備促進」につきましては、特別養護老人ホームや地域密着型介護施設などの整備を促進し、入所待機者の解消などに、努めてまいります。
22ページをご覧ください。上から二つ目の、「第3図書館の建設」につきましては、平成23年度の開館に向け、整備を進めてまいります。下段の、「小中一貫教育の推進」につきましては、中学校を核とした6つのモデル地域学校園におきまして、義務教育9年間を系統的にとらえて学ぶ「小中一貫教育カリキュラム」や、小中学校相互の乗り入れ授業など、本市独自の小中一貫教育制度を構築してまいります。
24ページをご覧ください。上段の「小中学校の整備」につきましては、計画的に取り組みIS値0.3未満の校舎・体育館の耐震化につきましては、平成22年度に完了を図るなど、教育環境の整備に努めてまいります。下段の「体育施設の再整備」につきましては、市体育館への空調設備導入に向けた設計に着手するほか、清原球場に車椅子用観客席を設置するなど、体育施設の再整備に取り組んでまいります。
25ページをご覧ください。上段の「ジャパンカップ・サイクルロードレースの充実」につきましては、アジア最高位の森林公園周回コースにおけるレースのほか、中心市街地の大通り周回コースにおけるレースを実施してまいります。下段の「新エネルギー・省エネルギー機器の普及推進」につきましては、昨年の補正予算で計上いしました「住宅用高効率給湯器設置への助成」を、新年度においても実施するなど、温室効果ガスの削減に取り組んでまいります。
29ページをご覧ください。中段の「企業誘致の推進」につきましては、これまでも積極的に取り組んできたところでありますが、テクノポリスセンター地区に誘致いたしましたホンダエンジニアリングの研究施設の整備が完了いたしますことから、企業立地・拡大再投資補助金などを計上するものであります。今後とも、税収の確保や雇用の創出に向け、企業誘致活動に、積極的に取り組んでまいります。
30ページをご覧ください。上段の「中心市街地活性化の推進」につきましては、中心商業地 出店等促進事業補助金の補助対象の拡大を図るほか、中心商店街共同施設整備補助金といたしましてオリオン通り商店街のアーケード改修工事に対して助成するなど、中心商業地の魅力と活力を高めてまいります。
次の、「中小企業 融資制度の 活用促進」につきましては、新規融資枠を180億円確保するなど、中小企業への金融支援を強化してまいります。
32ページをご覧ください。下段の「市街地再開発事業の推進」につきましては、「馬場通り西地区」や33ページ上段になりますが、「宇都宮駅西口 第四B地区」の平成22年度竣工に向け、引き続き、支援を行い、都心居住の促進を図ってまいります。次に、「JR雀宮駅周辺地区整備の推進」につきましては、自由通路などの駅関連施設や広場整備、 周辺道路整備など、本市南部地域の拠点づくりを着実に進めてまいります。
34ページをご覧ください。下段の「生活交通確保対策の推進」につきましては、公共交通不便地域などにおきまして地域が主体となって実施する「地域内交通」を、市内各地域に 円滑に導入できるよう 支援をしてまいります。
35ページをご覧ください。上段の「新交通システム導入の推進」につきましては、市民向け説明会やオープンハウスを開催し、市民理解の促進に努めてまいります。次の、「自転車の利用・活用の促進」につきましては、中心市街地の回遊性を高めるための観光用レンタサイクル・モデル事業や、自転車利用者の利便性向上のためのモデル事業を実施してまいります。
36ページをご覧ください。
下段の、「都市ブランド戦略の推進」につきましては、昨年オープンいたしました情報発信拠点「宮カフェ」や、各種メディア、イベントを活用しながら、本市の価値や魅力を、市内外に発信し、本市に対する認知や信頼を高めてまいります。
以上、平成22年度当初予算案の大綱につきまして、その概要をご説明いたしましたが、これらの施策・事業を着実に推進していくことにより、「すべての市民が幸せを感じ、みんなに選ばれ、持続的に発展できるまち」の実現に向け、全力で、取り組んでまいりますので、よろしくお願い申し上げます。
なお、詳細につきましては、お配りしてある資料をご覧いただきたいと存じます。
資料
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平成22年度当初予算案の大綱(1ページから15ページ)(PDFファイル 726.1KB)
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平成22年度当初予算案の大綱(16ページから38ページ)(PDFファイル 450.3KB)
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平成22年度当初予算案の大綱(参考資料)(PDFファイル 351.5KB)
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平成22年度機構改革案(PDFファイル 127.2KB)
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平成22年度機構改革案(組織図)(PDFファイル 130.4KB)
質疑事項
予算大綱に関する質疑
記者 予算についてですが、この予算を一言で言うと「何予算」と命名するか。去年は確か「不況突破予算」だったと思うが。今年は予算にどのようなメッセージを込めたのか。
市長 今回は、かつてない厳しい姿勢で迎えなければならないという予算だったと思います。厳しい経済状況は100年に一度だといわれていますが、この100年に一度という影響は22年度からしばらく続くのだと思います。ですから、単年度だけを見据えたわけではなく、少し先を警戒しながら、慎重に、あらん限りの力を出し切って作り上げた予算だと思います。一言で言うと「身を切って、努力した予算」だと思います。なかなか一言で言うのは難しいですね。皆さんのほうがお上手ですから、お任せします。
記者 全体としてざくっとみると、基金を崩して、中期財政計画などと比べても投資的経費を厚くしたのかな、と。もちろん子ども手当によって膨らんだ部分があるとしても、感覚としては積極的に打って出た、というような予算か。
市長 そうですね、22年度予算はゼロベースから作り上げていくというのが大前提でしたけれども、経済を考えなければならないので、市民の皆さんから納めていただいた大切な税金を、効果的・効率的に使う。特に経済については、しっかりと循環型の社会が滞らないよう、止まらないよう、少しでも前進するように配慮いたしました。また、税収も徴収能力をあげていかなくてはなりませんから、先ほど申し上げたように、特別収納対策室を今回作って、しっかりと納めていただくものを行政としても徴収していく、という姿勢を強く出したということと、税収ばかりに頼よったり、これからの人口減、あるいは景気に左右されていたのでは安定した市政運営ができませんので、税のほかにある程度、宇都宮市に交流人口あるいは企業の誘致等でお金がしっかり入る仕組みというのも意識して作らせていただきました。
記者 今、循環型社会の継続とか推進とかがあったが、特に市長の強い意志で事業化されたものとか、いくつか重点的にあげた中でも特にここに注目して欲しいといった事業はなにか。
市長 厳しいゼロベースの中でもおさえておかなくてはならないところがいくつもあります。それらは第一段階で的確におさえられたと思いますが、後は特色を出していかなければなりませんが、そういうなかで先ほど項目ごとにお話しましたが、みんなが幸せに暮らせるまちを目指した取り組みの中では、たとえば、赤ちゃん、障がい者の方々、そして健常者の皆さんの健康の維持・促進に努める予算と、自転車を活用した、宇都宮市の財産である「ジャパンカップサイクルロードレース」を中心とした「自転車のまちづくり」の促進・活用というものを取り入れました。
経済にも関係することですが、環境の面で太陽光あるいは高効率給湯器、これを21年に引き続き力を入れていきたいと思います。また、みんなに選ばれるまちを目指した取り組みということでは、市街地再開発の事業も厳しい予算の中ではありましたが、継続して行い、予定通り仕上げていくということ、また、土地区画整理事業についても、今回新たに小幡・清住・平松本町といった都市基盤の整備も、こういう苦しいときだからやらないのではなくてあえて進めていく、そういう都市力の向上といったものも大きく進めていきたいと思います。
重複しますけれど「ジャパンカップサイクルロードレース」は宇都宮市の宝、しかも日本の宝とも言っていいと思います。この素晴らしい宝を表にどんどん出して、宇都宮としても市民の皆さんに大きく貢献・寄与いただけるような事業に拡大していくためにも工夫をしていきたいという予算を上げました。できれば前日に大通りで「ジャパンカップサイクルロードレース」のプレイベント的なものを開催できればと思っています。
また、持続的に発展できるまちを目指した取り組みとしましては、やはり教育・人間力に十分力を入れました。小中一貫教育と小中校の校舎・体育館の耐震補強をIS値の低い0.3未満については、22年度ですべてを終了していきたいと思います。
そして最後にこれも経済になりますけれど、中小企業への融資制度、21年度も大きな枠を設けましたが、ご存知の通り補正で対応するまで利用される人が多くいらっしゃいました。今年はさらに景気の二番底が危惧されている状況ですし、デフレがいっこうに止まらないような傾向が見受けられるので、中小企業対策として、さらに融資枠を拡大して予算付けしました。雇用対策ですけれど、細かくなりますが、資格取得支援なども助成し、企業側の離職者に対する雇用助成に対する補助なども、今回も支給していきたいと考えています。
あとは、国の考え方として公共事業は削減するということですが、市としては先ほど申し上げたように、必要な、特に市民の生活・生命・身体・財産を守るような公共事業については行わなければなりませんし、景気が悪い中で、可能な限り、少しでも前倒しで公共事業は市単独でも21年度とほぼ同額の金額を計上しました。そのあたりが今回の予算の特徴ではないかと思いますが、厳しい予算なので今までのように大きく打って出るような、皆さんからすればアピール力の強いものはなかなか出せなかったのか、と思います。
記者 先月の記者会見のとき、査定の話をしたときに、あがってきたものは乾いた雑巾状態だったというようにたとえていたが、子ども手当はあるが実質予算総額としては増額になっている。では、逆に切り捨てた部分とかどういった部分で無駄を排除したのか、具体的な例を伺う。
市長 今回ゼロベースで組み上げていきましたので、各課ともゼロからスタートして、今までスクラップアンドビルドをしてきた以上に予算を削減してきたと思います。その部分がとくに乾いた雑巾状態だったと思います。ですから、ゼロからの見直しを行ったおかげで相当各課も苦しんだと思いますが、削減ができました。
あまり目立つものはないのですが、その中でも、小さなものですけれど、教育委員会始め、ちりも積もればということで積み重ねていった結果、約7億3千6百万円の削減ができました。本当に不可能なくらい今までも削減してきましたから、相当ゼロからの見直しをしたということだと思います。今までのもので、市民の皆さんにも大きく関りのある鬼怒ふれあいビーチ、これは予算削減のためにというのではなく、使命が終ったことと維持ができなくなったということもあると思います。これは見直しとは違うのかもしれませんが。あとは指定管理者、あるいは保育園の民営化によって支出を抑えることができたものもあると思います。
記者 7年ぶりに交付団体になるという見通しについて率直な感想を。
市長 そうですね、わたしが就任したときには不交付団体でしたから地方交付税がもらえるということは想像もできませんでしたが、地方交付税で各市町村を調整することがいいとか悪いとかよりも、使わなくて済むような、本来の国の市町村に対する、地方に対する配慮というのを抜本的に考え直していただければと思います。それが税の配分だと思います。国と地方税の配分は明らかに国の方が取り分が多いわけです。その中にあって市町村の格差を埋める意味で地方交付税というのはあるのでしょう。そういうものに頼らないで、もう少し税の配分を地方重視にしていただければ、こういうことで一喜一憂しなくても済むような環境になっていくのではないかと思います。現政権は地方重視ということで、消費税も議論されるということでありますので、されるのであれば税全体の見直しをしていただいて併せて税の配分について、国と地方のあり方を抜本的に変えていただければと思います。
記者 機構改革の中でLRT導入推進室は廃止ということになっているが、市長の見通しとして今後復活することがあるのか、また、事業自体をなくすとか考えを聞きたい。
市長 今後について市民説明会は行っていきたいのですが、この予算の中でも反映させていますが、国がどういう考えを示すのか、それが情報としてつかめていませんので、それに合わせて、なおかつ公共交通の中の一つとしてLRTを含めた新交通については考えていますから、機構改革をしてその中で国の情報を取りながら今後進めていきたいと思います。
記者 それぞれ関係があった推進室が地域政策課・交通政策課に組み込まれていくことの意味と、LRT導入推進室という名前から新交通システムとなるということである意味トーンダウンしていると思うのだが、その点についてどうか。
市長 地域政策室や交通政策課の中でいろいろと細かい仕事になっていくのだと思います。課内での仕事となっていくと思いますので、縮小というかその中で一連の中でやっていくということです。トーンダウンということですがたとえばLRTについては具体的な数字を盛り込んで、調査等をして具体的な数字を出してそれを盛り込んだ説明会というものができなくなりましたので先ほど申し上げましたとおり国の様子を見なくてはなりませんが、そういう意味で課の中に課内室として設置をいたしました。ですからトーンダウンというよりは役割をコンパクトにしたということだと思います。
記者 名称そのものについてはどうか。
市長 名称は今後その時々で変えていくと思いますが、今回はLRTのみではなくて課としては公共交通全体の構築を考えていくということで、これでいいのではないかと思います。どちらかというと特にネットワーク型コンパクトシティの中でコンパクトシティの構築を図っていくうえで不可欠な地域内交通がスタートしていますので、それらの地域内交通と同じようにLRTを始めとする新交通システムとかあるいはバス路線の維持、路線の見直しそういったものをこの中であわせて行っていくということを考えると一つにまとめたほうが課としてはやりやすいでしょうし、効率性を考えてネーミングを含めこのようにいたしました。
記者 市長はLRTの市民説明会はやりたいというが、大綱にも盛り込まれているが、時期としては夏ぐらいあるいは秋ぐらい、考えているところはあるか。
市長 いつになるか今のところまったく分からない状況です。頭がいたいのは具体的な説明を分かりやすくしていかなくてはなりませんので、それらを含めると国の方向性などの情報をしっかりと取って、失敗しないようにスタートは切っていかなければなりませんので、今の時点では時期についてはなんともいえないと思います。
記者 特別収納対策室の設置と納税の強化について、実際に今滞納額はどれくらいあり、この設置によりどれくらいの回収を見込んでいるのか、数字を伺いたい。
人事課長 全体の滞納額は、今、手元に資料がございませんが、来年度設置の特別収納対策室で所管します債権は、市税・国民健康保険税・介護保険料・後期高齢者医療保険料・農業集落排水事業分担金・保育費扶養者負担金で、このうちの悪質な滞納者などを対象に回収を行うもので、対象となる債権の総額は、約3億円余となる見込みでございます。
記者 予算編成の上で民主党政権の影響はあったか。
市長 当初公共事業の情報がなかなか入らなくて、継続事業については積極的に計上しましたが、国の予算では公共事業は大幅に削減ということで、それが大きく影響を受けたところです。もっとも困ったのは子ども手当について、児童手当の地方の部分が、子ども手当となりましたけれども、地方も負担を求められています。そのあたりが政権が変わって受けた大きな影響です。
記者 具体的な公共事業でこれが減ったというようなものはあったか。
財政課長 道路の関係で補助事業では約10億円くらい事業費で減っています。
記者 財政全般について、財政状況・財政指標をみると一言で言えば硬直化が進んだということだと思うが、このことをどのように評価しているのか、また、単純にこのペースで行くと2年後くらいには基金がゼロになってしまうが、そのところを含めて今後どのように見通しているのか。評価と今後の見通しについて伺う。
市長 財政の硬直化ということで経常収支比率、何とか80パーセント台というのを中期財政計画の中でも考えていましたけれど、これだけ税収が落ち込むと投資的経費の確保がなかなか難しくなっています。その一方でそれらを何とか伸ばそうと努力はしたとしても、義務的経費・消費的経費が相当増えていくという時代になるのだと思います。それを考えると、硬直化しないように中期財政計画をもとに努力をしていかなければならないでしょう。努力にはいくつかありますけれども先ほど申し上げました収納率を上げることなどです。
また、経済ではなくて大きな高いハードルが人口減少だと思います。税収は当然比例して落ちていきますので。経済もこうなるとは思っていませんでした。100年に一度というのがくるとは思っていませんでしたから。人口減少と、突発的なものに対してだけ対応できればと思っていましたが、そういう見通しでは今後はだめですね。今後は経済が上向いていくと思っていますけれども、もう経済が上向いていかない、デフレが続くという見込みもしていかないとならないでしょう。そのため基金はいままで100年に一度とか、バブル崩壊のようなことが今後日本にもあると思ったので、そのときに備えて基金を5年間ためにためて、5年前に比較すると2倍にまで上げてきました。それはいざというときに使おうと思っていましたけれど、それがこんなに早く来てしまった。今回はどうにか対応できましたが、これからも、二番底ではありませんが、また経済がどのようになるか分からない状況の中では、ある程度見通しの中では、基金はしっかりと確保していくということと、市債残高、これはいろいろな考え方があると思いますが、たとえば起債をどんどんしていって財調(財政調整基金)には手をつけないとか、あるいは財調にどんどん手をつけていって起債はしないとか、あるいはいい塩梅に、とかあると思いますが、やはり人口が減っていくと税収が減りますのでどうしても市債残高は減らしていくべきだと思います。どんなに鈍くてもいいから少しずつ減らしていこうというのが、宇都宮市の姿勢です。
記者 2期目の2度目の予算編成ということで、今までを通して一番厳しい予算編成か。
市長 一番厳しかったと思います。景気の影響がこんなに出たことはなかったと思います。宇都宮市の税収は今まで比較的安定して伸びてきましたからね、ですから、私だけでなくて、ベテランの職員も始めて経験したことだと思います。今まで税収が下がったことってないのじゃないですか。副市長クラスの長い人でも初めてだと思います。これは市政史上の中で戒めとして残しておかなければならない事実だと思います。これから景気が仮に良くなったとしても人口が100年後に半分になってしまったら、税収は半分になるわけですし、上げるという時代ではないと思いますから、なくなった分をそのまま税金を上げるわけにはいかないでしょう。地方でこのような状況なのですから日本という国はますます大変になっていくのではないかと思います。
記者 厳しい情勢の中、予算の中でもホンダエンジニアリングさんの補助金が10億円くらい、大きな額だと思うが、予定通りに進むのか、また、このことについて市長の考えを伺う。
市長 税収入は根幹を成すものです。その税収を安定させるうえでも、定住人口・進出企業、零細を含めてしっかりと進出できる環境を、誘致をする活動のほかに環境も作らなくてはいけないと思います。そういう意味で今までの補助制度から大きく金額を増やしました。お聞きするところによると4月から、起工式なども予定通りと伺っていますので、このままうまく進んでいただいて、予定通りに稼動していただくことと、社員の方が宇都宮に順調に移動して、宇都宮市民になっていただけると、本当にありがたいと思います。
財政課長 税収の減についてでございますが、過去にも何回かありましたが、これほど大きく57億円を2回続けて減収になった、2年間で100億円を超えるような減収が起こったというのは初めてでございます。
記者 特別収納対策室について、県のほうで地方税徴収特別対策室が3年前からあり、悪質な滞納案件に関わっている。宇都宮市の職員も参加していると思うが、こことの整合性というか、どういう位置づけか。
市長 県税と市町民税は一体ですから効率性を考えると当然その分についてはこれまでどおり県の収納対策室と力を合わせてやっていくことだと思います。
記者 県の方にはこれまでどおり市の職員が出向したままで、市は市で特別収納対策室で強化していくということか。
市長 そうです。
記者 先ほどふれた消費税増税を含む税制の抜本改革の議論について、先日原口総務大臣は財政が疲弊した直後に増税の論議をするとかえって財政赤字が増えるのでは、ということで慎重な論議を求めるという考えを表明し、きのうの知事会見では福田知事は、論議としては大歓迎としながらも、衆院選の前後は鳩山総理は議論そのものをしないと言っていたので、流れは少し奇異に感じるといった発言をしているが、そのような発言や鳩山首相の態度についていかに思うか。
市長 やる・やらない、議論する・しない、については言っていることがいつも違うので分からないのですが、消費税について議論をするならば消費税のみならず税全般について総合的に議論をしていただきたいと思います。それと実施については、いずれ国の財政を考えればせざるを得ないということになるでしょうし、それらについてはしっかりと姿勢を、議論をしながら示していただきたいと思います。議論だけして先送り、あるいはのざらしになってしまうと、まったく市場は安定しないでしょうし納得もしないでしょう。議論をした上で実際にいつ消費税を上げるのか、そういう議論までできる環境を作って、結論は時期を明確にされたほうが良いと思います。そして、その中では地方交付税のみならず税の分配についてもしっかりと地方を巻き込んで考えていただきたいと思います。
記者 新規事業の中で「ジャパンカップサイクルロードレース」の中心市街地の追加実施ということで、市長はプレイベント的に開催できればということだが、これはプロが参加するレースという位置づけか。
市長 そうするとプレ(イベント)という意味ではなくなるのかも知れませんね。走る人は次の日「ジャパンカップサイクルロードレース」に出るプロの方だけになりますので、本レースと同じくらいの質の高いレベルの高いレースになるのだ、と考えています。今、警察を始めいろいろな方と、地元の方たちを含めて協議をさせていただいておりますので、まだ固まっていませんが、相当衝撃的な、外に発信するには大きなインパクトを与えられるようなものになると思います。ヨーロッパでは街の中を走るのは当たり前、そして周回レースのように楽しむ、市民の方たちに楽しんでいただくというのは相当好評を博しているようですので、これが日本でできるとなるとインパクトがあるでしょうし、また、ヨーロッパの方々からすると注目を集めるようなレースになり、ジャパンカップそのものが大きくグレードアップしていくのだと思います。
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