防災管理点検報告制度

防災管理点検

1　制度の概要

　大規模地震等の災害による被害を軽減し、防災管理上必要な業務を実施するため制度の対象となる建築物等の管理について権原を有する者は、建築物等の防災管理の状況を防災管理点検資格者に点検させ、その結果を消防署長に報告することが義務付けられました。

2　点検の期間

　毎年1回　（過去3年間、消防法令が遵守され、防災管理が優良であると消防機関に認められた場合には、点検報告義務が3年間免除される「特例認定制度」もあります)

3　点検の資格者

　防災管理点検資格者（総務大臣の登録を受けた講習機関が行う講習を修了し、免状の交付を受けた者）

4　点検項目

　点検は防災に関する点検基準に定められた項目について行います。（次に示す項目はその一部）

• 防災に係る消防計画の作成（変更）および防災管理者の選任（解任）に係る届出の有無
• 自衛消防組織の編成、任務の分担及び指揮命令系統に関する事項
• 地震発生時における物品の落下、転倒および移動の防止のための措置に関する事項など

5　対象となる建物

対象用途

1項　劇場等
2項　風俗営業店舗等
3項　飲食店等
4項　百貨店等
5項イ　ホテル等
6項　病院・社会福祉施設等
7項　学校等
8項　図書館・博物館等
9項　公衆浴場等
10項　車両の停車場等
11項　寺社・寺院等
12項　工場等
13項イ　駐車場等
15項　その他の事業場
16項の2　地下街
17項　文化財である建築物

対象規模

1　地階を除く階数が11以上の防火対象物で,延べ面積が1万平方メートル以上
2　地階を除く階数が5以上10以下の防火対象物で,延べ面積が2万平方メートル以上
3　地階を除く階数が4以下の防火対象物で,延べ面積が5万平方メートル以上
（注意）16項の2地下街については延べ面積千平方メートル以上のものが対象です。

• 共同住宅等（5項ロ）,格納庫等（13項ロ）,倉庫（14項）は含まれません。対象となる用途の詳細については,最寄りの消防署へお問い合わせください。
• 複合用途の場合は,自衛消防組織設置対象用途に供される部分及び面積で判断します。
• 同一敷地内に同一管理権限者が管理する複数の棟がある場合,面積を合算する場合があります。
• 消防法第8条第1項の規定により防火管理者の選任を要するものに限ります。

 

点検が必要・不要のケース

左側の図が義務有り、中央の図が義務無し、右側の図が義務有り

6　表示制度

　点検報告の結果、建築物等が防災に関する点検基準に適合している場合は、「防災基準点検済証」を表示することができます。

　「防災基準点検済証」の表示は、建築物等の出入口などの見やすいところに表示することにより、利用者に消防法令に適合していることを情報提供するものです。

（注意）ただし、「防災基準点検済証」の表示は任意であり、制度に該当しない建築物等もあるため、表示の有無が必ず防災に関する点検基準の適否を示すものではありません。

7　特例認定

　防災管理点検報告制度に該当する建築物等のうち、3年間継続して消防法令が遵守され、優良な防災管理が行われていると消防機関が認定するものについて、点検・報告の義務を免除するものです。
　消防機関による特例認定を受けている場合は、「防災優良認定証」を表示することができます。

（注意）ただし、「防災優良認定証」の表示は任意であり、制度に該当しない建築物等もあるため、表示の有無が必ず防災に関する点検基準の適否を示すものではありません。