平成26年度施政方針

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ページID1002176  更新日 令和6年3月8日

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 平成26年第2回市議会定例会の開会に当たり、私の市政運営に対する所信の一端を申し上げるとともに、議案第19号から第36号までの平成26年度宇都宮市一般会計予算及び特別会計予算につきましての大綱を御説明申し上げ、議員各位をはじめ、市民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。

市政運営の基本方針

 それでは、「市政運営の基本方針」につきまして、述べさせていただきます。

 我が国の経済につきましては、長引く円高の是正や輸出の持ち直し、個人消費の改善などがみられ、緩やかではあるものの、着実に景気が回復してきており、今後は、「経済の好循環」により、国民生活の向上に波及していくことが期待されているところであります。
 また、人口減少や少子・高齢化が進行する中、国におきましては、「社会保障と税の一体改革」による全世代を対象にした持続可能な社会保障制度の構築や、地方の活力を創出するための自治体間における新たな広域連携の仕組みの構築などを目指しているところであります。
 このような中、本市におきましても、昨年、総人口に占める老年人口の割合が21パーセントを超える「超高齢社会」に突入し、近い将来、人口減少を迎えることが見込まれております。
 そのような社会にありましても、社会潮流の変化に的確に対応しながら、引き続き、「第5次宇都宮市総合計画」に掲げる都市像であります、輝く希望と笑顔にあふれた「みんなが幸せに暮らせるまち」、独自の存在感と風格を備えた「みんなに選ばれるまち」、まちづくりの仕組みが整い、みんなでまちをつくる活力にあふれた「持続的に発展できるまち」の3つのまちづくりの戦略的ターゲットに対応する「まちづくり戦略プロジェクト」を着実に推進してまいります。
 特に、今後の人口減少・超高齢社会におきまして、「誰もが自由に移動し、快適な生活を送ることができるまち」の実現に向け、目指す都市空間の姿であります、本市独自の連携・集約型による「ネットワーク型コンパクトシティ」の形成や、市民サービスの維持・向上に不可欠な「都市力・財政力」の強化に向け、高次で魅力ある「都市の基盤づくり」と、まちづくりの原動力である心豊かで魅力溢れる「人づくり」を進めてまいります。

 そのため、新年度におきましては、都心部や各地域における「拠点形成の促進」やLRT等の「総合的な交通ネットワークの構築」、子どもから高齢者まで全ての市民の「健康づくり」、農商工・観光の振興などの「地域経済の活性化」などに重点的に取り組むとともに、近隣市町との広域的な連携などにより、本市の存在感や中枢性をなお一層高め、「人」・「モノ」・「情報」が豊かに交流し、地域で経済が自立的に活性化する「地域循環型社会」、そして、本市の貴重な財産が次世代に継承される「持続型社会」の構築を目指してまいりたいと考えております。

予算編成の基本方針

 このような認識のもと、「予算編成の基本的な考え方」につきまして、御説明いたします。

 本市の財政状況につきましては、歳入におきまして、企業収益の回復などにより、市税収入の増加が見込まれるものの、歳出におきまして、高齢化の進展に伴い、社会保障関係経費の増加が見込まれており、財政構造の柔軟性確保に向けた取組の重要性が高まっております。
 このような中におきましても、本市が将来にわたり、持続的に発展していくためには、限りある行政経営資源で、都市の活力を高めるとともに、市民福祉の最大化を図る必要があります。

 このため、平成26年度当初予算の編成に当たりましては、社会経済環境の変化や市民ニーズに的確に対応した施策・事業の「選択と集中」を進めながら、全ての事務事業につきまして、ゼロベースの視点から見直すとともに、収納対策の強化や後年度負担に配慮した市債や基金の活用などにより、財源を確保し、本市が目指す都市の実現に向けて、「拠点形成の促進」、「総合的な交通ネットワークの構築」、「健康づくり」及び「地域経済の活性化」の4つに優先的・重点的に取り組むことといたしました。
 また、これらの取組には、地域経済の底上げと好循環の実現による持続的な発展が不可欠でありますことから、中小企業の経営支援や公共事業の確保などにより、地域経済の好況感を更に確実なものとするとともに、財源の積極的な確保を行い、行政経営基盤の強化を推進することといたしました。

 このような基本的な考え方のもとに編成いたしました一般会計当初予算案は、前年度当初予算額1、804億円に対しまして、4.9パーセント増の1、893億1、000万円を計上したところであり、これは、過去最大の予算規模となるものであります。

 次に、特別会計についてでありますが、まず、高齢化に伴い、保険給付費などが増となりますことから、国民健康保険特別会計におきましては、前年度比4.8パーセント増の525億円余、介護保険特別会計におきましては、前年度比6.1パーセント増の262億円余を計上いたしました。
 競輪特別会計につきましては、特別競輪を開催しますことから、前年度比26.5パーセント増の182億円余を計上いたしました。
 また、都市基盤整備を推進するための土地区画整理事業につきましては、鶴田第2土地区画整理事業特別会計ほか3つの特別会計におきまして、前年度比12.2パーセント減の42億円余を計上いたしました。

 最後に、下水道事業会計につきましては、公共下水道雨水幹線の整備や老朽下水管の更新に伴いまして、前年度比15.2パーセント増の223億円余を計上いたしました。

 この結果、一般会計と特別会計を合わせた予算の総額は、前年度の当初予算総額3、170億1、897万円に対しまして、前年度比6.8パーセント増の3、384億8、446万3千円を計上したところであります。

主要な施策

 次に、「主要な施策」につきまして、「第5次総合計画」の施策の体系に基づき、その概要を御説明いたします。

 第1は、『安全で健康な笑顔あふれる暮らしを支える』についてであります。
 まず、「保健・医療サービスの質を高める」につきましては、歯と口腔の健康づくりといたしまして、歯科健診の対象年齢を拡大するとともに、自殺予防対策を推進するなど、疾病予防やこころの健康づくりに取り組んでまいります。

 次に、「高齢期の生活の充実」、「障がいのある人の生活の充実」及び「都市の福祉力を高める」につきましては、高齢者が、いきいきとした高齢期を過ごすことができますよう、高齢者等地域活動支援ポイント事業に取り組み、ポイント付与を先行して実施するほか、「ねんりんピック栃木2014」を県と連携して開催してまいります。
 また、障がい者の職場定着を支援するなど、障がい者の就労支援の充実に取り組むほか、生活困窮者への自立相談などの支援や、生活保護世帯の中学生を対象とした学習支援に取り組んでまいります。

 次に、「愛情豊かに子どもたちを育む」につきましては、平成27年度の「子ども・子育て支援新制度」への移行に向け、認定こども園の新設などにより定員の増加を図るほか、保育士確保のための潜在保育士への研修や、子育てサロンを活用した利用者支援を行うなど、待機児童の解消に努めてまいります。
 また、放課後子ども教室の実施校拡大や子どもの家の整備など、放課後児童対策に取り組んでまいります。

 次に、「日常生活の安心感を高める」、「危機への備え・対応力を高める」につきましては、空き家等対策といたしまして、地域活動に対する支援や、空き家リフォームへの助成などを実施し、空き家等の適正管理や利活用を促進するとともに、大規模特定建築物の耐震診断への助成を行うなど、建築物の耐震化への取組を促進してまいります。
 また、大規模災害などへの対応といたしまして、災害現場の映像を伝送するシステムの整備や、救護所設置のための資器材の配備など、危機管理体制の充実に努めてまいります。

 第2は、『学ぶ意欲と豊かなこころを育む』についてであります。
 「信頼される学校教育の推進」につきましては、小中一貫教育を推進するほか、大型タブレット型パソコンなどICTを活用した協働学習モデル事業を実施し、確かな学力の定着を推進してまいります。
 また、平成28年度の供用開始に向けて、一条中学校の移転改築工事に着手するとともに、引き続き、小・中学校の校舎・体育館の耐震化を推進してまいります。
 第3は、『快適な暮らしを支える』についてであります。
 まず、「環境にやさしい社会の形成」につきましては、「住宅用太陽光発電システムの設置」に対する助成を行うとともに、事業所におけるCO2削減診断の実施など、温室効果ガスの削減に取り組んでまいります。
 
 次に、「快適な住環境の創出」につきましては、中心市街地エリアへの居住促進のため、若年夫婦への家賃助成の対象を、子育て世帯にも拡大するほか、中心市街地に住宅を取得し、新たに居住する世帯に取得費用の一部を助成するなど、都市拠点の形成に向けた取組を進めてまいります。
 
 第4は、『豊かな暮らしを支える活気と活力のある社会を築く』についてであります。
 まず、「地域産業の創造性・発展性を高める」につきましては、医療と福祉など成長分野の育成を図るため、次世代産業イノベーション推進事業の支援を拡充するなど、本市産業の競争力強化に取り組んでまいります。
 また、雇用支援の対策といたしまして、就職困難者を雇用した事業者への奨励金の支給や、資格取得講座の拡充など、引き続き、雇用の創出と安定に取り組んでまいります。

 次に、「商工業の活力を高める」につきましては、中心商店街の活性化や、地域のコミュニティ創出などを目的に商店街自らが実施する空き店舗活用に対する助成など、中心市街地の賑わいづくりに取り組んでまいります。
 
 次に、「農林業の付加価値を高める」につきましては、引き続き、農産物のブランド化を推進するほか、収益性の高い作物の産地化に対する支援や、意欲ある担い手の確保や育成のため、新規就農者の農地確保や機械・設備の導入に対する助成など、本市農業の持続力と競争力の向上に取り組んでまいります。
 
 次に、「魅力ある観光と交流の創出」につきましては、観光資源を活用した国内外への情報発信など、本市の知名度アップに取り組むほか、新たに観光情報のアプリを構築し、観光客の増加を図るなど、本市の魅力を積極的に発信してまいります。
 また、ジャパンカップサイクルロードレースの開催につきましては、クリテリウム5周年に合わせたジャパンカップウィークイベントを開催するなど、スポーツと観光を有機的に結び付け、来訪者の増加と、本市での滞在に繋がる取組を展開してまいります。

 第5は、『都市基盤の機能と質を高める』についてであります。
まず、「魅力ある都市空間の形成」につきましては、本市が掲げる将来の都市空間の姿を具体化するため、「ネットワーク型コンパクトシティの形成」を推進するほか、賑わいのある都心部の再生を図るため、「JR宇都宮駅周辺地区」の整備を推進してまいります。

 次に、「円滑で利便性の高い総合的な交通体系の確立」につきましては、平成28年度の着工に向けて、LRTの整備を推進するほか、生活交通確保対策や公共交通の利用促進策といたしまして、地域内交通の運行地区やバス路線新設に向けた社会実験を拡大するなど、総合的に交通体系を確立する取組を進めてまいります。
 また、自転車利用者の利便性向上のため、自転車専用通行帯やサイクリングロードの整備など、「自転車のまち宇都宮」の推進に向け、取り組んでまいります。

 第6は、『都市の自治基盤の確立』についてであります。
 まず、「市民が主役のまちづくりの推進」につきましては、自治会の活性化や、地域まちづくり組織の事務局機能の強化を支援するとともに、集会所の居場所づくりに助成を行うなど、地域におけるまちづくり活動の支援を充実してまいります。
 
 最後に、「行政経営基盤の強化」につきましては、都市ブランド戦略といたしまして、プロスポーツチームを活用したシティプロモーションを行うなど、本市ブランドの定着に向けて取り組んでまいります。
 また、納税者の利便性向上を図るため、携帯電話やパソコンの利用による納税が可能となるペイジー収納サービスの導入など、納税環境の向上と収納対策の強化を図り、財源の確保に努めてまいります。

行政改革の取組方針

 次に、「行政改革の取組について」でありますが、本市におきましては、第4次行政改革大綱に基づき、これまでも事業の再編・統廃合や指定管理者制度の推進など、積極的に行政改革に取り組み、その成果を本市まちづくりの重点課題に対応した、優先度・重点度の高い施策・事業に配分することで、市民サービスの向上に努めてきたところであり、引き続き、行政改革の取組を推進してまいります。
 また、新年度におきましては、現在の大綱の計画期間が最終年度を迎えますことから、持続可能なまちづくりへの基盤強化に向け、これまでの取組の成果や課題を検証するとともに、本市を取り巻く社会経済環境の変化や、高度化・多様化する市民ニーズを的確に把握しながら、新たな行政改革大綱の策定を進めてまいります。

市政運営の執行体制

 最後に、「執行体制について」でありますが、市政運営及び予算編成の基本方針を踏まえ、「まちづくり戦略プロジェクト」を着実に推進するとともに、様々な行政課題の解決に迅速かつ着実に取り組むため、効果的・効率的な執行体制を整備してまいります。

 まず、「組織機構」についてでありますが、「LRTの整備」につきまして、引き続き、スピード感を持って進めていくため、LRT整備推進室の調整・統括機能を強化するとともに、測量や設計などの具体的な取組を担う「軌道システムグループ」を土木管理課に設置するなど、LRTの整備に向けて全庁的な推進体制を強化してまいります。

 また、本市経済やまちづくりの一層の活性化に向けて、原動力となる賑わいの創出を図るため、本市の特色ある観光資源やスポーツイベントなどの更なる活用や、その活用に向けた統括・調整、さらには、新たな魅力となり得る観光資源の創出などを担う、「都市魅力創造室」を観光交流課の課内室として設置するとともに、ジャパンカップサイクルロードレースや関連イベントが持つ観光資源としてのポテンシャルをさらに引き出せるよう、複数の部局で担っているジャパンカップ関連事業を観光交流課に集約してまいります。

 続きまして、「人員体制」についてでありますが、保育園の民営化や小学校の給食調理業務の外部委託を進めるなど、事務事業の見直しに取り組むことにより、職員数の適正化に努めてまいります。

むすび

 以上、市政運営に関する私の所信の一端と、平成26年度当初予算案の大綱などにつきまして申し上げました。
 本市が目指す都市像の実現に向け、ただ今申し上げました、LRT整備をはじめとする様々な施策・事業に全力で取り組む所存でありますので、議員各位をはじめ、市民の皆様には、より一層の御支援と、御協力を賜りますよう、心からお願い申し上げます。

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