平成25年度施政方針

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ページID1002177  更新日 令和6年3月8日

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 平成25年第1回市議会定例会の開会に当たり、私の市政運営に対する所信の一端を申し上げるとともに、議案第18号から第35号までの平成25年度宇都宮市一般会計予算及び特別会計予算についての大綱を御説明申し上げ、議員各位をはじめ、市民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。

市政運営の基本方針

 それでは、市政運営の基本方針につきまして、述べさせていただきます。
 我が国の社会経済情勢を見ますと、少子・超高齢社会の進行をはじめ、世界経済の減速を背景とした景気の停滞やデフレ状況の長期化、依然として厳しい雇用環境、そして、まもなく2年を迎える東日本大震災からの本格的な復興など、取り組むべき課題が山積しております。
 このような中、国におきましては、日本経済の再生に向け、金融政策、財政政策、成長戦略の「三本の矢」により、長引く円高やデフレからの脱却、雇用や所得の拡大を図ることとしており、こうした取組による景気回復への期待感から、円高修正が進み、株価も上昇するなど、日本経済の見通しに明るさが見え始めてきたところであります。
本市におきましても、今後いよいよ人口減少や少子・超高齢社会を迎えることとなりますが、そのような中にありましても、市民の誰もが元気に笑顔で暮らすことができ、利便性と機能性に優れ、都市の魅力に溢れるまちづくりを推進することにより、「5年後の市民の幸せ」を確実なものとし、「100年後の都市の繁栄」の実現に導いていくことが、私の使命であると強く認識し、全力で取り組んでまいります。
 このような決意の下、新年度は、「宇都宮市第5次総合計画 後期基本計画」のスタートの年となりますが、これまで取り組んでまいりました、「みんなが幸せに暮らせるまち」「みんなに選ばれるまち」「持続的に発展できるまち」の実現を目指し、施策の重点化を図りながらスピード感を持ってまちづくりを進めてまいります。
 まず一つ目の「みんなが幸せに暮らせるまちづくり」でありますが、子どもから高齢者まで、誰もが輝き、住み慣れた地域で安心して暮らすことができるよう、安全安心で快適な生活環境の向上を図ることが重要と考えております。
そのため、安心して子どもを生み育て、親と子が共に成長することができるよう、「子育て支援の充実」を推進するとともに、高齢期を迎えても、元気にいきがいをもって生活できるよう、「高齢者の生活の質の向上」を図ってまいります。
 また、東日本大震災を教訓とした災害へのできる限りの備えや地域防災体制の強化、日常生活における食の安全安心や防犯・交通環境の整備推進により、市民の「安全で安心な暮らしの確保」に努めてまいります。
そして、本市が目指すネットワーク型コンパクトシティの実現に向け、誰もが活発に外出や交流ができるよう、基幹公共交通やバス路線、地域内交通などが相互に連携した「総合的な交通体系の確立」を推進するとともに、再生可能エネルギーの利活用や省エネルギー化の促進など、人や自然にやさしい「環境と調和した“まち”の形成」に取り組んでまいります。
 二つ目の「みんなに選ばれるまちづくり」でありますが、本市が独自の存在感と風格を備え、多くの人や企業を惹きつけ、人・もの・情報が活発に交流する都市となるためには、都市基盤の着実な形成を進めていくとともに、本市の魅力を積極的に発信していくことが重要と考えております。
 そのため、機能性の高い広域的な交流や賑わいを創出する都市拠点の形成をはじめ、地域特性と調和した自立性の高い地域交流拠点の形成により、「活力ある拠点の創造」に努めるとともに、宇都宮ブランド戦略の推進やプロスポーツ支援など、個性ある本市独自の文化の創造や、スポーツが盛んな活気あふれる愉快なまちづくりを進め、「魅力ある都市の個性づくりと発信」に取り組んでまいります。
 三つ目の「持続的に発展できるまちづくり」でありますが、地域活力の維持・向上を図り、本市の持続的発展をより確実なものにしていくためには、「人間力」・「産業力」の強化が必要であると考えております。
そのため、子どもたちが社会で生きる知力や確かな学力、豊かな心や体力を身につけ、幅広い視野を持つことができるよう、教育環境の充実を図り、「次代を築く人材の育成」に取り組んでまいります。
 また、本市産業の発展を力強く進めるため、イノベーションが期待される成長産業の育成支援や、農畜産物の生産力の強化、将来を担う多彩な人材の育成などにより、「産業力の強化」に努めてまいります。
また、「人と人とのつながり」や「社会総ぐるみによる人づくり」を推進するため、地域における様々なコミュニティ活動の支援強化などにより、「地域が主体となったまちづくり」に取り組んでまいります。
 

予算編成の基本方針

 次に、「予算編成の基本的な考え方」につきまして、御説明申し上げます。
 本市の財政状況につきましては、歳入におきまして、企業収益の回復基調などにより、緩やかな市税収入の増加が見込まれるものの、歳出におきまして、少子・高齢化に伴い、生活保護費をはじめとする社会保障関係経費が増加するなど、依然として厳しい状況にあります。
 このような中にありましても、本市が将来にわたり持続的に発展していくためには、自主的・自立的な行財政運営を進めながら、限りある行政経営資源で都市の活力を高めるとともに、市民福祉の最大化を図っていく必要があります。
このため、新年度の当初予算編成に当たりましては、社会経済環境の変化や市民ニーズに的確に対応した施策・事業の「選択と集中」や、全ての事務事業のゼロベースの視点に立った根本からの見直しに取り組むとともに、後年度の負担に配慮した市債や基金の活用などにより財源を確保し、「健康寿命の延伸」や「安全・安心な生活環境の創出」、「総合的な交通体系の確立」など、「まちづくりの重点課題」や「市内経済の活性化」に優先的・重点的に取り組むことといたしました。
 また、それらの取組の推進に必要な行政経営資源を確保するため、「行政経営基盤の強化」に取り組むこととしたところであります。
その一方で、国の経済対策などを活用し、切れ目のない予算執行ができるよう、新年度に予定していた公共事業におきましても、平成24年度への前倒しに積極的に取り組むことといたしました。
 このような基本的な考え方のもとに編成いたしました一般会計当初予算案は、前年度当初予算額1,825億7,000万円に対しまして、1.2パーセント減の1,804億円を計上したところであります。
 なお、平成24年度への前倒し分を含めた、いわゆる15か月予算といたしますと、1,857億円余と過去最大の予算規模となるものであります。
 次に、特別会計についてでありますが、まず、高齢化に伴う保険給付費の増などにより、国民健康保険特別会計におきましては、前年度比3.6パーセント増の500億円余、介護保険特別会計におきましては、前年度比2.8パーセント増の247億円余を計上いたしました。
 また、競輪特別会計につきましては、車券発売収入などの減が見込まれますことから、前年度比0.3パーセント減の144億円余を計上いたしました。
 また、土地区画整理事業による都市基盤整備を推進するため、宇大東南部第1土地区画整理事業特別会計におきまして、前年度比7パーセント増の13億円余を計上いたしました。
 最後に、水道事業会計につきましては、耐震化にあわせた老朽配水管の布設替の増加などに伴い、前年度比3.2パーセント増の149億円余を計上いたしました。
 この結果、一般会計と特別会計を合わせた予算の総額は、前年度の当初予算総額3,169億4,487万円に対しまして、微増の3,170億1,897万円を計上したところであります。
 

主要な施策

 次に、「主要な施策」につきまして、「第5次総合計画」の施策の体系に基づき、その概要を御説明いたします。
 第1は、「安全で健康な笑顔あふれる暮らしを支える」についてであります。
 まず、「健康寿命の延伸」につきましては、高齢者肺炎球菌ワクチン接種費の助成を実施するほか、自殺予防対策を推進するため、モデル救急病院と連携した自殺未遂者の実態調査を実施するなど、疾病予防やこころの健康づくりに取り組んでまいります。
 次に、「子育て支援の充実」につきましては、認定子ども園の新設や私立保育園の増改築への助成を行うほか、多様な保育ニーズに対応するため、私立保育園等における発達支援児や病児・病後児の受け入れ体制の充実に取り組んでまいります。
 次に、「高齢者・障がい者の生活の質の向上」につきましては、特別養護老人ホームなどの高齢者の入所・通所施設の整備を促進し、入所待機者の解消等に努めるとともに、障がい者福祉施設につきましても、改築への助成を行い、定員の増加を図るなど、高齢者や障がいのある方が安心して暮らすことができる環境づくりを推進してまいります。
 次に、「安全で安心な暮らしの確保」につきましては、大規模災害等に備え、防災備蓄庫の備蓄物品の拡充や備蓄庫の増設に取り組むとともに、市内39地区に備蓄避難所を整備するほか、災害時の医療救護体制の確保や、木造住宅の耐震化の促進及び、公共施設の耐震化を推進してまいります。
 また、空き家対策の推進に向けた空き家の実態調査を実施するほか、防犯灯のLED化を促進するための設置費助成の加算を行うなど、市民生活の安全確保に努めてまいります。
 第2は、「学ぶ意欲と豊かなこころを育む」についてであります。
 まず、「信頼される学校教育の推進」につきましては、学校、家庭、地域が連携しながら、いじめゼロ運動を推進するほか、一条中学校の宇都宮工業高校跡地への移転改築や、児童生徒数の増加に伴う校舎の増設などに取り組んでまいります。
 次に、「スポーツ活動の促進」につきましては、市体育館の大規模改修工事や清原球場のトイレの洋式化工事など、スポーツ施設の充実を図ってまいります。
 また、ジャパンカップ・サイクルロードレースの開催に合わせ、サイクルトレインイベントを実施するほか、本年7月に開催される、日米大学野球選手権大会への支援に取り組んでまいります。
 第3は、「快適な暮らしを支える」についてであります。
 まず、「環境にやさしい社会の形成」につきましては、省エネルギー化を推進するため、住宅用太陽光発電システムなどの設置費の助成や、電気自動車用急速充電器を「道の駅ろまんちっく村」に設置するほか、小水力発電の普及に向けた情報の発信など、低炭素型の都市づくりに取り組んでまいります。
 また、ごみの減量化・資源化を推進するため、剪定枝のチップ化を実施するほか、効果的・効率的なごみ処理体制を構築するため、中間処理施設など、計画的な整備に取り組んでまいります。
 次に、「良好な緑の環境の創出」につきましては、旧斎場跡地を活用し、戸祭山緑地と連続した樹林地の復元に取り組むなど、緑の保全、育成に努めてまいります。
 次に、「上下水道の整備」につきましては、引き続き、高品質な水道水の安定供給に向けて取り組むとともに、公共下水道の整備や合併処理浄化槽の設置促進などによる生活排水の適正処理、浸水被害の解消に向けた雨水対策などに取り組んでまいります。
 第4は、「豊かな暮らしを支える活気と活力のある社会を築く」についてであります。
 まず、「産業力の強化」につきましては、企業誘致を促進するため、企業の立地や拡大再投資に対する支援を拡充するほか、起業家を養成するための講座を実施するとともに、新産業の創出に取り組む企業を支援するための助成を拡大するなど、本市の産業基盤の強化に取り組んでまいります。
 次に、「商工業の振興」につきましては、就職困難者雇用奨励金を拡充するなど、雇用対策に取り組んでまいります。
 また、中心商業地への出店と定着を促進するための助成を拡大するほか、オリオンスクエアの大型映像装置の効果的な活用を図るなど、中心市街地の賑わいづくりに取り組んでまいります。
 次に、「農林業の振興」につきましては、農産物のブランド化や農業の担い手の確保・育成に努めるほか、出荷を制限されている、原木しいたけ生産者に対する経営再生支援に取り組むなど、本市農業の持続性と競争力の向上に取り組んでまいります。
 次に、「観光の振興」につきましては、首都圏などでの観光キャンペーンの実施や、来訪者の回遊性の向上を図るため、携帯端末を活用したスタンプラリーを実施するなど、戦略的な観光セールスに取り組んでまいります。
 第5は、「都市基盤の機能と質を高める」についてであります。
 まず、「魅力ある都市空間の形成」につきましては、都市の魅力や風格を高め、賑わいのある都心部の再生を図るため、「JR宇都宮駅周辺地区」の整備や、大手地区などの市街地再開発事業を推進するほか、地域の都市機能の充実を図るため、「JR岡本駅周辺地区」の整備に取り組んでまいります。
 次に、「総合的な交通体系の確立」につきましては、LRTの事業化を具体的に進めるための計画策定に関する調査の実施や、将来の公共交通ネットワーク構築に関する市民理解の促進に積極的に取り組むほか、地域が主体となって実施する地域内交通の運行地区の拡大を図るとともに、バス路線の新設に向けた社会実験の実施など、円滑で利便性の高い交通体系の確立に向け、取り組んでまいります。
 また、自転車利用者の利便性向上のため、「自転車の休憩スポット」を拡充するほか、カラー舗装による自転車専用レーンの整備など、「自転車のまち宇都宮」の確立に向け、取り組んでまいります。
 第6は、「都市の自治基盤を確立する」についてであります。
 まず、「地域が主役のまちづくりの推進」につきましては、自治会の活性化を図るため、自治会の加入促進に積極的に取り組むほか、河内地域自治センター及び生涯学習センターの改築に伴う実施設計や地区市民センターのバリアフリー化に取り組むなど、地域におけるまちづくり活動を支援してまいります。
 次に、「行政経営基盤の強化」につきましては、将来の公共施設の維持更新費用の軽減を図るため、公共建築物などの長寿命化対策を計画的に進めてまいります。
 また、公有財産の効果的・効率的な更新手法等について検討するなど、公有財産のマネジメントの推進に努めてまいります。

行政改革の取組

 次に、「行政改革の取組について」でありますが、本市におきましては、「第4次行政改革大綱」に基づき、これまでも事業の「選択と集中」の考え方の下、「外部委託の推進」や「事業の再編・統廃合」などに取り組み、限りある行政経営資源を本市の喫緊の課題に適切に配分できるよう、積極的に行政改革を推進してきたところであります。
 新年度におきましても、継続的に改革に取り組んでいくことが重要でありますことから、職員がコスト意識を高め、現在の制度や仕事の進め方につきまして、不断に見直しを行い、「事業の原点からの見直し」や「民間活力の更なる活用」など、全庁一丸となって行政改革に取り組んでまいります。
 

市政運営の執行体制

 最後に、「執行体制について」でありますが、市政運営及び予算編成の基本方針を踏まえるとともに、第5次総合計画に掲げる各種施策・事業や行政改革、さらには様々な行政課題に着実かつ迅速に取り組むため、効果的・効率的な執行体制を整備してまいります。
 まず、「組織機構」についてでありますが、本市の目指す総合的な公共交通ネットワークの中心となる東西基幹公共交通の整備に向け、本年1月より、「LRT整備推進室」を整備したところでありますが、新年度は、事業化計画の策定など、導入に向けた具体的な取組を一層進めるため、LRT整備推進室に「計画グループ」を設置し、さらに体制を強化してまいります。
 次に、本市の魅力向上に向け、本市全体の広報施策と融合したブランド発信を行うことにより、これまで以上に元気で愉快な「宇都宮ブランド戦略」を展開するため、現在、政策審議室内に課内室として設置しております「都市ブランド戦略室」を広報広聴課へ移管してまいります。
 次に、再生可能エネルギーの利活用の促進など「環境と調和した まち の形成」に向け、現在、環境政策課内に設置しております「低炭素都市づくり担当」を、環境負荷の少ないエネルギー施策に関する庁内の総合調整などを担う「エコエネルギー担当」に改めてまいります。
 続きまして、「人員体制」についてでありますが、保育園や小学校の給食調理業務の外部委託を進めるなど、事務事業の見直しに取り組むことにより、職員数の適正化に努めてまいります。

むずび

 以上、市政運営に関する私の所信の一端と、平成25年度当初予算案の大綱などにつきまして申し上げました。
 私は、まちづくりを進める上では、これまで築きあげてきた独自の文化や歴史の蓄積などを大切に継承していくとともに、将来の市民の幸せや都市の繁栄に向けてチャレンジ精神を持って果敢に挑戦していくことが重要であると考えてお ります。
 そのためには、時代の趨勢を適切に見極める分析力と冷静な判断力、幾多の障壁をも乗り越える強い意志と実行力が必要であり、社会潮流の大きな変化の中にありましても、宇都宮が独自の輝きを放ち、豊かな都市力を備え、全ての市民・企業・団体が、支えあい助け合いながら、夢や希望に満ち、元気と笑顔に溢れる都市として発展できるよう、50万市民の先頭に立ち、自らの持てる全ての力を傾注し、市政運営に取り組んでいく所存であります。
議員各位をはじめ、市民の皆様方には、より一層の御支援と、御協力を賜りますよう、心からお願い申し上げます。

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