平成22年度施政方針

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ページID1002180  更新日 令和6年3月8日

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 平成22年第1回市議会定例会の開会に当たり、私の市政運営に対する所信の一端を申し上げるとともに、議案第26号から第46号までの平成22年度宇都宮市一般会計予算及び特別会計予算につきまして、大綱を御説明申し上げ、議員各位をはじめ、市民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。

市政運営の基本方針

 それでは、市政運営の基本方針について、述べさせていただきます。
 まず、昨今の社会情勢を顧みますと、新型インフルエンザの大流行やハイチでの大規模な震災被害を目の当たりにし、私たちは「安心して、健康的に、日々を暮らす」ことがいかに大切であるかを改めて思い知るところとなりました。
 また、今後の我が国の経済は、緩やかな回復が期待されるものの、雇用情勢の厳しさやデフレ進行の懸念などがあり、現状からの着実な回復には、即効性ある緊急経済対策を継続的に実施していくことはもちろん、明確なビジョンと柔軟な発想を持った総合的で効果的な政策の展開が必要であります。
 さらに、国においては、政権の交代に伴い様々な政策の転換が進められている中で、地方においては、住民ニーズや地域特性を踏まえた新たな行政運営の在り方が模索されており、私たち地方自治体には、自主性・自立性・独自性を備えた実行力が待ったなしで求められております。
 このような中、本市は、昨年来直面している経済危機を「危機こそ好機」であると捉え、本市の持つあらゆる資源と、そのポテンシャルに目を向け、それらを結集し、全市一丸となったまちづくりに取り組むとともに、雇用対策や企業の資金繰り支援などの迅速な経済対策、インフルエンザ対策、二次救急医療体制の強化、学校施設の耐震化など、市民の安全・安心に直結する事業に優先的に取り組んでまいりました。
 一方、昨年10月に、市民の皆様と共に決定した「住めば愉快だ 宇都宮」のブランドメッセージは、本市における日々の暮らしの豊かさの象徴であるとともに、将来にわたって守り続けていくべき未来像でもあります。本市は、そうした市民一人ひとりが幸せを感じることができる毎日の生活をこれからも創り上げていくため、市民の暮らしを大切にする施策事業を更に展開していく必要があります。
 また、そうした暮らしを支える都市の在り方といたしましては、中核的で高度な機能を担う都市拠点やそれぞれの地域の拠点が、個性や魅力を一層高めるとともに、効果的に連携したネットワーク型コンパクトシティの形成を引き続き進めていく必要があります。
 我が国は今、幕末から明治にかけた激動の時代にも匹敵するような大変厳しい環境にありますが、私は、そうした苦難の中から近代日本を築き上げた先人達に負けぬよう、不屈の志と弛まぬ努力によって、この難局を乗り越え、着実かつ果敢なまちづくりを実行してまいります。
 このような決意のもと、まず、「平成22年度の市政運営の基本的な考え方」につきまして、述べさせていただきます。
 新年度は、引き続き、本市の総力を挙げて、現在の閉塞感を打ち破るべく、経済対策に重点的・重層的に取り組んでいくとともに、将来に向けた「みんなが幸せに暮らせるまちづくり」、「みんなに選ばれるまちづくり」、「持続的に発展できるまちづくり」を実現していくため、これまで以上に「選択と集中」による行政資源の効果的な投下を図り、厳選した施策事業を途切れることなく実行してまいります。
 
 一つ目の「みんなが幸せに暮らせるまちづくり」に向けましては、全ての市民が希望に満ち、“安全安心に、健康的に、生きがいを持って暮らす”ことのできる社会環境づくりを進めてまいります。
 そのためには、まず、「子ども、高齢者、障がい者の笑顔溢れる暮らし」を実現できるよう、現在策定中の「(仮称)宮っこ 子育ち・子育て応援プラン」に基づき、市民が安心して子どもたちを生み育てることができる環境整備やサービスの充実に取り組むとともに、一人ひとりの高齢者、障がい者が、生きがいや働きがいを持って、自己実現を図っていくための支援に取り組んでまいります。  
 また、すべての市民の穏やかな暮らしを目指し、「安全安心な生活環境を創出する」ため、市内各地域における災害への備えや防犯体制の強化などに引き続き取り組んでまいります。
 また、 「総合的かつ体系的な交通の確立」を目指し、公共交通をはじめとした様々な交通手段の連携強化と誰もが気軽に利用できる移動手段の確保を図っていくため、公共交通空白地域などにおける地域内交通を引き続き推進していくとともに、環境や健康増進、スポーツの振興にも高い効果が期待できる「自転車」に特に重点を置き、「自転車のまち 宇都宮」を確固たるものとすべく、自転車利用・活用の推進に力を注いでまいります。
 さらに、人と環境が共生する「低炭素社会を構築」し、次世代への負荷を軽減することは、地球環境の構成員である私たちに課せられた責務でありますことから、「もったいない運動」の継続的な展開や市民生活の省エネルギー化、新たなごみ分別・資源化の推進などに率先して取り組んでまいります。
 二つ目の「みんなに選ばれるまちづくり」に向けましては、本市が、存在感や風格・魅力を備え、人や企業をひきつける都市となり、交流人口、定住人口を拡大していくため、都市基盤の着実な形成を進めていくとともに、魅力づくりや情報発信に、積極的に取り組んでまいります。
 そのため、都市基盤形成に向けた「機能的で魅力ある拠点を創造する」ことができるよう、間もなく策定が完了する「都市計画マスタープラン」や「中心市街地活性化基本計画」に基づき、都市拠点や地域拠点などの形成を進めてまいります。
 都市拠点である「中心市街地」におきましては、平成22年度の竣工を目指す馬場通り西地区、宇都宮駅西口第四B地区をはじめとした市街地再開発事業の推進や宇都宮駅東口地区整備事業の再構築に取り組み、さらには商店街などによるまちなか活性化の取組や地権者・関係団体などが連携した空き店舗対策を支援し、また、「地域拠点」におきましては、交通や教育などの都市機能の充実を図る雀宮駅周辺地域における中核施設の整備や土地区画整理事業の完了が目前である中里原地区における住環境の整備などを進めてまいります。
 また、「都市の個性を創出し発信する」都市ブランド戦略を推進し、本市の持つ魅力を市内外に確実に伝えていくため、首都圏での「イベントの充実」や市内3チームの「プロスポーツ支援の推進」に取り組んでまいります。
 三つ目の「持続的に発展できるまちづくり」に向けましては、いかなる時代が到来しようとも、本市が持続的に発展していくために、まちや人々が備えるべき「行動力」と「挑戦する志」の向上に努めてまいります。
 そのため、「高い人間力を備え、次代を切り拓く人材を育成する」ことを目指し、子どもたちの豊かな心と学びを育み、多様な個性を伸ばす、きめ細かな学校教育環境の充実に取り組むとともに、地域教育の推進に努め、様々なまちづくり活動のリーダーとなる人材の育成に取り組んでまいります。
 また、市民生活や地域社会を支え、まちに活力をもたらす「産業力の強化」を目指し、積極的な企業誘致や地域産業の育成・支援、産学官と異業種の連携などにより、高い成長性と強い競争力を持つ企業の創出を促進するとともに、本市への来訪者に「信頼」と「愛着」を持っていただけるよう、おもてなしの心あふれる観光振興を進めてまいります。
 さらに、力強い農業の実現を目指し、本市の大地の恵みを余すことなく生かしきることができるよう、農業生産基盤の充実や農商工連携、農産物のブランド化などに取り組んでまいります。
 また、「地域が主体となったまちづくり」を進めていくため、人々がそれぞれの地域資源の良さを再発見・再認識し、それらを地域で共有化するとともに、それらを活用した魅力ある地域づくりを積極的に支援してまいります。

予算編成の基本方針

 次に、平成22年度の「予算編成の基本的な考え方」につきまして、御説明申し上げます。
 本市の財政状況につきましては、市税収入が平成21年度当初予算から57億円、平成20年度当初予算からは114億円を超える減収となり、加えて、生活保護費をはじめとする社会保障関係経費が急増するなど、極めて厳しい状況に直面しております。
 こうした中にありましても、すべての市民が明日に夢と希望を持ち、本市が将来にわたり、持続的に発展していくためには、限りある行政資源の中で、より効果的・効率的な施策・事業への優先化・重点化を進めていく必要があります。
 このようなことから、新年度の当初予算編成に当たりましては、市税の大幅な減収が見込まれる中にありましても、後年度への影響に配慮しながら、基金や市債を効果的に活用し、すべての市民が、健康で快適に生き生きと暮らすことができるよう、保健・医療サービスの充実や都市の福祉力の向上に取り組んだところであります。また、低炭素社会の構築に向けて、地球温暖化対策に取り組むとともに、中心市街地の活性化や地域拠点の創造、産業力の強化、次代を築く人材の育成など、本市の魅力や価値を高め、将来の持続的な発展につながる予算を計上したところであります。
 このような基本的な考え方のもとに編成いたしました平成22年度の一般会計当初予算案は、前年度当初予算額1,697億5,000万円に対しまして、6.8パーセント増の1,812億2,000万円を計上したところであります。
 次に、特別会計についてでありますが、まず、競輪特別会計につきましては、特別競輪の開催に伴い、予算額は前年度比17.8パーセント増の210億円余を計上いたしました。
 また、土地区画整理事業による都市基盤整備を推進するため、鶴田第1土地区画整理事業特別会計におきましては、前年度比44.5パーセント増の5億円余、中里原土地区画整理事業特別会計におきましては、前年度比10.5パーセント増の2億円余を計上いたしました。
 次に、水道事業会計につきましては、第6期水道拡張事業の事業量の減少に伴い、前年度比3.9パーセント減の165億円余を計上いたしました。
 この結果、一般会計と特別会計を合わせた予算の総額は、前年度の当初予算総
額3,060億8,251万6千円に対しまして、5.3パーセント増の3,222億3,005万円を計上したところであります。

主要な施策

 次に、平成22年度の「主要な施策」につきまして、「第5次宇都宮市総合計画」の施策の体系に基づき、その概要を御説明いたします。
 
 第1は、『安全で健康な笑顔あふれる暮らしを支える』についてであります。
 まず、「子育て支援の充実」につきましては、「こんにちは赤ちゃん事業」における、生後4か月までの乳児のいる家庭への全戸訪問に加え、さらに、育児などに不安がある家庭に対する養育支援事業を実施してまいります。また、私立保育園の増改築への助成を行い、定員の増加を図るなど、安心して子どもを生み育てることのできる環境を創出してまいります。
 次に、「高齢期の生活・障がいのある人の生活の充実」につきましては、特別養護老人ホームなどの高齢者の入所・通所施設の整備を促進し、入所待機者の解消に努めるとともに、バスカードの購入助成などによる高齢者の外出支援や障がい者の日中一時支援事業の充実などにより、高齢者や障がいのある方が、生き生きと安心して暮らすことができる環境づくりを推進してまいります。
 第2は、『学ぶ意欲と豊かなこころを育む』についてであります。
 まず、「生涯学習活動の促進」につきましては、地域の教育力の向上と地域交流の活性化を図るため、雀宮駅東地区における図書館の建設を平成23年度の開館に向け、着実に進めてまいります。
 次に、「学校教育の充実」につきましては、中学校を核とした6つのモデル地域学校園において、義務教育9年間を系統的にとらえて学ぶ「小中一貫教育カリキュラム」や小中学校相互の乗り入れ授業など、本市独自の小中一貫教育制度を構築してまいります。また、IS値0.3未満の校舎や体育館の耐震化につきましては、平成22年度中に完了させるなど、教育環境の整備に努めてまいります。
 第3は、『快適な暮らしを支える』についてであります。
 まず、「環境にやさしいまちづくりの推進」につきましては、持続可能な都市の形成に向けて、「もったいない運動」に継続的に取り組むとともに、温室効果ガスの削減を図るため、住宅用太陽光発電システムや住宅用高効率給湯器の設置に対して助成を行うなど、環境にやさしい社会づくりに取り組んでまいります。
 次に、「資源循環型社会の形成」につきましては、ごみの分別区分を、従来の5種10分別から5種13分別に拡大し、プラスチック製容器包装や白色トレイ、紙パックの分別収集を行うなど、資源の有効活用やごみの減量化に取り組んでまいります。
 また、「上下水道の整備」につきましては、引き続き、高品質な水道水の安定供給に向けて取り組むとともに、公共下水道の整備による生活排水の適正処理や浸水被害の解消に向けた雨水対策などに取り組んでまいります。
 第4は、『豊かな暮らしを支える活気と活力のある社会を築く』についてであります。
 まず、「商工業の振興」につきましては、中小企業貸付金の融資枠の拡大などによる中小企業への金融支援や市単独の雇用助成金の支給などによる雇用対策に、引き続き取り組むとともに、中心商業地への出店を促進するための助成やオリオン通り商店街のアーケード改修工事に対して助成を行うなど、中心市街地の活性化を推進してまいります。
 次に、「農林業の振興」につきましては、新規就農者への支援などの担い手の育成や地産地消を推進するとともに、本市の豊富な農産物の高品質化・ブランド化や「うつのみやアグリネットワーク」による農商工連携の促進に取り組んでまいります。
 第5は、『都市基盤の機能と質を高める』についてであります。
まず、「市街地整備の推進」につきましては、都市の魅力と風格を高め、賑わいのある都心部の再生を図るための市街地再開発事業に、引き続き取り組むとともに、「鶴田地区」をはじめ、「岡本駅西地区」、「中里原地区」など、各地区の土地区画整理事業を計画的に推進してまいります。
 また、「JR雀宮駅周辺地区」におきましては、東西自由通路などの駅関連施設や駅前広場、周辺道路の整備を進めるなど、機能的で活力のある本市南部地域の拠点づくりを着実に推進してまいります。
 次に、「総合的な交通体系の確立」につきましては、公共交通の利用を促進するとともに、地域が主体となって実施する地域内交通への支援など、生活交通確保対策を総合的に推進してまいります。
 また、中心市街地の回遊性を高めるための観光用レンタサイクル・モデル事業や自転車利用者の利便性向上のためのモデル事業を実施するなど、自転車の利用・活用を促進するとともに、アジア最高位のジャパンカップ・サイクルロードレースにつきましては、森林公園周回コースにおけるレースのほか、中心市街地の大通りを活用したレースを開催するなど、「自転車のまち 宇都宮」の確立に向け、取り組んでまいります。
 第6は、『都市の自治基盤を確立する』についてであります。
 まず、「市民主体のまちづくりの推進」につきましては、地域のまちづくり活動の拠点となる「地域コミュニティセンター」を改築するなど、地域におけるまちづくり活動を支援してまいります。
 次に、「行政経営基盤の強化」につきましては、昨年オープンいたしました情報発信拠点「宮カフェ」や各種メディア、イベントを活用しながら、本市に対する認知や信頼を高めるための情報発信を戦略的に進めてまいります。

市政運営の執行体制

 次に、平成22年度の「執行体制について」でありますが、新年度に向けましては、第5次総合計画に掲げる各種施策、事業などに着実かつ迅速に取り組むための効果的で効率的な執行体制を整備してまいります。
 はじめに、「組織機構」についてでありますが、本市が目指すネットワーク型コンパクトシティの形成に向けましては、これまでの開発を重視したまちづくりから、景観や環境に配慮した市街地の整備や道路・公園のバリアフリー化など既存の都市機能の高度化を図り、成熟都市に相応しい安全で快適なまちづくりを進めていくことが重要となっておりますことから、こうした状況を踏まえ、「都市開発部」の名称につきましては、「都市整備部」に改めてまいります。
 次に、長引く景気の低迷により、本市におきましては、今後も厳しい財政状況が続くものと見込まれておりますことから、市民負担の公平性を確保する観点からも、市税や国民健康保険税などの重複滞納者、あるいは、納める能力がありながら納めない悪質滞納者に対する、収納対策を強化するため、「特別収納対策室」を設置してまいります。
 次に、市民主体のまちづくりを効果的かつ効率的に進めるためには、市の中心部においても、地域に身近な場所で、まちづくり支援とひとづくりを一体的に実施する必要がありますことから、新たに、まちづくりを支援する「市民活動センター」を、市街地の中央及び東西南北の生涯学習センターに併設し、地区市民センターと同様の体制を整備してまいります。
 また、これに併せて、地域づくりを支えるひとづくりをより一層推進するため、社会教育主事による講座や生涯学習推進コーディネーターの養成など、専門的で体系的な生涯学習事業が行えるよう、生涯学習の推進体制についても強化してまいります。
 次に、“豊かな緑あふれるまち”の実現に向けましては、市内の緑化推進や緑地保全に、これまで以上に積極的に取り組むとともに、都市公園や自然公園の一部などの管理業務を集約化するなど、効果的かつ効率的な維持管理を行うことが重要となりますことから、緑化の推進や緑地の保全を所管する「緑のまちづくり課」と、公園や緑地の維持管理を所管する「公園管理課」を設置してまいります。
 次に、中心市街地でのジャパンカップサイクルロードレースや平成23年11月開催予定の「スポレク“エコとちぎ”2011」の円滑な実施に向け、県や競技団体などとの調整や交流事業の企画などを行うため、教育委員会事務局に「スポーツ交流担当」を設置するとともに、「全国スポーツ・レクリエーション祭準備室」を設置してまいります。
 次に、平成22年度の「人員体制」についてでありますが、ごみ収集業務や小学校の給食調理業務を外部委託するなど、事務事業の見直しに取り組むことにより、職員数の適正化に努めてまいります。
 このほか、本市を拠点にサイクルロードレースや自転車を活用した地域貢献活動に取り組んでいる、“宇都宮ブリッツェン”の運営団体に、新たに職員を派遣するほか、先進自治体の政策形成プロセス等を学ぶため、シティプロモーションなどの広報分野で先駆的な取組を展開している「横浜市」と人事交流を実施してまいります。

行政改革の取組方針

 最後に、行政改革の取組についてでありますが、私は、市長就任以来、積極的に改革に取り組み、市民ニーズを的確に捉えた行政サービスを継続的に提供しながら、規律ある財政運営を徹底し、行政経営基盤の体質を強化してきたところであり、こうした行政改革の取組を通じ、宇都宮の魅力や都市のポテンシャルの向上を図ってきたところであります。
 しかしながら、極めて厳しい社会経済情勢の中にありましても、必要な行政サービスを着実に提供していくことは、市民に最も身近な基礎自治体としての使命であり、より一層、危機感を持って、行政改革に積極果敢に取り組んでいかなければなりません。
 このため、現在、3月末を目途に新たな改革の羅針盤となる(仮称)第4次行政改革大綱の策定を進めているところであり、この大変厳しい状況を、持続可能な行財政構造への転換を図るための好機と捉え、この大綱に基づき、本市の明るい未来に向け、不断の改革に全庁一丸となって取り組んでまいります。
 このような決意のもと、大綱のスタートとなる新年度におきましては、限りある行政資源で、高度化・多様化する行政課題に的確に対応できるよう、すべての取組について、その必要性や目的、費用対効果等を検証し、原点に立ち返った事業等の点検・見直しに取り組んでまいります。
 また、財源の確保に当たりましては、市税等の収納対策のより一層の強化に取り組むとともに、未利用地の売却や様々な媒体を活用した広告事業の推進など、市が保有する財産の積極的な活用に努めてまいります。
 今後とも、職員一人ひとりの斬新な発想を生かしながら、時代を先取りするスピードと何事にもチャレンジする強い意志、そして、常に温かい心を持って、改革に取り組み、将来にわたり持続可能な行財政基盤の確立に努めてまいります。

むすびに

 以上、市政運営に関する私の所信の一端と、平成22年度当初予算案の大綱などにつきまして申し上げました。
 本年1月より、日野町通りからオリオン通り、そしてユニオン通りにかけた中心市街地におきまして、「宇都宮愉快写真展」を開催しており、通りの両側には175人の市民の皆さんが考える宇都宮らしさや宇都宮の魅力など、「本市への思い」を書いたボードを手にした写真が掲示されております。
 私は、先日、この写真展を見ながら、本市を思う皆さんの満面の笑顔に勇気づけられるとともに、あらためて「まちを創り、動かしていくのは、こうした皆さんの熱い“思い”である」と痛感いたしました。
 ブランドメッセージ「住めば愉快だ 宇都宮」のもと、一人でも多くの市民の皆さんに、日々の生活に明るく愉快な気持ちを持っていただけるよう、そして市民一人ひとりが自信と誇りを持って、それぞれの「思い」を実現することができるよう、市政を預かる責務を胸に刻み、その遂行に持てる力の全てを尽くして取り組んでまいります。
 議員各位をはじめ、市民の皆様方には御理解と御協力を賜りますよう、心からお願い申し上げます。

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