動物性自然毒

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ページID1005530  更新日 令和6年3月8日

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 動物性自然毒をもつものに魚介類があります。魚介類は食物連鎖などにより、毒をもつようになるものもいます。魚介類のもつ毒のことマリントキシンといいます。マリントキシンの種類としてはふぐ毒、シガテラ毒、貝毒などがあります。食中毒の原因となる主な魚介類を見てみましょう。

ふぐ毒について

1 ふぐ毒とは?

 ふぐ毒の主成分は猛毒のテトロドトキシンであり、熱に非常に安定です。一般的な症状としては食後1時間程度の麻痺から始まり、知覚障害や呼吸困難を起こし8時間以内に死亡する場合が多いです。しかし、発症後すぐに病院に運ばれ、人工呼吸器などによる気道の確保により回復した例もいくつかあります。

2 予防のポイント

 ふぐによる食中毒のほとんどが素人のフグ料理または家庭で発生しています。ふぐには毒のあるものと無毒のものがいます。また、ふぐの毒のある部位も多様です。ふぐを調理する専門店にはそのことを熟知した調理人がいます。ふぐを食べる場合はフグ調理の専門店で食べるようにしましょう。

その他の毒魚について

 毒をもつ魚は数多くいます。ここでは食品衛生法で食用禁止とされている4つ魚、ドクカマス、イシナギ、バラムツ、アブラソコムツについて見てみましょう。これらの魚は漁港、市場等で発見されしだい廃棄されています。

  • ドクカマス(食用禁止魚第1号)
    毒成分 シガテラ毒
    症状 温度感覚異常、筋肉痛、関節痛、下痢、嘔吐など
  • イシナギ(食用禁止魚第2号)
    毒成分 ビタミンA過剰
    症状 嘔吐、頭痛、皮膚の剥離など
  • バラムツ(食用禁止魚第3号)
    毒成分 ワックス成分過剰
    症状 下痢
  • アブラソコムツ(食用禁止魚第4号)
    毒成分 ワックス成分過剰
    症状 下痢

貝毒について

 貝毒は麻痺性、下痢性、神経性、記憶喪失性が知られていますが、これまでにわが国では麻痺性と下痢性が報告されております。毒はアカザラガイ、ムラサキイガイやホタテガイなどの中腸腺にたまります。わが国では生産地が定期的に毒の状態を検査し、毒化した場合は出荷を停止しています。また、その他の貝毒のテトラミンもあります。
 ここでは麻痺性、下痢性、その他の貝毒のテトラミンについて見てみましょう。

1 麻痺性貝毒とは?

 麻痺性貝毒の主成分はサキシトキシン、ゴニオトキシンなどです。これらは猛毒でふぐ毒に匹敵します。わが国では規制値があり、4MU/グラム以下でないと市場に出回りません。症状としてはふぐ毒と同様です。

2 下痢性貝毒とは?

 下痢性貝毒の主成分はディノフィシストキシン、オカダサンなどです。わが国では規制値があり、0.05MU/g以下でないと市場に出回りません。症状としては下痢、嘔吐、腹痛などです。

3 その他の貝毒(テトラミン)

 テトラミンは肉食性の巻貝であるヒメエゾボラ、エボゾラモドキなどの唾液腺に含まれ、水に溶け易く、加熱しても分解されずに筋肉や煮汁などに一部移行します。そのため調理前に唾液腺の除去が必要です。症状としては食後30分ぐらいからめまい、船酔い感、吐き気、頭痛などで数時間で回復します。

このページに関するお問い合わせ

宇都宮市保健所 生活衛生課 食品衛生グループ
電話番号:028-626-1110 ファクス:028-627-9244
住所:〒321-0974 宇都宮市竹林町972
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