広報うつのみやプラス ------------------------------------------------------------ LRT ------------------------------------------------------------ 総合的な公共交通ネットワークの「要」となるLRTの整備 Light Rail Transit(ライト レール トランジット)  人口減少、少子・超高齢社会を迎える中、子どもから高齢者まで安心して便利に暮らせる魅力あるまちとして発展していくため、本市では「ネットワーク型コンパクトシティ」のまちづくりに取り組んでいます。  その実現に向けては、拠点間のつながりを高めて、市域内を快適に移動できることが重要となります。そのため、地域の特性に応じ、各種公共交通が機能的・効率的に連携した階層性のある公共交通ネットワークの構築に取り組んでいます。LRT(Light Rail Transit(ライト レール トランジット)・次世代型路面電車システム)は、その中心を担う東西基幹公共交通として整備します。  本市では、LRTの整備によって、市民の皆さんが日常生活においてさまざまな移動手段を確保でき、また、沿線地域の産業の活性化や、将来的な鉄道との連携による広域交通ネットワークの形成などの効果を期待しています。 芳賀・宇都宮東部地域(優先整備区間)のLRT整備 全国初となる全線新設によるLRTの実現に向けて 全体計画区間 約18キロメートル 優先整備区間 約15キロメートル 宇都宮市区間 約12キロメートル 芳賀町区間 約3キロメートル LRT整備の検討  LRT事業については、平成25年3月に策定した「東西基幹公共交通の実現に向けた基本方針」において、桜通り十文字付近から宇都宮テクノポリスセンター地区までを全体計画区間とし、JR宇都宮駅東側から段階的に整備することとしました。  平成25年10月には芳賀町のLRT事業への参画意向を受け、JR宇都宮駅東口から芳賀・高根沢工業団地付近までの区間を優先整備区間(上の地図※)として改めて設定し、「芳賀・宇都宮基幹公共交通検討委員会」などで事業化に向けた具体的・専門的な検討を進めてきました。 公共交通網形成計画の策定  このような検討と合わせて、本市では、芳賀・宇都宮東部地域の公共交通の充実・強化に向け、平成27年11月に芳賀町とともに「芳賀・宇都宮東部地域公共交通網形成計画」を策定しました。この計画では、基幹公共交通としてのLRT整備(軌道運送高度化事業)とともに、当該地域のバスネットワーク再編や交通結節機能の強化、ICカードの導入などの事業を掲げています。これらの事業を着実に進めることによって、当該地域の公共交通空白・不便地域の解消や産業拠点の維持・向上などに効果的かつ重点的に取り組んでいきます。 早期開業を目指して  LRT整備については、より詳しい需要予測や営業主体の確保などの取り組みを踏まえ、平成28年1月に都市計画決定に向けた手続きを開始したところです。また、LRTの整備や運営に必要となる軌道事業の特許を取得するため、「軌道運送高度化実施計画」を取りまとめ、国に認定申請を行いました。  今後、軌道事業の特許や都市計画事業に関する認可、軌道整備などの工事施行に関する認可などを取得し、平成28年度の着工、平成31年度の開業を目指していきます。  また、優先整備区間の取り組みと合わせ、現在、JR宇都宮駅横断部のルートなどの検討を行っており、さらにJR宇都宮駅西側区間についても、沿線の教育施設への利用意向調査などを予定しています。  このようなLRT事業の進捗については、今後もオープンハウスや出前講座などの機会を通じて市民の皆さんに情報を発信していきます。 優先整備区間  事業概要 営業キロ 約15キロメートル(複線) 事業方式 公設型上下分離方式 営業主体(上) 宇都宮ライトレール株式会社 整備主体(下)宇都宮市、芳賀町(注1芳賀町区間は芳賀町が整備します。) 停留場数 19カ所(100パーセントバリアフリー) トランジットセンター想定箇所 5カ所 導入車両 低床式車両(LRV)17編成(車両長 約30メートル) 車両定員 155人(最大輸送力232人) 概算事業費 約458億円(消費税は含まず) (内訳)宇都宮市区間 約412億円     芳賀町区間  約46億円(注2概算事業費のうち共用する車両や車両基地などの整備費は本市と芳賀町で応分の負担とします。) 主な効果  移動に要する総所要時間の短縮 道路交通事故の減少 環境負荷の軽減 運転できない人の外出機会の向上 沿線地域の活性化 拠点機能の強化による人口や企業などの集積 経済活動の活性化による税収増 など 着工・開業予定 着工 平成28年度  開業 平成31年度 優先整備区間  運行計画 運転最高速度 全線時速40キロメートル(注3将来的に運転最高速度は自動車交通との併用区間で時速50キロメートル、鬼怒川橋りょうなどのLRT専用走行区間の一部で時速70キロメートルとする軌道法の特認を目指します。) 需要予測 1日当たり16,318人(平日) 運転時間帯 午前6時台〜午後11時台 (JR宇都宮駅の新幹線の始発・終電に対応) 運行間隔  ピーク時    6分間隔(1時間当たり10本) オフピーク時 10分間隔(1時間当たり6本) 所要時間(起終点間)普通電車(各停留場に停車) 約44分 快速電車(一部停留場を通過)約37?38分(注4追い越しを伴う快速電車の運行は軌道事業において国内初の取り組みとなります。) 運賃 初乗り150円から400円(対距離制) JR宇都宮駅東口から主な停留場までの所要時間・運賃 普通電車を利用した場合 ベルモール前  約11分 150円 清原工業団地北 約27分 300円 本田技研北門  約44分 400円 運賃収受方法 ICカードシステム導入(ワンマン運転) よくある質問と答え 問 LRTは誰が運営するの? 答 LRTは公設型上下分離方式によって公共(本市・芳賀町)が軌道や停留場などの施設、車両を整備・保有し、「宇都宮ライトレール株式会社(本市と芳賀町が主体的な役割りを担い、地元経済界や交通事業者の出資を得て平成27年11月9日に設立した官民連携による会社です。行政の社会的信用や確実性・安定性、民間の営業力や迅速性など、それぞれの強みを生かして運転士や技術職など、運送事業に必要な人材の確保などに取り組んでいきます。)」が借り受け、運行を担います。今後、開業に向け民間軌道事業者の技術協力のもと、運転士の養成などに取り組み、平成31年度の運行開始を目指します 問 LRTの利用者数と運営収支の見込みはどれくらいなの? 答 利用者数は「県央広域都市圏生活行動実態調査」結果などから、1日当たり1万6318人と推計しています。運営収支は運営が本格化する平成32年度から単年度で黒字を計上する見込みです。  こうした試算から、需要の定着が図られる開業4年目(平成34年度)の運営収支は約1.3億円の黒字となり、開業前経費によって生じた累積損失は開業9年目で解消する見込みです。 運営収支見込み(開業4年目) 収入 年間 約9.8億円(運賃、雑収入など) 支出 年間 約8.5億円(人件費、経費、租税公課など) 1日当たりの目的別利用者数(人) 通勤 平日13,357 休日2,671 通学 平日1,305 休日131 業務 平日274 休日82 私事 平日1,382 休日2,764 合計 平日16,318 休日5,648 問 市の財政規模でLRTの整備は可能なの? 答 LRT整備の概算事業費は本市の優先整備区間で約412億円と試算しています。その約2分の1は、国の支援を受けられる見込みです。仮に地方分の事業費全額を本市が負担するとし、その9割に市債を活用すると、単年度当たりの支出額は最大13億円となります。この額は、中核市の中でも上位の財政力があり、毎年度約1900億円規模の一般会計予算額を計上し、このうち約1100億円の一般財源を有する本市の財政規模から十分に対応が可能です。 問 LRTを整備することで周辺交通は悪化しないの? 答 一部の区間で現在より車線数は減少しますが、車1台1台の動きをコンピューター上で再現する交通シミュレーションを用いた検証や関係機関との協議を行い、一部区間の高架化や交差点部の改良、信号点灯サイクルの調整などに取り組むことで、LRT整備後も交通の円滑化が確保できることが確認されています。 宇都宮市区間の事業費構成イメージ 宇都宮市区間400億円 国200億円 地方200億円 注 分かりやすくするため、事業費を400億円と設定しています。 注 整備期間を4年、償還期間を20年、利率を2パーセントで試算しています。 問 LRTの停留場はどのようなものになるの? 答 停留場は、基本的に信号のある交差点部に配置します。雨風を防ぐ屋根や自動車の水はね対策、ベンチ、スロープ、分かりやすい運行案内板などを設置し、誰もが快適に安全にLRTを利用できる空間を整備します。 問 運賃の支払いはどうするの? 答 主にICカードによる支払いを考えています。ICカードを利用することにより、1枚のカードでLRTやバスなど、さまざまな公共交通をスムーズに乗り継ぐことができるようになります。 現在、運賃の乗り継ぎ割引制度や、高齢者外出支援などの地域独自のサービスの提供に向けて検討を進めています。 問 市民参加のLRTの取り組みには、どんなものがあるの? 答 路面電車が運行している他の都市では、市民参加の取り組みとして停留場のベンチ設置への記念寄付や、車両のデザインラッピング、施設見学会などを行っています。  本市でも、LRTが新たな「まちのシンボル」として皆さんに愛され、宇都宮の魅力を全国に発信できる公共交通となるよう、積極的な取り組みを進めていきます。 もっと深く知ろう LRTの整備によって他の公共交通とのつながりはどうなるの? 答 基幹公共交通の役割を担うLRTの整備に合わせて、芳賀・宇都宮東部地域のバスネットワーク再編に取り組みます。LRTとルートが並行するバス路線はLRTを補完し、東西方向の移動を支える幹線バスへ、ルートが重なるバス路線はLRTと接続する支線バスへの再編を検討します。  こうしたバスネットワーク再編などと合わせて、さまざまな交通機関が連携した利便性の高い公共交通ネットワークを形成するため、LRTの主要な停留場付近には、乗り継ぎがしやすい施設としてバスやタクシーなどの乗降場・駐車場・駐輪場などを設けたトランジットセンターを整備します。 全国に誇れるLRTの実現に向けて 宇都宮ライトレール株式会社         常務取締役 中尾正俊 さん 私は、昨年11月に設立された、宇都宮ライトレール株式会社の常務取締役に就任しました。広島電鉄などで培ったこれまでの経験を生かし、LRTが市民の皆さんにとって、便利で満足していただける乗り物となるよう全力で取り組んでまいります。 LRTの開業に向けて 私としては、全国初の取り組みとなる「信用乗車方式」を導入できればと考えています。この方式は、日本ではあまりなじみがありませんが、駅員や乗務員による運賃の収受や、乗車券の改札を省略する方式のことです。全国の路面電車では、運転士や車掌の近くのドアから運賃を支払い降りることが一般的ですが、ドア付近に設置したカードリーダーにICカードをかざすだけで、運賃収受を済ませるようにするのです。こうすることで、全てのドアから乗り降りが可能となり、停留場での停車時間が短縮されます。一つの停留場では数十秒の短縮でも全体では速達性が飛躍的に向上しますので、皆さんに便利さを感じてもらえる一つの要因になると考えています。 この他にも、LRTでは全国初の試みとして、乗車・降車は利用者の皆さんにドアのボタンを押してもらうことを考えています。こうすることで、寒い時や暑い時も車内の温度を一定に保つことができ、快適性を高めることができます。 LRTが市民の皆さんに親しみ愛されるために 市民の皆さんにLRTに親しみを感じてもらうためには、LRTと多くの接点を持っていただくことが重要と考えます。そのためには、路線名や車両などの愛称募集、「路面電車の日」などのイベントの開催、電飾を施した「クリスマス電車」などの季節電車の運行など、楽しさのある計画にしたいと思います。 また、LRTが市民の皆さんに愛されるためには、運転士をはじめ全社員が一丸となって安全な運行に取り組むとともに、「おもてなしの心」をもって対応するなど、信頼される会社・社員を目指すことが一番大切と考えています。 LRTを身近な交通手段の1つに LRTをはじめ、バスやデマンドタクシーなど、さまざまな交通機関が役割を分担し連携を図ることで、便利な公共交通ネットワークをつくりあげることができます。 LRTが市民の皆さんの身近な交通手段の1つとして便利なものとなるよう、皆さんのご意見を伺いながら真摯に取り組んでいきたいと思いますので、ご理解とご支援をお願いします。 質問 LRTに乗ってみたいですか。 君島さん 栃木SCの試合観戦にグリーンスタジアムへ行く時、今は車が主な交通手段ですが、LRTに乗って行ければ交通手段の選択肢が増えて、行きやすくなると思います。 板橋さん まちなかの学生は、LRTで通学できれば便利なはずです。私は乗り物に弱いのですが、LRTは振動が少ないと聞いているので期待しています。 質問 LRTが親しまれるために必要なことは何だと思いますか。 永嶋さん LRTの車両にラッピングができると聞きました。市民からイラストを募集したらどうでしょうか。 小平さん ICカードが、LRTをはじめ電車やバスでも共通で使えたらとても便利だと思います。 福井さん この停留場を降りたらこんな場所へ行けるなど、LRTを利用したくなる具体的なパンフレットがあると良いと思います。 板橋さん 停留場で待ち時間に飽きさせない工夫があるとうれしいです。 全員 気軽に立ち寄れて、スピーディに軽食や飲み物を提供してくれるお店、種類が豊富な充実した自動販売機、レンタサイクルなどもあるとうれしいです。 質問 LRTにどのようなことを期待しますか。 小平さん LRTとバスなど、スムーズに乗り継ぎができれば、利用する人が増えて渋滞緩和につながると思います。 福井さん 私は清原地区在住ですが、清原球場やグリーンスタジアムなどスポーツ施設が多いのに交通の便が悪いので、LRTを心待ちにしています。「LRTといえば清原地区」を思い浮かべてもらえるようになったらいいですね。 君島さん せっかくLRTが通るなら、JR宇都宮駅の東側にもオリオンスクエアのような人が集まれる場所があると良いと思います。 永嶋さん 県全体にLRTが通るとうれしいです。県外から観光に来る人は、新幹線でJR宇都宮駅に来て、そこからLRTに乗り換えて県内各地に出掛けてほしいです。LRTに乗ったら、餃子やいちごのクーポン券を観光客に配るのもおもしろいと思います。 板橋さん LRTが走るようになれば宇都宮市や栃木県の知名度が上がると思います。私は茨城県在住なので、茨城県でもLRTを走らせて、北関東全体が活気付き、知名度がアップしたらうれしいです。 プロフィール 中尾 正俊さん 1967年4月に広島電鉄に入社。36年間にわたる電車部勤務の後、常務取締役電車カンパニープレジデントに就任。2009年に退任後は、広島バスにて取締役や、鉄道技術総合研究所にて鉄道技術推進センターレールアドバイザーなど、公共交通に関わる役職を歴任し、現在に至る。 あなたの意見をお寄せください  市民の皆さんから、「LRT」についての意見・提案をお受けします。寄せられた意見・提案などは、施策の参考とします。なお、一部を後日、広報紙で紹介します。質問などへの回答は、直接本人あてに返信しませんので、ご了承ください。  下のはがき(切手不要)を切り取り、3月18日 金曜日までにポストに投函してください。他のはがきや手紙・ファクス・Eメール・市ホームページのアンケート(携帯サイト含む)でも受け付けます。 送付先・問い合わせ先 郵便番号 320-8540市役所総合政策部広報広聴課  電話 632-2129、 FAX 639-0627 Eメール:u2030@city.utsunomiya.tochigi.jp 広報うつのみやプラス「LRT」についての問い合わせ先 建設部LRT整備室  電話 632-2277、 FAX 639-0626 Eメール:u2017@city.utsunomiya.tochigi.jp 前回の広報うつのみやプラス 「宮のイイトコロ」の概要 宇都宮ブランド戦略 100年先も誇れるまちを、みんなで  宇都宮では、市民の皆さんが誇りをもって住み続け、市外の人や企業から選ばれるまちとなるため、ブランドメッセージ「住めば愉快だ宇都宮」の下、「宇都宮ブランド」を推進しています。これまで、「宇都宮愉快市民」や「オリジナル愉快ロゴ」など、個人や団体・事業者が参加できる仕組みづくりなどに取り組んできましたが、平成26年度からは、「ダブルプレイス(2地域生活)」をキーワードに「宇都宮ならではの暮らしの魅力」を市内外に広く発信しています。 「ダブルプレイス」から見た宇都宮の魅力を教えます  「外からの視点」を持った「ダブルプレイス」を実践している山口明子さん(子ども服店経営)、宮本のぶ つね暢常さん(農業経営)、Peter(ピーター )Smith(スミス)さん(ポタリング団体代表)、五月女真弓さん(キャンプボランティア)のライフスタイルを通して、宇都宮の暮らしの良さをお伝えします。  前回の広報うつのみやプラス「宮のイイトコロ」に対して34人の市民の皆さんから意見をいただきました。代表的なものを紹介します。 (1)市外の人に宇都宮の何を自慢したいですか(複数回答可)。 ギョーザ20 大谷石15 暮らしやすさ14 豊かな自然14 おいしい水13 農産物11 人柄の良さ11 自転車10 防災・安全8 プロスポーツチーム7 ジャズ7 カクテル7 イベント4 公共交通4 公共施設3 その他の主なもの 買い物、飲食店、子育て、レジャー、釜川沿い、八幡山公園(桜・つつじ)、長岡百穴、中央公園、各地域の文化財、病院・学校などがそろっていること、隣人との距離間、東京からの距離、紅茶、宇都宮城、歴史、篠井の金山 (2)宇都宮に行きたい・また来たい、と思われるために、できることや心掛けていることは何ですか。 それぞれの地区、団体、仲間内での楽しい雰囲気づくり、盛り上げていこうとする心意気を大切にする(鐺山町・50代)。 ごみを拾う、桜の見所を知らせる(大曽3丁目・70代)。 自分が気に入っている所や行きたい所に連れて行く(鶴田町・50代)。 市民の笑顔(陽南4丁目・70代)。 宇都宮に住んでいて「良いですよ」と伝えている(氷室町・30代)。 宇都宮はきれいな所だと思ってもらえるように、道にごみを捨てないのはもちろん、地域の清掃活動に積極的に参加している(平松本町・20代)。 来訪者への心遣い(今泉町・60代)。 宇都宮に来た人に親切にしてあげる、また、優しくしてあげる(鐺山町・60代)。 ごみ拾いや植栽の手入れなど、自宅の周囲をきちんとする(横須賀市・60代)。 思いやりの心で人と接する(峰3丁目・50代)。 イベントやおいしい店の情報など、宇都宮での楽しい生活を自分の言葉で知人に伝えている(平出町・30代)。 宇都宮名産のお土産を贈る(徳次郎町・30代)。