家庭の食中毒予防

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ページID1005512  更新日 令和6年3月8日

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家庭の食中毒予防

 毎年、蒸し暑くジメジメした梅雨から体力が落ちてくる秋にかけて食中毒が多発する季節として知られてきました。そして、食中毒の発生は何も飲食店に限ったことではありません。家庭でも起こっているのです。
 食中毒の予防には、3原則と、その考えを一般家庭に取り入れた注意すべき、6つのポイントがあります。それぞれ見てみましょう。

食中毒予防の3原則

  1. 食中毒菌をつけない
  2. 食中毒菌を増やさない
  3. 食中毒菌をやっつける

1 食中毒菌をつけないためには

  • 肉や魚などは、汁がもれたり、他の食品にかかったりしないようビニール袋に入れましょう。
  • 手を洗いましょう。 
    1.食事の前
    2.外出から帰宅したとき
    3.生の肉や魚、卵などを取り扱った後
    4.トイレの後、おむつ交換の後 など
  • 二次汚染を防ぐため、包丁やまな板などの調理器具は、食材ごとに使い分けましょう。
    1.生肉
    2.生魚
    3.野菜や果物
    4.調理の終わった食品 など
    ・食材ごとに専用の器具を用意するか、生肉や生魚に使用した後には、熱湯をかける等で消毒してから次の食材に使用する
    ・二次汚染とは、元々汚染されていない食材に食中毒菌等をつけて汚染することです。

2 食中毒菌を増やさないためには

  • 新鮮な食材を買い、すぐに冷蔵庫へ入れるましょう。生ものや冷凍食品を買うときは、最後に買い、寄り道をしないで家に帰りましょう。車に放置しないようにしましょう。
  • 表示された保存方法により適切に保存しましょう。
    (注意)生鮮食品は冷蔵(10度以下)または冷凍で、冷凍食品は冷凍(マイナス15度以下)
  • 冷凍食品は室温放置しないようにしましょう。解凍は冷蔵庫や電子レンジで行いましょう。
  • 温かく食べる料理は常に温かく(65度以上)、冷たく食べる料理は常に冷たく(10度以下)しておき、室温に長く放置しないようにしましょう。調理中の食品を室温に放置しないようにしましょう。
  • 残ったものを保存する場合は、すぐ冷めるように小さめの容器に小分けして、早めに冷蔵庫などに保存しましょう。時間がたちすぎたら思い切って捨てましょう。
    (注意)庫内に詰めすぎは冷えムラの原因になるので、容量の7割程度までを目安に
    (注意)冷凍室の霜取りもこまめに行ないましょう
  • まな板、包丁、スポンジ、タワシなどは、洗剤でよく洗ったあと、熱湯や漂白剤などで殺菌し、乾燥させておきましょう。

3 食中毒菌を殺すには

  • 十分な加熱
    ・加熱調理の際はしっかりと加熱しましょう。
     目安は中心温度が85から90度で90秒間以上です。
    ・調理済みのレトルト食品や冷凍食品を使用するときも十分に加熱しましょう。
    ・残り物などを温め直すときも十分に加熱しましょう。
    ・電子レンジを使用するときは、加熱ムラをなくすためときどきかき混ぜましょう。
  • 洗浄の徹底
    ・生で食べる野菜や果物は、流水で十分に洗浄しましょう。
    ・漂白剤(塩素系消毒剤)で、殺菌することが望ましい。 詳しい使用方法はこのページ下部の 「殺菌液(次亜塩素酸ナトリウム)の作り方(早見表)及び使用方法例」をご覧ください。

4 その他の注意点

  • 傷のある手で調理する時は、ゴム手袋などをしましょう。
  • 肉、魚、卵を触ったら必ず手を洗いましょう。
  • 動物に触れた後やトイレ、オムツ交換後などには十分手を洗浄消毒しましょう。
  • 冷蔵庫、冷凍庫は扉を開けたら直ぐに閉めましょう。
  • 野菜など生で食べるものは、流水で十分洗いましょう。
  • 電子レンジでの加熱は、ときどきかき混ぜる。
  • 使用後の包丁やまな板、タワシなどは熱湯をかけるか漂白剤で殺菌し、よく乾燥させましょう。
  • 消費期限などを確認し、生鮮食品は新鮮なものを購入しましょう。
  • 井戸水を使用している場合は水質に注意しましょう。
    (注意)水道水は殺菌されていますが、井戸水は通常殺菌されていません。

食中毒予防6つのポイント

ポイント1 食品の購入

  • 消費期限などを確認し、生鮮食品は新鮮なものを購入しましょう。
  • 肉や魚などの汁がもれないようビニール袋に入れ、すぐに家に持ち帰りましょう。

ポイント2 家庭での保存

  • 表示された保存方法により適切に保存しましょう。
    (注意)冷蔵庫などの詰めすぎに注意しましょう。目安は容量の70パーセント程度までです。
  • 肉や魚などの汁が他の食品にかからないようにしましょう。
    (注意)二次汚染防止です。

ポイント3 下準備

  • 井戸水を使用している場合は水質に注意しましょう。
    (注意)水道水は殺菌されていますが、井戸水は通常殺菌されていません。
  • 手を洗いましょう。
    (注意)帰宅後、生の肉や魚、卵などを取り扱った後、トイレの後、おむつ交換の後など。
  • 肉や魚を切った後、洗わずにその包丁やまな板で果物や野菜などの生で食べる食品や調理の終わった食品を切らないようにしてください。
    (注意)二次汚染防止です。洗ってから熱湯をかけたのち使う。使い分けるとさらに安心です。
  • 冷凍食品は室温放置しないようにしましょう。解凍は冷蔵庫や電子レンジで行いましょう。

ポイント4 調理

  • 加熱は十分しましょう。目安は中心温度が85から90度で90秒間以上です。
    (注意)ノロウイルスの加熱殺菌も含みます。

ポイント5 食事

  • 温かく食べる料理は常に温かく(65度以上)、冷して食べる料理は常に冷たく(10度以下)しておき、室温に長く放置しなようにしましょう。
  • 食べる前にも手を洗いましょう。

ポイント6 残った食品

  • 小分けして冷蔵庫などに保存し、時間がたちすぎたら思い切って捨てましょう。
  • 温め直すときも十分に加熱しましょう。

ウイルス性食中毒予防のポイント

 最近、ウイルス性食中毒の発生が急速に増加しています。細菌性食中毒と異なり、冬場を中心に年間を通して発生しています。

 ウイルス性食中毒の予防には、これまで説明した食中毒予防3原則、6つのポイントに加えて、さらに、注意するべきポイントがあるので見てみましょう。
 ウイルスは食品中で増えず、生きた動物等の体内で増えます。また、極めて少量で感染する傾向があります。そのため、最初から食品にウイルスが付く機会を作らないことが重要です。そして、万一ウイルスが食品に付いていた場合に備え、ウイルスを殺せる対策を取ることが必要です。そのためにはどのようにしたらよいのか見てみましょう。

  • まず、こまめに手を洗いましょう。(手から食品、調理器具等へのウイルスの付着防止)
  • 患者の吐物、便、処理したふきんなどはビニール袋に入れ密封し、室外に出して保管しましょう。また、汚れた箇所は十分殺菌しましょう。(二次汚染防止)
  • 食品を十分加熱(食品の中心部の温度85から90度90秒間分以上)しましょう。(もともと付着してきたウイルスを殺す)
  • 使ったまな板、包丁、食器、ふきん、スポンジなどは洗剤でよく洗い、熱湯または水で薄めた漂白剤などでウイルスを殺しましょう。(調理器具等からの汚染防止)

家庭でできる殺菌方法

1 手指

  • 逆性石けん(塩化ベンザルコニウム)

例)

  1. 水で手をぬらし石けんをつける。
  2. 指、腕を洗う。特に、指の間、指先をよく洗う。(30秒程度)
  3. 石けんをよく洗い流す。(20秒程度)
  4. 0.2パーセント逆性石けん液をつけ、手指をよくこする。(30秒程度)
  5. よく水洗いする。
  6. ペーパータオル等でふく。

2 調理器具等

 煮沸殺菌
 消毒用アルコール殺菌(約70パーセントエタノール)
 漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム200ppmで5分以上または100ppmで10分以上)
例)
・まな板、包丁、へら等

  1. 水道水で水洗いする。
  2. スポンジタワシに中性洗剤又は弱アルカリ性洗剤をつけてよく洗浄する。
  3. 水道水でよく洗剤を洗い流す。
  4. 100度で5分間以上の煮沸殺菌または漂白剤による殺菌を行う。
  5. 漂白剤による殺菌の場合は殺菌後水道水でよく洗う。
  6. 清潔な場所で乾燥、保管する。
  7. 使用前によく乾いた状態で消毒用アルコールを噴霧する。

・ふきん、タオル等

  1. 水道水で水洗いする。
  2. スポンジタワシに中性洗剤又は弱アルカリ性洗剤をつけてよく洗浄する。
  3. 水道水でよく洗剤を洗い流す。
  4. 100度で5分間以上の煮沸殺菌または漂白剤による殺菌を行う。
  5. 漂白剤による殺菌の場合は殺菌後水道水でよく洗う。
  6. 清潔な場所で乾燥、保管する。

殺菌液(次亜塩素酸ナトリウム)の作り方(早見表)及び使用方法例

表1 200ppmの殺菌液を作るには

原液濃度 希釈倍数 原液のppm
3パーセント 150倍 30000
5パーセント 250倍 50000
6パーセント 300倍 60000
10パーセント 500倍 100000
12パーセント 600倍 120000

表2 100ppmの殺菌液を作るには

原液濃度 希釈倍数
3パーセント 300倍
5パーセント 500倍
6パーセント 600倍
10パーセント 1000倍
12パーセント 1200倍

表3 希釈方法(薄めかた)は

薬剤の希釈倍数及び 薬剤量(ミリリットル)
150倍 250倍 300倍 500倍 600倍 1000倍 1200倍 希釈に必要な水の量(リットル)
6.6 4 3.3 2 1.7 1 0.8 1
13.3 8 6.6 4 3.3 2 1.7 2
20 12 10 6 5 3 2.5 3
26.6 16 13.3 8 6.7 4 3.3 4
33.3 20 16.6 10 8.3 5 4.2 5
40 24 20 12 10 6 5 6
53.2 32 26.6 16 13.3 8 6.7 8
66.6 40 33.3 20 16.7 10 8.3 10

表の使い方(例)

 5パーセント原液を使って200ppmの濃度の殺菌液を10リットル作りたいときは

  1. 表1の5パーセント原液の行を見る。250倍希釈することが分かります。
  2. 表3右端の水の量10を見る。そこから左の250倍の列と交差する薬剤量を見る。
    交差点の薬剤量が40ミリリットルであることが分かります。
  3. 結論
    10リットルの水に5パーセント原液40ミリリットルを混ぜればよい

注意:表3に、作りたい水の量が書かれていない場合、薬剤原液の量を比例計算で決めてください。
(例) 40リットルの場合、必要な水の量4リットルを見て、それに対応する薬剤の量を10倍すればよい

使用方法例は

  • 野菜及び果物で加熱せず生で食べるものは必要に応じて殺菌液200ppmで5分(100ppmで10分)浸け置き、その後は十分流水ですすぎ洗いを行いましょう。
  • 調理器具、作業台、床等は200ppmで浸すように拭きましょう。

ポイント

  • 薬剤及び水の量は正確に測りましょう。殺菌液の濃度が薄いと殺菌が不十分で、濃いと薬剤が無駄になります。
  • あらかじめ希釈する容器(流し、バケツなど)の容量を測り、印をつけておきましょう。希釈が簡単にできるようになります。
  • 殺菌する物の表面の汚れはあらかじめきれいに洗浄しましょう。次亜塩素酸ナトリウム中の塩素が汚れに使われ、肝心の殺菌が十分に行なわれません。
  • 殺菌液は使うたびに作り直しましょう。

このページに関するお問い合わせ

宇都宮市保健所 生活衛生課 食品衛生グループ
電話番号:028-626-1110 ファクス:028-627-9244
住所:〒321-0974 宇都宮市竹林町972
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