建設常任委員会委員長報告(12月20日)
建設常任委員会に付託されました案件につきまして、審査の経過と結果を報告いたします。
最初に、議案第108号「平成30年度宇都宮市一般会計補正予算(第4号)」のうち本委員会に関係する部分についてでありますが、この議案は、歳出第40款土木費におきまして、本年7月及び8月の大雨や台風による被害への対応に伴う道路管理費、宇都宮ライトレール株式会社への増資に伴うLRT整備推進費その他を追加計上しようとするものであります。債務負担行為につきましては、森林公園、自然休養村管理センター、サイクリングターミナル管理業務について新たに設定するとともに、LRT車両購入費の限度額を変更しようとするものであります。
この議案につきましては、「LRT整備推進費において増資となる出資金は、運営会社の人件費にあてられると思われるが、保守管理要員の確保や育成方法について、宇都宮ライトレールとはどのような調整を行っているのか」との質疑に対し、「保守管理要員については、現在、宇都宮ライトレールと協議をしているところであるが、最初に、経験者を管理職として採用し、それに対して新卒者を採用することで、日常の管理の中で育成ができる組織体制を整える考えである。また、研修派遣に協力いただける事業者が6社あり、研修を通して技術力を磨き、しっかりと保守管理ができる体制がとれるよう調整しているところである」との説明がありました。これに対し、委員から、「要員が確保できず、開業がおくれることになると、収入がない中で、人件費がかかってしまい、財政的な影響が大きくなることから、要員の計画については、宇都宮ライトレール株式会社と綿密な打ち合わせを行い、費用負担を抑制しながらも、安全安心を確保していく双方の視点から、調整を続けてほしい」との要望がありました。
この議案につきましては、LRTに関する市民からの陳情を考慮し、陳情についての質疑を行った後、採決を行い、起立採決の結果、原案のとおり可決いたしました。
次に、議案第114号「宇都宮市手数料条例の一部改正」についてでありますが、この議案は、住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律に基づく、住宅確保要配慮者の入居を拒まない住宅を賃貸する事業の登録制度について、さらなる登録の促進を図るために省令が改正され、登録時の審査内容が大幅に簡素化されたことを踏まえ、当該登録申請等に係る手数料を廃止しようとするものであります。
次に、議案第115号「宇都宮市駅前広場条例の一部改正」についてでありますが、この議案は、岡本駅周辺整備に伴い、新たに岡本駅東口駅前広場を設置しようとするものであります。
次に、議案第129号から第131号までの議案3件は、いずれも「指定管理者の指定について」でありますが、これらの議案は、宇都宮市営雀宮駅東口駐車場ほか14施設に係る指定管理者の指定をしようとするものであります。
以上の議案5件は、全会一致で、原案のとおり可決いたしました。
次に、陳情第77号「宇都宮市が変更計画した仮称大谷スマートIC設置の事業見直しに関する陳情」についてでありますが、その趣旨は、「市が変更した計画は、住宅密集地等を通るので、周辺住民の生活環境上危険であり、また、新たな施設をつくるため、莫大な税金が無駄に使われることになる。ついては、現在、市で変更計画しているスマートICについて、周辺環境への配慮、経済性、妥当性の観点から事業を見直すことなど、4項目について陳情する」というものであります。
この陳情につきましては、「大谷の振興などには有効であるかもしれないが、それ以前に、住民の暮らしや安全などに配慮した計画をつくるべきである。これまで以上に、多くの署名が集まっており、不安は解消されていないと思えることから、この陳情は採択としたい」との意見がありましたが、「仮称大谷スマートICについては、コスト削減や施工期間の短縮など、見直しが進められ、また、周辺環境への配慮や経済性の観点からもさまざまな考慮がされた事業であり、地元住民の御意見をいただく中で、現在に至ったところである。丁寧な説明を行い、地域の住民の方々の理解を深めていただいて事業を進めてもらいたく、この陳情は不採択としたい」などの意見が多く、起立採決の結果、不採択と決定いたしました。
次に、陳情第78号「私道・公園用地買収願に関する陳情」についてでありますが、その趣旨は、「宇都宮市に対し、兵庫塚、竹林町等の道路、公園の買収をお願いしてきたが、市長に伺いを立てないで処理されていたことに対し、行政のずさんさを感じている。ついては、弊社が所有する私道と公園を宇都宮市が購入するよう陳情する」というものであります。
この陳情につきましては、「開発事業者の倒産による代物弁済であったことを踏まえると、陳情者の心情的な立場は理解できるが、現在、他の開発事業者には、寄附していただく形をとっており、本件だけを買収することは、公平性の観点から適切でないと考えられることから、この陳情は不採択としたい」などの意見が多く、全会一致で、不採択と決定いたしました。
次に、陳情第79号「住宅環境の安全確保についての陳情」についてでありますが、その趣旨は、「竹林地区の分譲地開発について安全確認の陳情を重ねてきたが、住民は市の説明と議会の審議内容に不信を持っている。ついては、住民が行政の判断を理解できるよう説明会を実施し、法律、条例などを使ってわかりやすい説明をするよう陳情する」というものであります。
この陳情につきましては、「民民の問題ではあるが、現地の皆さんの心配、不安を解消するための陳情であることから、この陳情は採択としたい」との意見がありましたが、「本市が行うべき対応はすでに行っているものであり、説明会を実施する必要はない。前々から、同様の発言をしているが、住宅瑕疵担保履行法の制度や、弁護士、建築士に相談できる制度があることから、そういった窓口の利用が望ましく、この陳情は不採択としたい」などの意見が多く、起立採決の結果、不採択と決定いたしました。
次に、陳情第80号「宇都宮ライトレール社の増資に係る『補正予算案の否決』に関する陳情」についてでありますが、その趣旨は、「市民の大多数が、LRTは宇都宮市に必要ないなど反対をしている。ついては、LRTの運営会社である宇都宮ライトレールの増資に係る予算を否決するよう陳情する」というものであります。
この陳情につきましては、「LRTは、柳田大橋の渋滞対策に効果がなく、冬期の降雪時の心配など、検討課題がたくさんある。疑問だらけの部分計画と理解していることから、この陳情は採択としたい」との意見がありましたが、「出資金の大部分が人件費であり、現在、雇用されている方への影響や、今年度末には、180名の地権者が事業に理解いただける見込みであるという状況を踏まえると、出資をおくらせることが市の財政に悪い影響を与えると考えられることから、この陳情は不採択としたい」などの意見が多く、起立採決の結果、不採択と決定いたしました。
次に、陳情第81号「宇都宮市のLRT施設工事の中止を求める陳情」についてでありますが、その趣旨は、「本年5月に着工したLRT施設工事は、平石中央小学校の敷地を削ってLRTを通すことによる教育環境の悪化、健康被害などの問題がある。ついては、LRT施設工事を中止するよう陳情する」というものであります。
この陳情につきましては、「地元の人たちは、北側にルート変更できないか何度も要望している。平石中央小学校の敷地を削ることには疑問があり、そのことについては、理解が進んでいないことから、この陳情は採択としたい」との意見がありましたが、「LRTは環境にやさしい次世代型路面電車であり、教育環境の悪化や健康被害への問題はなく、また、学校北側の市道の拡幅、歩道やフェンスの設置などにより、今まで以上に安全性は担保される。引き続き、しっかりと市民理解に努め、事業を進めていくことが重要であることから、この陳情は不採択としたい」などの意見が多く、起立採決の結果、不採択と決定いたしました。
これをもちまして、建設常任委員会委員長報告を終わります。
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