平成18年度施政方針

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ページID1002185  更新日 令和6年3月8日

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 平成18年第1回市議会定例会の開会に当たり、私の市政運営に対する所信の一端を申し上げるとともに、議案第20号から第38号までの平成18年度宇都宮市一般会計予算及び特別会計予算について、その大綱を御説明申し上げ、議員各位をはじめ、市民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。

市政運営の基本方針

 まず、私の市政運営の基本方針について、述べさせていただきます。
 昨今の情勢を見渡しますと、様々な分野で社会経済環境が大きく変化している中にあって、本市におきましては、今後も厳しい財政環境が見込まれる一方で、少子・高齢化の急速な進展や市民のライフスタイルの多様化などを背景に、行政ニーズはますます多岐にわたり、「子どもの健全育成」、「保健福祉の充実」、「防犯など地域の安全対策」、「中心市街地の活性化」、「産業・経済の活性化」などの行政課題が山積しております。
 私は、こうした行政課題に的確に対応しながら、本市が着実に発展を遂げていくためには、従来にも増して、市民・地域・企業・行政が一体となって、自らの責任において必要な方策を考え、決定し、実行する、真の意味での自治体の力量を備える必要があると考えております。
 本年は、市制110周年という節目を迎える年でありますが、本市が将来にわたって持続的に発展できる魅力と活力あるまちづくりを進めるに当たって、私は本年を、『「人間力・都市力」向上元年』と位置付け、私自身が強いリーダーシップを発揮しながら、全市一丸となり、英知を結集して、「市民一人ひとりが輝く、活力あふれる新しい宇都宮の創造」を実現していく所存であります。
 そのため、まず、本市の持つ地域特性や資源を最大限に生かすことができる、「人」や「もの」を大切にする心を持ち、体力・知力・感性・対人関係力など、自立した人間として力強く生きていくための総合的な力である「人間力」の高い人材の育成を進めてまいります。
 そのためには、私たちに最も身近でかけがえのない存在である「家族」や「友達・隣人」とのきずな、私たちの生活や活動の舞台となる「地域」とのきずな、本市に賑わいや活気をもたらす「お客様」とのきずな、更には、あらゆる生命の存在の源である「地球」とのきずなづくりを推進することが重要であると考えております。
 併せて、人間力を備えた人々が、それぞれの持つ力を十分に発揮できるよう、安全性・快適性などの住みよさ、文化・風格などの魅力、豊かさ、美しさ、楽しさなどを総合した力、いわゆる「都市力」を更に高めてまいります。
 そのためには、本市の顔である「都心部」はもとより、各「地域」の底力、都市の活力の礎となる「産業」の底力、そして、行政改革などによる本市の「行財政」の底力の向上に、今まで以上に力を注いでいかなければならないと考えております。
 このような認識のもと、「平成18年度の市政運営の基本的な考え方」につきまして、述べさせていただきます。
 まず第1は、「人間力の向上のための取組の推進」であります。
 まちが輝き、発展し続けていくための原点は正に「人」であり、誰もが夢を持ち、自己実現を図ることのできる明るい社会を築いていくためには、市民一人ひとりが、人や社会との基本的な関係やきずなを再認識することにより、「人間力」を向上させていくことが不可欠であります。
 そのためには、まず、人間形成の基盤である「家庭」において、健やかな心身を育み、生きていく上での基礎的な力を身につけていくことが大切であります。そのため、家族とのふれあいや対話を通して対人関係力や社会性の基礎を培い、「家族とのきずな」づくりを進めていくとともに、特に、生きる上での基本である「食」を通して人を育てる「食育」を、全市を挙げて推進してまいります。
 また、様々な人と関わりながら社会の一員として生きていくためには、同世代や異世代、同じ目的を持つ者同士などが、交流・協力し合う中で、協調性や思いやり・助け合いの心を育むことが重要であると考えております。そのため、「児童の健全育成のための環境づくり」や「子育て支援機能の充実」、青少年の社会性や自主性を育む「居場所づくり」など、「友達・隣人とのきずな」づくりを進めてまいります。
 また、人々が住み慣れた地域において、安全に、安心して、快適に暮らせるまちづくりを進めるためには、様々な知識や経験を有する人材など地域の力を結集し、地域住民や企業、行政が連携・協力しながら取り組むことが必要であります。そのため、「地域主体の安全確保対策への支援の充実」や、「地域と学校が連携した魅力ある学校づくり」、地域の大人たちの力を結集して子どもを育てるとともに自らも学ぶ「地域の教育力の向上」など、「地域とのきずな」づくりを進めてまいります。
 また、今後、更に進行する少子・高齢、人口減少社会の中でも、本市が活気にあふれ、持続的に発展していくためには、多くのお客様に本市を訪れていただくことにより交流人口を増やし、賑わいを創り出していくことが不可欠であります。そのため、本市を訪れるお客様を感謝の心でお迎えする「おもてなし」の向上を目指し、民間と行政が連携しながら、「おもてなし運動」に取り組むなど、「お客様とのきずな」づくりを進めてまいります。
 また、すべての生命の源である美しい地球を守り、次の時代に引き継いでいくためには、まずは日常の生活や活動の中でできる身近な取組を実践することが必要であります。そのため、すべてのものを大切にする「もったいない」の精神に基づき、「廃棄物の発生抑制・再利用・再生利用」のための意識啓発や、本市としての「地球温暖化防止対策」を計画的に推進するなど、「地球とのきずな」づくりを進めてまいります。
 第2は、「活気と賑わいのあるまちづくりの推進」であります。
 新たな時代を切り拓き、将来にわたって本市が着実に発展し続けていくためには、人・もの・情報・文化が集うまちの魅力づくりや、それらが活発に交流する機会や場の創出とともに、地域経済を発展させ、都市の活力を高めていく産業の育成が必要であります。
 そのためには、まず、本市はもとより県都の顔としてふさわしい、賑わいと風格のある、都心部づくりが重要であります。そのため、広域交流機能や交通結節機能など、高次な都市機能を備えた「JR宇都宮駅東口地区」の整備に着実に取り組むとともに、「馬場通り中央地区」や「馬場通り西地区」における市街地再開発事業が円滑に進むよう支援してまいります。
 また、多くの人々が集い、楽しくまちなかを回遊できるよう、「宇都宮城址公園」や「109宇都宮」跡地、「二荒山神社前広場」などの拠点整備などを進めるとともに、お客様が満足し、また来てみたいと思っていただけるよう、本市の地域資源を生かした「都市観光」を推進するなど、ハード・ソフト両面から「都心部の底力」を向上させてまいります。
 また、本市全体の発展のためには、都心部のみならず周辺地域が、共に発展していくことが必要であり、そのためには、「自分たちの地域は自分たちで創る」ことを基本に、市民協働により、自主的・自立的な地域づくりを進めていくことが重要であります。そのため、より身近な場所での行政サービスの展開や地域まちづくり組織の支援など、地区市民センターの機能を強化することなどにより、「地区行政」をより一層推進するとともに、特に雀宮地区におきましては、「雀宮駅周辺地域」において、宇都宮工業高校の移転に合わせて、「図書館整備」や「駅周辺の整備」など、本市の南部地域の拠点にふさわしい整備を進めるなど、「地域の底力」を向上させてまいります。
 また、都市の活力を維持・向上させるには、商・工・農の産業全体が特色を持ちながら、バランス良く発展していくことが不可欠であります。そのため、商業面では、商店街の集客力を高め、賑わいを創出できるよう、商店街が主体となった取組を支援するとともに、工業面では、航空宇宙、自動車、ロボット関連産業などの「次世代モビリティ産業」の集積促進に向け取り組んでまいります。
 また、農業面では、消費者を意識すること、戦略的な農業を展開すること、これらを重点的にとらえながら、「担い手の育成・確保」や「集落営農の組織化」、「都市との交流による農村の活性化」を進めるなど、「産業の底力」を向上させてまいります。
 また、地域の発展や産業の底力を支えるとともに、超高齢社会の到来や地球環境に、一層配慮したまちづくりを進めるためには、機能的な公共交通ネットワークの形成が必要となります。そのため、LRTの導入に向け、社会実験に取り組むほか、生活交通の確保に向けた取組を進めるなど、「総合的な公共交通体系の整備」を推進してまいります。
 また、まちづくりを着実に進めていくためには、厳しい財政環境が見込まれる中にあっても、行政ニーズに的確かつ迅速に対応できる弾力的な行財政運営が不可欠であります。そのため、自主財源の確保や財源配分の選択と集中により、健全財政を堅持するとともに、「行財政改革」により、スピードと成果を重視した、市民に満足いただけるサービスの提供に努めるなど、「行財政の底力」を向上させてまいります。
 また、「市町合併」につきましては、宇都宮を中心とした圏域全体の持続的発展が本市の発展につながるという基本認識のもと、政令指定都市も視野に入れ、河内町との合併協議に向けて、具体的に意見交換を行ってまいります。

予算編成の基本方針

 次に、平成18年度の「予算編成の基本的な考え方」につきまして、御説明申し上げます。
 まず、地方公共団体の予算編成に影響を及ぼす国の予算案につきましては、「三位一体の改革」の総仕上げとして位置付けられ、公共投資関係費などについて厳しく抑制するとともに、義務的経費についても、制度などの抜本的な見直しを行い、厳しく抑制を図った結果、一般会計の規模は、前年度比3.0パーセントの減となったところであります。
 また、「地方財政計画」では、法人税などの国税の伸びが見込まれるものの、公債費が高い水準で推移することなどにより、依然として大幅な財源不足が生じるものと見込んでおり、国と歩調を合わせて、歳出を見直すこととし、給与関係経費や地方単独事業費の抑制により、歳入歳出規模は、前年度比0.7パーセントの減となったところであります。
 このような中、本市の財政につきましては、市税収入の伸びが見込めるものの、「三位一体の改革」に伴い、国庫補助負担金が減少するとともに、児童手当や生活保護費などの扶助費の増に加え、国民健康保険などの給付費が増加するなど、極めて厳しい状況となっております。このため、新年度の予算編成に当たりましては、将来に負の遺産を残さないなど、健全財政の維持を基本に、収納対策の強化による市民負担の公平性の確保や行財政改革の推進、さらには、スクラップ・アンド・ビルドの徹底などにより、限りある財源を効果的・効率的に活用しながら、直面する緊急かつ重要な課題を解決するための各種施策・事業に取り組んだところであります。
 このような基本的な考え方のもとに編成いたしました平成18年度の一般会計当初予算案は、前年度当初予算額1,490億400万円に対しまして、0.2パーセント増の1,493億円を計上いたしました。
 その概要でありますが、まず、歳入におきまして、税制改正による個人市民税や企業業績の向上による法人市民税の増収など、市税収入の増が見込める一方で、「三位一体の改革」により、国庫支出金などが減額となったところでありますが、財政調整基金などの活用により、一般財源の確保に努めたところであります。
 また、歳出におきましては、平成17年度に引き続き「療育拠点施設・西部保育園の整備」を行うとともに、新たに「宇都宮駅東西自由通路の整備」に着手するほか、防犯対策の推進や教育環境の充実、さらには、中心市街地の活性化などに向けた経費を計上したところであります。
 次に、主な特別会計についてでありますが、まず、国民健康保険特別会計につきましては、給付件数の増加などに伴い、保険給付費などが増加することから、予算額は前年度比4.6パーセント増の386億円余を計上いたしました。
 また、介護保険特別会計につきましては、認定者の増加などに伴い、保険給付費が増加するとともに、制度改正に伴い、新たに介護予防事業などの地域支援事業を実施することから、予算額は前年度比8.1パーセント増の180億円余を計上いたしました。
 競輪特別会計につきましては、特別競輪の開催に伴い、事業費が増加することから、予算額は前年度比45.3パーセント増の289億円余を計上いたしました。
 宇都宮駅東口土地区画整理事業特別会計につきましては、事業の本格化に伴い、土地区画整理事業費が増加することから、予算額は前年度比111.6パーセント増の8億円余を計上いたしました。
 土地取得事業特別会計につきましては、市債の元金償還額の増加に伴い、公債費が増加することから、予算額は前年度比599.2パーセント増の6億円余を計上いたしました。
 水道事業会計につきましては、建設改良費が減少したことなどから、予算額は前年度比4.2パーセント減の173億円余を計上いたしました。
 最後に、下水道事業会計につきましては、支払利息が減少したことなどから、予算額は前年度比0.8パーセント減の212億円余を計上いたしました。
 この結果、特別会計の合計は1,638億5,790万4千円となり、一般会計と特別会計を合わせた予算の総額は、前年度の当初予算総額2,998億1,451万7千円に対しまして、4.5パーセント増の3,131億5,790万4千円を計上したところであります。

主要な施策

 次に、平成18年度の「主要な施策」につきまして、「第4次総合計画改定基本計画」の施策の体系に基づき、その概要を御説明いたします。
 第1は、『都市自治を確立する』についてであります。
 まず、「市民の主体的なまちづくりを推進する」につきましては、平成18年度の市制110周年を、全市を挙げて祝い、まちづくりについて考え、将来への夢や希望を育む契機として、一年を通して、様々な記念事業を実施してまいります。
 また、自治会活動の促進や地域コミュニティの形成を図るため、従来の地域集会所等建設費補助額の充実に加え、建設が困難な自治会に対しまして、賃貸などにより集会所が確保できるよう、新たに、「家賃補助制度」を創設してまいります。
 また、「特色ある地域づくり」を目指し、市内37のそれぞれの地域が個性や特色のある地域づくり事業などを展開するための支援を行ってまいります。
 次に、「市民と協働のまちづくりを推進する」につきましては、「安全で安心なまちづくり」を推進するため、通学路など地域の安全・安心診断の実施や、警察官OBを配置しての防犯パトロールの強化、防犯対策の支援窓口の設置などを行うとともに、通学路の安全を確保するため、全中学校区に「スクールガードリーダー」を配置してまいります。
 次に、「都市経営基盤を確立する」につきましては、本市のまちづくりの指針、市政運営の基本となる「第5次総合計画」の策定を進めるとともに、本市の自治の理念や市政運営の基本原則などを定める「自治基本条例」の制定に向けて、市民とともに検討を深めてまいります。
 また、行財政運営において自主財源の確保は、大変、重要なことでありますことから、新たに、庁舎及び公用車への「民間広告の導入」を図り、収入の確保に努めてまいります。
 次に、「都市連携を強化する」につきましては、課題案件の整理や方針策定など、「市町合併」について協議を進めてまいります。
 第2は、『個性と創造性を育むまちづくり』についてであります。
 まず、「生涯学習を推進する」につきましては、宇都宮工業高校の移転に合わせ、雀宮駅東口地区における「第3図書館」の整備に取り組むほか、地域教育力の向上を図るため、地域が一体となり、力を結集して、子どもたちを健全に育成するための仕組みづくりに取り組んでまいります。
 また、図書館の本を学校においても利用できるような体制を整えるとともに、子どもたちが本に興味を持ち、本に親しめるよう、読書相談や本の紹介、魅力ある学校図書館づくりを行う、専任の司書を全小・中学校へ配置してまいります。
 次に、「学校教育を充実する」につきましては、地域と連携し、信頼と魅力のある学校となるよう、「魅力ある学校づくり地域協議会」の設置に取り組んでまいります。
 また、「習熟度別学習」や「学習内容定着度調査」、さらには、児童生徒の学習意欲や、家庭での食事や睡眠時間などの「学習及び生活の意識調査」を実施し、児童生徒の学力向上を図ってまいります。
 また、城山西小学校と清原北小学校の2校におきまして、平成17年度に引き続き、「小規模特認校制度」を実施してまいります。
 また、地震発生時において、児童生徒の安全性を確保するとともに、地域住民の避難場所となります「小・中学校の耐震化事業」に取り組んでまいります。
 次に、「市民文化を振興する」につきましては、ふるさと宇都宮において、守り、伝えられてきた民俗芸能、伝統行事などの継承に取り組んでまいります。
 次に、「生涯スポーツを推進する」につきましては、インターハイをはじめとする各種大会の開催が予定されております「スケートセンター」に、観客席を設置し、スポーツ環境の整備に努めてまいります。
 次に、「健全な青少年を育成する」につきましては、今日的な課題であります「ニート対策」をはじめ、地域や中心市街地における「青少年の居場所づくり」に取り組んでまいります。
 次に、「男女共同参画社会を実現する」につきましては、女性を配偶者などの暴力から守るため、警察や県、民生委員など、関係機関とのネットワークの構築や、専用の「女性相談室」の設置などを行うほか、誰もが、その個性と能力を発揮でき、生き生きと暮らせる男女共同参画社会の構築に向け、「市民意識調査」の実施や「全国都市会議」の開催などを行ってまいります。
 第3は、『健康で幸せなまちづくり』についてであります。
 まず、「保健・医療を充実する」につきましては、家庭や地域、学校、生産者、企業、行政などが連携・協力しながら、健全な心身を培い、豊かな人間性を育む「食育」の推進に取り組んでまいります。
 また、「自動体外式除細動器 AED」を、多数の市民が利用する文化施設や体育施設などに、新たに45台設置してまいります。
 次に、「地域福祉を推進する」につきましては、高齢者や障がい者、子どもたちなど、すべての市民が、住み慣れた地域で、安心して、生き生きと暮らせるよう、「やさしさをはぐくむ福祉のまちづくり推進計画」を策定してまいります。
 次に、「高齢者福祉を充実する」につきましては、介護保険制度の改正に合わせて、新たに設置される「地域包括支援センター」を中心に、「介護予防事業」も含めた各種事業を一体的に実施するなど、高齢者が、生き生きと、住み慣れた地域で生活が送れるよう、在宅福祉サービスの充実に努めてまいります。
 次に、「障がい者福祉を充実する」につきましては、障がい者が必要なサービスを利用しながら、安心して生活ができるよう、権利擁護など、必要な地域生活支援の方策を検討してまいります。
 また、幼児期から、継続的かつ一貫性のある相談・支援機能を充実するとともに、障がいの重複化や多様化に対応した「療育拠点施設」を、「西部地区保育園」との合築により、平成19年度の開園を目指して、取り組んでまいります。
 また、従来の知的障がい者施設での放課後預かり事業に加え、これまで保護者会に支援していた「のざわ養護学校」の放課後預かり事業を、新年度からは、市が実施主体として取り組んでまいります。
 次に、「児童福祉を充実する」につきましては、子どもの豊かな感性と創造性を育み、心身の健全な育成を図るための拠点施設として、各種の育成機能を備えた、「子どもセンター」の整備に取り組んでまいります。
 また、疾病の早期発見、早期治療を促進するとともに、保護者の負担軽減を図るため、県と同一歩調で、小学3年生までの通院費及び入院費を助成するとともに、3歳未満の幼児につきましては、医療機関での自己負担の支払いを必要としない現物給付を行い、さらには、本市独自の制度として、小学4年生から6年生までの入院費の助成を実施してまいります。
 また、3歳児の健康診査以降、集団生活の中で明らかになる軽度発達障がいなどについて、早期発見や適切な対応を図るため、「5歳児発達相談事業」を市内の全ての保育園、幼稚園での実施に向けて取り組んでまいります。
 第4は、『安全で快適なまちづくり』についてであります。
 まず、「美しい都市景観をつくる」につきましては、公共施設や文化施設などを、分かりやすく案内するとともに、まちなかを楽しく散策するための「都心部景観サイン」を整備してまいります。
 次に、「災害に強い都市をつくる」につきましては、東部地区における消防力の充実・強化を図るため、平成20年度の開署に向けて、「東消防署」を整備してまいります。
 次に、「環境にやさしいまちづくりを推進する」につきましては、人やものを大切に思うこころを育む、「もったいない」の精神についての意識啓発や、学校間において物品の共有化に取り組み、楽器などの有効活用など、「もったいないうつのみや推進事業」に取り組んでまいります。
 次に、「生活衛生を向上する」につきましては、平成20年度の供用開始を目指して、用地取得を進めるとともに、本市初のPFI事業として「新斎場の整備」を進めてまいります。
 次に、「緑豊かなまちをつくる」につきましては、史実に基づいた宇都宮城の復元を図り、本市の新たなシンボルとして、魅力ある公園とするため、市制110周年となる平成18年度末のオープンに向けて、「宇都宮城址公園」を整備してまいります。
 次に、「ゆとりある住生活を実現する」につきましては、中心市街地への居住促進を図るため、平成17年度に引き続き、40歳未満の若年夫婦世帯に対し、家賃の一部を助成してまいります。
 次に、「人にやさしいみちづくりを推進する」につきましては、道路の新設改良や自転車道路の整備のほか、都心部道路景観の整備を進めてまいります。
 次に、「上水道を安定供給する」につきましては、「未給水地域の解消」に向けて、第6期水道拡張事業を進めるほか、安全で良質な水の安定供給を推進してまいります。
 次に、「下水を適切に処理する」につきましては、「公共下水道」や「特定環境保全公共下水道」の整備を進め、生活排水を適正に処理するとともに、浸水被害の解消に向けて、「雨水対策」にも取り組んでまいります。
 第5は、『豊かさと活力のあるまちづくり』についてであります。
 まず、「商業・サービス業を振興する」につきましては、「オリオン通りの再生」に向けて、国の「タウンマネージャー派遣事業」を活用し、賑わいと活気の回復を目指し、魅力ある商店街づくりに取り組んでまいります。
 次に、「工鉱業を振興する」につきましては、企業立地への補助の限度額を、これまでの1億円から2億円に拡大するとともに、増設に伴う土地、建物、設備の拡大に対する補助を創設するなど、産業基盤の充実を図ってまいります。
 次に、「農林業を振興する」につきましては、地域内で生産される農産物を利用した特産品づくりや、農産物の加工・流通・販売等に地域が一体となって取り組むために必要な「農産加工施設」の整備への助成をしてまいります。
 次に、「観光を振興する」につきましては、本市を訪れるお客さまなどを、心をこめてお迎えし、本市のイメージアップを図り、リピーターや新たなお客さまの増加につながるよう、全市をあげて「おもてなし運動」を進めてまいります。
 また、都市観光を推進するため、地場産業や伝統工芸、ものづくり達人など、本市の持つ、まちなかの観光資源を公開し、体験できるよう、店舗などの改装費用の助成をしてまいります。
 第6は、『機能的で秩序あるまちづくり』であります。
 まず、「総合的な交通体系を確立する」につきましては、関係機関と連携を図りながら、大通りのトランジットモール化など、LRTの導入に当たっての交通の変化や周囲への影響などを検証する「社会実験」に取り組むとともに、県と連携しながら、総合的な公共交通ネットワーク形成に向けた「都市交通戦略」の策定に取り組んでまいります。
 次に、「市街地整備を推進する」につきましては、本市の新たな都市拠点として、県都の玄関口にふさわしい「宇都宮駅東口地区」の整備を推進するため、東西自由通路の工事などに取り組むとともに、本市南部の都市拠点としてふさわしい「雀宮駅周辺地域」の整備を推進するため、宇都宮工業高校の移転とともに、各種施設の一体的な整備に向け、駅周辺関連施設の設計などを実施してまいります。
 また、都市の魅力と風格を高め、賑わいのある都心部再生を目指し、引き続き、「馬場通り中央地区」の再開発事業に取り組むほか、新たに、「馬場通り西地区」、「宇都宮駅西口第四B地区」の再開発事業に取り組んでまいります。
 さらに、回遊性の向上や賑わいの創出を図るため、109宇都宮跡地を各種イベントの会場や、人が集い、賑わう拠点広場として整備するほか、「駅東地区」、「鶴田地区」など、各地区の土地区画整理事業を推進し、市街地の整備を計画的・段階的に進めてまいります。

市政運営の執行体制

 最後に、平成18年度の「執行体制について」でありますが、依然として厳しい行財政状況の中、人間力の向上や活気と賑わいのあるまちづくりなど、重要な行政課題に的確に対応するため、最少の資源で最大の効果を発揮できるよう執行体制を整備してまいります。
 はじめに、「組織機構」についてでありますが、「農業」、「商業」、「工業」及び「観光」などの既存の産業分野にとらわれない、産業経済全体の総合的な振興策の展開を図るとともに、生産から消費に至るまで、一貫して消費者の視点を重視した、戦略的な「農業」を展開するなど、産業構造の変化や新たな行政課題に迅速かつ柔軟に対応するため、「商工部」と「農務部」を再編し、新たに「経済部」を設置いたします。
 この「経済部」におきましては、産業政策の立案や新事業の創出などを担う「産業政策課」を筆頭に、商業や工業の振興、中小企業の経営基盤の強化などを担う「商工振興課」、都市観光の推進や農業・農村ふれあい交流の推進などを担う「観光交流課」、生産性や収益性の高い農業の確立、担い手の育成などを担う「農業振興課」、土地基盤の整備や森林資源の保全などを担う「農村整備課」の5課を新たに設置してまいります。
 また、LRTの早期導入に向けて、県との連携を図りながら、事業運営主体の設立や都市計画決定に向けた準備などを担うため、新たに「LRT導入推進室」を「総合政策部」に設置してまいります。
 また、児童生徒に対する食育の推進やアレルギー対策などの充実を図り、これまで以上に学校において健康教育を推進するため、新たに「学校健康課」を「教育委員会事務局」に設置してまいります。
 次に、平成18年度の「人員体制」につきましては、「外部委託の推進に関する指針」で示した「民間でできることは民間で」との考え方を踏まえ、小学校やちとせ寮などの給食調理業務、下水処理場における機械操作業務など、現業業務の民間委託を積極的に進め、職員数の縮減に努めてまいります。
 また、現在、直営で管理運営を行っている、北山霊園につきましても、民間の経営手法を取り入れながら、多様化する市民ニーズに効率的かつ効果的に対応するため、新たに「指定管理者制度」を活用してまいります。
 このほか、本市が抱える多様な行政課題に対して、的確に対応していくためには、人材育成のより一層の強化が重要でありますことから、平成18年度は新たに「内閣府」や「文部科学省」などに職員を派遣することにより、地方分権時代の自治体職員としてふさわしい、政策形成能力の向上を図ってまいります。
 以上、市政運営に関する私の所信の一端と、平成18年度予算案の大綱等について申し上げました。
 これらの施策・事業を、進取の精神をもって着実に推進することにより、「人間力」と「都市力」という「チカラ」を併せ持った、「チカラもち宇都宮」を築き、誰もが幸せを感じられ、後々の世代も誇れるような、北関東の中枢拠点都市としての揺るぎない地位と存在感を確立していく所存であります。
 議員各位をはじめ、市民の皆様方の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。

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