平成20年度施政方針

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ページID1002183  更新日 令和6年3月8日

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 平成20年第1回市議会定例会の開会に当たり、私の市政運営に対する所信の一端を申し上げるとともに、議案第24号の宇都宮市基本構想の策定についての概要と、議案第25号から第47号までの平成20年度宇都宮市一般会計予算及び特別会計予算についての大綱を御説明申し上げ、議員各位をはじめ、市民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。

市政運営の基本方針

 まず、市政運営の基本方針について、述べさせていただきます。
 昨今の社会経済状況を顧みますと、歯止めのかからない少子・高齢化の進行や地球環境問題の一層の深刻化などの大きな時代の流れの中で、人々の日常生活の基礎となる「食」や「住」、「社会保障制度」などに対する信頼を揺るがす問題や、様々な格差問題が相次いで顕在化するなど、将来の生活に対する不安や不透明感というものが、日々強くなってきていると感じております。
 また、地方分権改革が更に進展している中で、我々地方自治体は、自らの判断と責任、創意工夫のもとで、ますます複雑化・多様化する様々な行政課題に、的確で迅速に対応することが強く求められてきており、正に地方自治体の力量が問われている時代であると考えております。
 このような中、私は、平成16年に市長に就任して以来、「一人ひとりが輝く、活力あふれる新しい宇都宮の創造」を基本理念に、「人間性豊かな個性と特性が生きるまち」、「持続的に発展できる風格と魅力、活力あるまち」を目指し、本市の「人間力」と「都市力」の向上に全力で取り組んでまいりました。
 この間、市議会をはじめ、多くの市民の皆様の暖かい御理解と御協力をいただきながら、公約として掲げた施策・事業をはじめとする、各種の取組を着実に具体化するとともに、昨年3月には、市町合併により北関東初の50万都市を実現することができました。
 お陰をもちまして、市政全般にわたり、ひとつひとつ成果を積み重ねることができ、そうしたことを通して、本市の魅力とポテンシャルが確実に高まっているものと実感しております。
 今後は、これまでに培ってきた本市のポテンシャルを十分に生かしながら、長期を見据え、計画的かつ継続的なまちづくりを展開し、百年先にあっても揺るぎない存在感と求心力を有する、輝き続ける都市となるための、確固たる魅力と活力を築いていくことが不可欠であり、私の4年間の任期の集大成となる本年は、その土台づくりに全身全霊で取り組んでまいりたいと考えております。
 このような基本認識のもと、まず、「宇都宮市基本構想の策定」につきまして、その概要を御説明申し上げたいと存じます。
 本市の総合計画につきましては、平成9年に第4次総合計画を策定して以来、約10年が経過し、この間、社会経済環境の変化や平成19年3月の合併に伴う行政区域の拡大など、本市のまちづくりを取り巻く環境が大きく変化してきております。
 こうした中でも、本市が引き続き、自主性・自立性を保ちながら、持続的に発展し、50万都市にふさわしい、広域的な都市圏における存在感や中枢性を、さらに高めていくことができるよう、今回、「第5次宇都宮市総合計画」を策定するものでありますが、その中で、「宇都宮市基本構想」は、この「第5次宇都宮市総合計画」の根幹を成し、市民・事業者・行政などが一体となって、総合的で計画的なまちづくりを行うための目標並びに指針となるものであり、宇都宮市の目指す将来像と、これを実現するための基本方向を定めようとするものであります。
 この基本構想につきましては、目標年次を、おおむね15年後の平成34年、西暦2022年といたしました。
 全体構成といたしましては、大きく「時代潮流の変化と中長期的展望」、「まちづくりの目標」、「まちづくりの大綱」等で構成しております。
 まず、「時代潮流の変化と中長期的展望」でありますが、少子・高齢化の一層の進行や人口の減少、地球環境問題の深刻化、また、「ひと」という視点を改めてまちづくりの中心に据えた、いわば、「人間回帰の時代」の到来などを、主要な時代潮流としてとらえたところであります。
 次に、「まちづくりの目標」のうち、「まちづくりの重点課題」でありますが、本市の今後の重点課題として、「子育て支援の充実」や「高齢者の生活の質の向上」などを導き出し、位置付けたところであります。
 また、「まちづくりの戦略的ターゲット」でありますが、それらの重点課題が解決された「まちの状態」を、「市民」と「まち」、そして、「まちづくりの基礎や基盤」という、3つの視点から整理し、これに対応した、3つのターゲットとして、「みんなが幸せに暮らせるまち」、「みんなに選ばれるまち」、「持続的に発展できるまち」という目標を設定したところであります。
 また、「都市空間の姿」では、こうした、目標とするまちの土台といたしまして、高齢化の進行や、人口減少社会を見据え、中心市街地や商店街、駅前など、既にある、さまざまな「拠点」を生かしながら、それらの「拠点」が備える機能をさらに高めていくとともに、拠点と拠点を、公共交通、あるいは道路などの多様な軸で結びつけることによって、互いに行き来することが容易となり、それぞれの拠点の機能を誰もが利用できる「ネットワーク型コンパクトシティ」の形成を、今回、初めて、基本構想に位置付けてまいりたいと考えております。
 また、「将来のうつのみや像」でありますが、先ほどの3つの目標や、その土台としての「都市空間の姿」を総合的に表現した15年後の目指すべき都市の姿を、「くらしいきいき まちキラキラ つながる人・夢のみや うつのみや」と設定したところであります。
 次に、「まちづくりの大綱」でありますが、「将来のうつのみや像」を達成するために必要な、総合的で計画的な施策の基本方向として、「みんなで安全な地域社会と健康な笑顔あふれる暮らしをつくるために」などを位置付けるものであります。
 この基本構想を、本市がこれからの時代にふさわしい、新しい「成熟都市」として発展していくための、まちづくりの目標並びに指針としてまいりたいと考えております。
 次に、「平成20年度の市政運営の基本的な考え方」につきまして、述べさせていただきます。
 新年度は、「第5次宇都宮市総合計画」の中で設定している、「みんなが幸せに暮らせるまち」、「みんなに選ばれるまち」、「持続的に発展できるまち」の3つの大きな目標の実現に向けた戦略的な取組を、着実にスタートさせてまいりたいと考えております。
 まず一つ目の「みんなが幸せに暮らせるまちづくり」でありますが、子どもから高齢者まで全ての市民が、輝く希望と笑顔にあふれた生活を営むことができるよう、安心や快適性などを実感できる豊かな生活環境を築くことが極めて重要であります。
 そのため、まず、総合的な「子育て支援の充実」に努め、子育て環境が厳しさを増している中で、子育てに対する不安や負担を軽減し、安心して子どもを産み育てることができるよう、保育サービスのより一層の充実や、子育て中の親の「ワーク・ライフ・バランス」の支援などに積極的に取り組んでまいります。
 また、「高齢者の生活の質の向上」を図り、社会貢献に意欲のあるシニア世代も含め、あらゆる高齢者が生きがいをもち、地域で生き生きと暮らしていけるよう、高齢者の自立促進や生きがいづくりの充実などに努めてまいります。
 また、「総合的な交通体系の確立」に積極的に取り組み、誰もが移動しやすい交通環境を築き、人々の快適で利便性の高い生活を支えるよう、公共交通ネットワークの構築や、地域内交通の促進、道路ネットワーク整備の充実などに努めてまいります。
 さらに、「安全で安心な生活環境の創出」に努め、近年、犯罪や災害などが多発するなど、日常の生活における不安が増大している中で、市民が心豊かに暮らせるよう、地域における自主防犯団体活動に対する支援の充実や、学校施設をはじめとする公共施設の耐震化を重点的に進めるなど、多角的な視点から防犯や防災に取り組んでまいります。
 また、「環境調和型社会の構築」にも努め、次の世代にも良好な環境を引き継いでいけるよう、全国をリードする本市独自の「もったいない運動」や、新たな資源化の取組などを進めながら、市民一人ひとりが日ごろから自主的に環境に配慮した行動ができるよう取り組んでまいります。
 二つ目の「みんなに選ばれるまちづくり」でありますが、各自治体が都市の個性や魅力を競う中で、本市が人や企業を引き付けることのできる独自の存在感や魅力、風格を備えていくためには、地域の資源や特性を最大限に生かしながら、人・もの・情報が活発に交流する都市基盤づくりを進めるとともに,都市のイメージを確立し、積極的に発信していくことが不可欠であります。
 そのため、まず、「魅力ある拠点の創造」に集中的に取り組み、道州制の議論が活発化する中で、本市が確固たる存在感を築き、交流人口・定住人口の拡大を図れるよう、「JR宇都宮駅東口地区の整備」「市街地再開発事業」などによる「賑わいと風格のある都心部づくり」や、「雀宮駅周辺地域の整備」などの「機能的で活力のある地域の拠点づくり」を効果的に進めてまいります。
 また、「都市の個性づくりと発信」に精力的に取り組み、伝統を踏まえつつ独自の文化を創出し、都市としての個性を磨き上げながら、都市の風格や市民・来訪者の快適性を高め、全国にアピールできるよう、都市ブランドの確立に向けた取組や、魅力ある都市景観づくりなどを推進してまいります。
 三つ目の「持続的に発展できるまちづくり」でありますが、市民同士の心が通い合い地域社会が強い絆で結びつき、本市が将来にわたって持続的に発展していくため、それを支えるまちづくりの基盤や仕組みを創出することが重要であります。
 そのため、まず、まちの元気と活力を生み出す原動力となる、高い人間力を備えた「次代を築く人材の育成」に重点的に取り組むこととし、特に、人材育成の上で最も重要で基礎となる学校教育におきましては、ゆとりと潤いのある学校環境やきめ細かな教育環境の向上などに努めてまいります。
 また、地域の資源を最大限に生かした「産業力の強化」に積極的に取り組み、各産業分野においてバランス良く底力を高めながら、都市の活力を向上させる中で、特に、農業生産基盤の強化や、農産物のブランド化、地産地消の推進など「農業」面での取組を強化するとともに、ベンチャーなど新規起業者への支援策を充実させるなど、本市の産業に一層の厚みを持たせてまいります。
 また、「地域が主体となったまちづくり」においても、地域コミュニティの希薄化や地域の教育力の低下などが指摘される中で、地域の人々が有する様々な知識や経験を結集し、互いに支え合い高め合うことができるよう、家庭と地域の教育力の向上や、様々な分野でのまちづくりに貢献する企業のCSR活動の支援などに取り組んでまいります。

予算編成の基本方針

 次に、平成20年度の「予算編成の基本的な考え方」につきまして、御説明申し上げます。
 まず、本市の財政状況につきましては、自主財源の根幹である市税収入が増加しており、自主財源比率や経常収支比率などの財政指標についても、他の中核市と比較いたしますと、相対的に上位にありますが、市債の償還が平成20年度にピークを迎えるほか、国民健康保険や介護保険などの社会保障関係経費が増加するものと見込まれております。
 このため、新年度の予算編成にあたりましては、将来に負の遺産を残さないなど、健全で安定した財政運営を基本に、収納対策の強化による自主財源の確保に努めながら、スクラップ・アンド・ビルドの徹底や、民間活力の活用をはじめとした行財政改革の推進などにより、限りある財源を効果的・効率的に活用しながら、「子育て支援の充実」や「次代を築く人材の育成」、さらには「魅力ある拠点の創造」など直面する課題に的確に対応するための各種施策・事業に積極的に取り組むこととしたところであります。
 このような基本的な考え方のもとに編成いたしました平成20年度の一般会計当初予算案は、前年度当初予算額1,643億2,000万円に対しまして、1パーセント増の1,659億円を計上いたしました。
 その歳入につきましては、一部の企業の業績好調による法人市民税の増や、家屋の新増築による固定資産税の増など、市税収入の増を見込んだほか、過去に発行した市債の償還がピークを迎えることに伴う減債基金の取り崩しの増や財政調整基金の活用などにより、必要な財源を確保したところであります。
 次に、特別会計についてでありますが、まず、老人保健特別会計につきましては、高齢者の医療制度改革に伴い、後期高齢者医療制度に移行することから、予算額は前年度比90.4パーセント減の31億円余を計上いたしました。また、この制度改正により、新たに後期高齢者医療特別会計を設置し、38億円余の予算を計上いたしました。
 次に、競輪特別会計につきましては、競輪場再整備事業の本格化に伴い建設費が増加することから、予算額は前年度比9.7パーセント増の202億円余を計上いたしました。
 また、土地区画整理事業による都市基盤整備を推進するため、鶴田第2土地区画整理事業特別会計におきましては、前年度比17.3パーセント増の19億円余、岡本駅西土地区画整理事業特別会計におきましては、前年度比64.1パーセント増の10億円余の予算を計上いたしました。
 最後に、下水道事業会計につきましては、テクノポリスセンター地区における公共下水道の整備が概ね完了することによる建設改良費の減少に伴い、予算額は前年度比8パーセント減の211億円余を計上いたしました。
 この結果、一般会計と特別会計を合わせた予算の総額は、前年度の当初予算総額3,334億6,084万6千円に対しまして、7.3パーセント減の 3,089億8,971万2千円を計上したところであります。

主要な施策

 次に、平成20年度の「主要な施策」につきまして、「第5次宇都宮市総合計画」の施策の体系に基づき、その概要を御説明いたします。
 第1は、「安全な地域社会と健康な笑顔あふれる暮らしをつくる」についてであります。
 まず、「子育て支援の充実」につきましては、「こども医療費助成費」における「現物給付」の対象の「3歳未満」から「小学校6年生まで」への引き上げや、「妊婦健康診査」の公費負担の「5回」から「12回」への拡充などにより、安心して子どもを産み育てることのできる環境を創出してまいります。
 次に、「高齢者福祉の充実」につきましては、ひとり暮らし高齢者が安心して日常生活を送ることができるよう、「緊急通報システム」に民間委託方式を導入し、定期的な状況の確認や生活相談などを充実してまいります。
 次に、「安全安心なまちづくり」につきましては、地域が行う防犯活動促進のためのより一層の支援を行うとともに、高照度防犯灯設置への加算補助を創設するなど、全ての市民が、安全に、そして安心して暮らすことのできるまちづくりを進めてまいります。
 第2は、「学ぶ意欲と豊かなこころを育む」についてであります。
 まず、「生涯学習活動の促進」につきましては、本市南部における市民の学習ニーズ等に対応するため、雀宮駅東地区における図書館の平成23年度の開館に向け、整備を進めてまいります。
 次に、「学校教育の充実」につきましては、児童・生徒の学力向上に向け、集中して意欲的に学習に取り組むことができるよう、まずは、中学校の普通教室等へ空調設備を設置してまいります。
 また、教育施設としての役割のほか、地域の重要な拠点施設としての役割を併せ持つ校舎や体育館などの整備を計画的に進めるとともに、その耐震化に集中的に取り組んでまいります。
 さらには、生きる上での基本であります「食」に関しまして、学校において、その指導や衛生管理を徹底するため、小・中学校全校に「栄養士」を配置し、食育をより一層、充実することにより、子どもたちの健やかで豊かな心を育んでまいります。
 また、特別な支援を必要とする児童・生徒の教育的ニーズに応じた効果的な学習活動が進められるよう、特別支援教室の整備や指導助手の増員など、特別支援教育の充実に取り組んでまいります。
 次に、「スポーツの振興」につきましては、清原球場の観客席改修工事や宮原運動公園野球場の外野芝生張り替え工事、さらには、石井緑地・柳田緑地への簡易水洗トイレの設置など、市民のスポーツ活動を支える施設の充実を図ってまいります。
 第3は「快適な暮らしをつくる」についてであります。
 まず、「環境にやさしいまちづくりの推進」につきましては、持続可能な都市の形成に向けて、平成19年度に引き続き、2回目の「もったいない全国大会」を本市で開催するとともに、全国をリードする本市独自の「もったいない運動」の更なる普及・啓発を進め、市民一人ひとりの日頃からの環境に配慮した行動に結び付けてまいります。
 また、水道の送水管に小水力発電設備を設置し、環境にやさしい水道事業を進めてまいります。
 次に、「資源循環型社会の形成」につきましては、プラスチック製容器やラップなどの資源化を図るため、その他プラスチック製容器包装資源化施設の整備に着手するとともに、プラスチック製容器包装の分別に向けての周知・啓発を進めてまいります。
 次に、「上下水道の整備」につきましては、引き続き、高品質な水道水の安定供給に向けて取り組むとともに、地域の特性を踏まえながら、公共下水道の整備などによる生活排水の適正処理や、浸水被害の解消に向けた雨水対策などに取り組んでまいります。
 第4は、「豊かな暮らしを支える活気と活力のある社会を築く」についてであります。
 まず、「商業・サービス業の振興」につきましては、企業の社会的責任としての「CSR活動」を広く市民に周知するとともに、本市の地域特性に合った、客観的な「CSR活動の認証基準」を策定したうえで、認証に基づいた優遇制度を導入するなど、宇都宮版CSRの構築に向けた検討を進めてまいります。
 次に、「工業の振興」につきましては、UJIターン起業者への助成など、本市での起業を促進する「チャレンジャーのまちうつのみや推進事業」などに取り組んでまいります。
 次に、「農林業の振興」につきましては、「農業王国うつのみや」を目指し、本市の豊富な農産物の高品質化を促進するとともに、首都圏に向けて本市のブランド農産物のPRを戦略的に行うなど、農産物ブランド化を強力に推進してまいります。
 第5は、「都市基盤の機能と質を高める」についてであります。
 まず、「市街地整備の推進」につきましては、都市の魅力と風格を高め、賑わいのある都心部の再生を図るため、「馬場通り西地区」や「宇都宮駅西口第四B地区」に加え、「千手・宮島地区」などの市街地再開発事業に、引き続き積極的に取り組んでまいります。
 また、「宇大東南部地区」や、「岡本駅西地区」、「中里原地区」など、健全な市街地の形成と良好な居住環境を創出するため、各地区の土地区画整理事業を計画的に推進するほか、「JR宇都宮駅東口地区整備事業」をはじめ、「JR雀宮駅周辺地区整備事業」など、50万都市にふさわしい都心部の拠点や機能的で活力のある地域の拠点づくりを推進してまいります。
 次に、「総合的な交通体系の確立」につきましては、公共交通の利用を促進するため、バス停留所の屋根設置への補助など、バス利用者の利用環境の向上を図るとともに、生活バス路線の維持や地域が主体となって実施する地域内交通への支援など、生活交通確保対策を推進してまいります。
 また、自転車道の整備や路上駐輪場の整備などにより、最も身近な乗り物であります「自転車」の利用しやすいまちづくりを進めてまいります。
 次に、「道路ネットワークの充実」につきましては、「みずほの通り」など、基幹道路の整備を積極的に進めるとともに、東北自動車道の鹿沼インターチェンジと宇都宮インターチェンジの間での「スマートインターチェンジ設置」に向けた検討を進めてまいります。
 第6は、「都市の自治基盤を確立する」についてであります。
 まず、「市民主体のまちづくりの推進」につきましては、市民のまちづくり活動の拠点となる「地域コミュニティセンター」を、順次整備し、地域におけるまちづくり活動を支援してまいります。
 次に、「行政経営基盤の強化」につきましては、都市の求心力を高められる「都市イメージ」を確立するため、「宇都宮ブランドの確立」に向けた推進指針の策定などに取り組み、本市の魅力を全国にアピールしてまいります。
 次に、「市民の相互理解の促進」につきましては、父親として子育てを楽しむ「ファザーリング」の推進事業など、ワーク・ライフ・バランスを推進してまいります。

市政運営の執行体制

 最後に、平成20 年度の「執行体制について」でありますが、「第5次宇都宮市総合計画」に掲げます、大きな3つのまちづくりの目標を実現するため、効率的で効果的な執行体制を整備してまいります。
 はじめに、「組織機構」についてでありますが、地方分権が進展する中、北関東の中枢拠点都市であります本市の役割と責任は、ますます拡大しておりますとともに、少子高齢化への対応や確固たる行財政基盤の確立など、重要課題への迅速かつ的確な対応が求められておりますことから、トップマネジメント機能の充実・強化を図るため、副市長を2人としてまいります。
 次に、収入役につきましては、平成20年3月31日をもって、任期満了となりますことから、新たに「会計管理者」を設置してまいります。
 次に、次代の宇都宮を担う宮っ子たちが、希望を持ってすこやかに生まれ育つことができる社会、誰もが子どもを安心して生み育てることのできる社会の実現に向け、「子ども部」を設置してまいります。
 この「子ども部」には、少子化・次世代育成支援対策に係る総合的な政策立案などを担う「子ども未来課」、子育てに係る経済的支援や母子保健相談などを担う「子ども家庭課」、保育サービスの提供などを担う「保育課」を設置してまいります。
 次に、市政に関する情報を適切に報道機関に提供していく、いわゆるパブリシティ活動を担う「広報官」、また、情報漏洩の防止に向けた情報セキュリティの強化を担う「情報統括官」を、それぞれ総合政策部に設置してまいります。
 次に、効果的なごみの減量化の推進やごみ処理施設の効率的な整備・維持管理体制を整備するため、クリーンセンターを再編し、「廃棄物施設課」、「プラスチック資源化施設整備室」、「ごみ収集センター」を設置してまいります。
 次に、大谷地域などの特色ある地域資源を生かした産業振興策の構築を担う「地域産業振興担当」を経済部に、また、企業の社会的責任、いわゆるCSR活動の普及・啓発を担う「CSR担当」を商工振興課に、それぞれ設置してまいります。
 次に、本市南部の拠点であります「雀宮駅周辺地域」の整備を円滑に進めるため、「雀宮駅東口周辺整備室」を設置してまいります。
 次に、東部地域の防災拠点を整備するため、「東消防署」を設置するとともに、管轄区域の見直しにより、全市的な消防力の充実・強化を図ってまいります。
 次に、人材育成の上で最も重要な学校教育に関する支援機能や指導・統括機能を強化するため、学校担当の教育次長を参事職の「教育監」に再編してまいります。
 次に、平成20年度の「人員体制」についてでありますが、ごみ収集業務や浄水場の運転管理業務、小学校の給食調理業務などの委託を進めるとともに、事務事業の見直しなどに取り組むことにより、職員数の適正化に努めてまいります。
 このほか、自立的な政策立案能力の向上など、より一層の人材育成の強化を図るため、平成20年度は、新たに「環境省」に職員を派遣してまいります。
 以上、市政運営に関する私の所信の一端と、平成20年度当初予算案の大綱などにつきまして申し上げました。
 昨年12月に発表されました、「都市のサステナブル度」、いわゆる「都市の持続可能性の度合い」に関する民間調査結果によりますと、本市の総合評価は、人口50万以上の都市の中で第1位に評価されております。
 これは正に、先人たちから脈々と受け継がれてきた、まちづくりに対するたゆまぬ努力と創意工夫の賜物であると感じております。
 しかしながら、各自治体が互いに切磋琢磨しながら、持続的に発展するまちづくりに取り組んでいる中、私たちは、こうした結果に甘んずることなく、更に、より良き宇都宮の創造に向けて、本市の豊かさや活力などを引き続き高めていくための努力を積み重ねていかなければなりません。
 西洋での古くからの言葉に、「ノブレス・オブリージュ」、いわゆる、「力や立場を備えるものには、相応の社会的責任が伴う」という考え方を表したものがあります。
 将来の見通しが不透明な時代の中で、力や立場を備える、すなわち、高い自治能力と中枢性、そしてポテンシャルを備える本市は、このような気概を持って、本市の発展はもちろんのこと、より広域的な視点での発展も考えたまちづくりを進めていく必要があると考えております。
 そのために、第5次総合計画のスタートの年となる本年は、本市が、北関東の中枢拠点都市としてはもとより、首都圏の発展をけん引する都市、さらには、わが国の発展に大きく貢献する、確固とした存在感をもって輝き続ける都市となるための礎を築く幕開けの年にすべく、一身を投げ打って取り組んでいく所存であります。
 議員各位をはじめ、市民の皆様方には御理解と御協力を賜りますよう心からお願い申し上げます。

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総合政策部 政策審議室 計画行政グループ(市役所5階)
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