令和3年1月LRT事業に関する臨時記者会見

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ページID1026205  更新日 令和6年3月8日

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(注意)このページは、定例記者会見のもようを広報広聴課がまとめたものです。

日時・会場

令和3年1月25日(月曜日)午後1時30分から
宇都宮市役所3階・特別会議室

発表事項

 本日は、急きょお集まりいただき、誠にありがとうございます。
それでは「芳賀・宇都宮LRT事業の進捗状況等」につきまして、ご説明いたします。

 LRTにつきましては、「NCC」の形成を支える総合的な公共交通ネットワークの要として、必要不可欠な都市の装置でありますことから、「今を生きる市民・未来を生きる市民が豊かで幸せに生活できるまち」の実現に向けまして、国や県のご指導・ご支援を賜りながら、芳賀町及び、宇都宮ライトレール株式会社と連携を図り、その整備に取り組んでいるところであります。
 このような中、「芳賀・宇都宮LRT事業」につきましては、これまで、事業用地の引渡しが完了した箇所から順次、各種工事に着手してきたところでありますが、今般の新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響などにより、事業用地の取得に時間を要しており、目標である令和4年3月の開業につきましては、1年程度遅れる見通しであります。今後は、令和5年3月の開業を目指し、軌道工事などの各種工事に取り組んでまいります。
 この開業時期の延伸に伴い、宇都宮ライトレール株式会社におきましては、人件費などの開業前経費が、5億円程度増加する見込みとなっており、この費用につきましては、軌道施設の整備が遅れることにより、生じるものでありますことから、本市と芳賀町におきまして、負担する必要があると考えているところであります。また、現行の資金計画である資本金4.9億円から資本金10億円までの増資につきましては、宇都宮ライトレール株式会社におきまして、今後、各株主と調整を図り、新年度に実施する予定であります。
 次に、LRT事業の概算事業費につきましては、今年度、本市初となるレールの敷設をはじめ、停留場の整備や車両の製造に着手するなど、全ての工種における工事等の出来高を、把握することが可能になりましたことから、これらの実績を踏まえ、本市概算事業費、約412億円を精査してきたところ、現地の施工条件等への対応や、建設需要の増加などの 社会情勢の変化、安全性・利便性の向上などから、約191億円の増加となり、約603億円となる見込みであります。
 LRT車両につきましては、今年度から 車両製造に着手し、今年度末を目途に、1編成目の納入を目指してきたところでありますが、新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、一部の外国製部品の調達が遅れている状況であり、1編成目の納入時期が2カ月程度遅れる見通しであります。
 芳賀・宇都宮LRT事業につきましては、 開業時期が1年程度遅れることとなりますが、開業を心待ちにしていただいている多くの市民の皆様のご期待に応えられるよう今後とも、関係機関のご協力をいただきながら、その早期実現に向けまして全力で取り組んでまいります。

資料

質疑事項

概算事業費の精査と開業時期の見通しについて

記者 1月に事業費及び時期の見直しに係る報告を受け、どのように考えたか伺う。
市長 LRT事業の概算事業費の発表時に、事業費については変更があるものと説明を受けていましたが、確定した金額は1月に聞きました。増減はあるものと聞いてはいましたが、大きな金額であると認識しています。また、開業を心待ちにしていた人も多くいらっしゃるので、開業時期が1年延期になることについて、これからしっかりと説明をしていかなくてはならないと思います。
記者 見通しが甘かったという意見もあるが、市長の考えを伺う。
市長 業務を間違ったわけでも、見通しが甘かったわけでもなく、予想外の対応をしなくてはならないということだと思います。説明を聞いたところ、職員が見積りを誤ったわけでもなく、必要ない工事を計上したわけでもありません。事業費については、切り詰めたり調整したり、努力はしたのだと思います。
記者 もう少し精度の高いものをもっと前に出すことは難しかったのか伺う。
市長 事業は多岐に渡り、数も多くあります。発注前の段階など、ある程度形が見えてこないと予想がつきません。事業の全体像が見えてくるのを待つと、こういう時期になってしまうのだと思いました。
記者 市民に向けた言葉を伺う。 
市長 新聞報道などもしていただいて、期待する方がたくさんいたことがすぐに分かりました。期待していただいている方には、開業時期が1年も遅れることを、本当に申し訳ないと思っています。事業費が大きく変わってしまったことについて、ひとつひとつの理由としては、止むを得ないものであると思いますが、だからといって、これで良しとするわけにはいきません。これから残りの事業を執行するにあたっても、厳しく丁寧に行っていきたいと思います。

開業時期の延期について

記者 1年の延期ということだが、根拠があってのことかを伺う。
市長 現場から1年遅れることを聞き、どのように進めていくか具体的な内容も聞きました。何とか1年で完成させるよう、しっかりと取り組んでいかなければならないと思います。今のところ幸いに、未契約の地権者全ての方とお会いして、話を詰めることができていますので、建設部一丸となって、全力を挙げて、対応していかなければならないと思います。
記者 JR宇都宮駅東口のシティホテルの整備や、新アリーナの建設構想など、他事業への影響について伺う。
市長 現時点では、他事業へのしわ寄せは考えられませんし、出てきてもいません。もし、このままLRTの整備を続行できないということになれば、大きな影響を与えるものと考えています。

概算事業費について

記者 ここまでの大きな金額の変更は想定していなかったのか伺う。
市長 常日頃、LRT以外にも大きな事業については、変更はあるものですが、大きな数字だと思いました。内容の内訳に係る説明を受けましたが、ひとつずつ説明を受け、致し方ないと感想を持ちました。
記者 増額については、仕方がないという認識か伺う。
市長 簡単な言葉で表現はすることはできません。説明を受けた内容を繰り返し読み、私自身の中で整理をしましたが、何とかこれをクリアしていかなくてはなりません。もちろん、これから発注するものありますので、事業費を下げられるよう、努力していかなくてはなりませんし、これから先のことを考えています。 
記者 以前、市長に取材をした際に、私から事業費の増加が見込まれるのではないかと伝えたが、その時点で担当課へ精査の指示しなかったのか。
市長 事業費の精査については、それより前の夏頃に、全ての事業において、金額だけでなく事業の遅れについても、新型コロナウイルス感染症の影響について考えるよう、全ての部署に指示しました。11月に副市長に確認したところ、事業の詳細について、精査しているということでした
記者 概算事業費の412億円は、平成26年の積算であって、増減がないことを疑問に思わなかったか伺う。
市長 概算事業費の発表時に、このような大型事業については、事業費に増減があるものと説明を受けていました。
記者 年末に芳賀町長と会った際、芳賀町の事業費増の可能性を聞いたということだが、宇都宮市の増額も考えなかったか伺う。
市長 本市から芳賀町に派遣している職員の激励のため、12月に芳賀町役場に伺いました。芳賀町長ともお会いすることができ、町長からはLRT事業について、精査を開始したと伺いましたが、事業費については伺っていません。本市でも精査をしていましたので、両市町で精査中なのだと思いました。
記者 実施設計について、今後、増額する可能性はあるのか。
LRT整備課 現在、出している金額については、今後、発注していくものも、現在の状況を踏まえて積算した結果になります。また、改めて発注段階において、設計書を積算していきます。
記者 費用の半分は国からの支援を見込んでいるが、現状の見通しについて伺う。
市長 これから芳賀町長とも協議を進めていきますが、国には、何としても今まで通りの割合で支援をしていただくよう、お願いしていきたいと思っています。
記者 仮に国の支援が得られなければ、市民に負担を強いることも想定されるが、どのように考えているか伺う。
市長 少しでも、市や町にとって、財政負担が大きくならないようにしなければなりません。市長と町長でしっかりと責任を持ち、県のお力も借りながら、国に対して、また、いろいろな方々と交渉していきたいと思います。
記者 事業費の増額による財政への影響をどのように考えているか伺う。
市長 公債費負担比率等を見ても、十分に対応できる状況ですが、他の事業もしっかりと進めていくうえで、より姿勢を厳しくして、財政運営をしていかなくてはならないと考えています。
記者 議員協議会では、2人の議員が住民投票の必要性について質問していた。これまで3回否決されたが、整備費の増額により、改めて、住民の声を聴く考えはあるのか伺う。
市長 議員からは、市民の皆様によく説明するよう、指摘を受けました。LRT事業については、定期的に広報紙に掲載し、ユーチューブでは動画で紹介するなどしてきましたが、今後、広報紙の政策特集なども活用して、説明していきます。また、ベルモールに開設している「交通未来都市うつのみやオープンスクエア」では、スタッフが、LRT事業について、対面で説明してきましたので、本日から、説明できるようにしていきます。住民投票については、今まで通り考えは変わりません。宇都宮市では、議会に説明し、議会の中で粛々と進めていきたいと思います。

市長への報告について

記者 宇都宮市は、12月末に両副市長、1月に市長が報告を受けたということだが、芳賀町長は、12月には担当課から事業費の増額を聞いて、内容を精査するよう指示し、1月に確定した額を聞いたということである。市長は、1月になるまで、担当課から何も聞かされていなかったのか伺う。
市長 事業費の増減があることは聞いていました。増額するものもあれば、減額するものもあり、事業内容を精査したうえで、報告すると聞いていました。建設部において、事業費が確定し、説明を受けたのが1月14日になります。
記者 事業費の増減と開業の延長について、12月議会で回答すべきではなかったか。
建設部長 11月から精査を始めており、議会答弁の時期も精査中で、内容について、確定していませんでした。また、事業費は正確な金額を公表しなければなりません。全体をきちんと見渡せる正確な数字が出せるまでの期間を精査中としています。
記者 12月に副市長に報告しているが、市長への報告が1月になったことについて伺う。
建設部長 12月に概略が見えたので、第一報として副市長に報告しました。市長への報告にあたっては、庁内で意思決定をしなければならず、段階を経て、1月に市長を交えた協議を行いました。
記者 ある程度、費用が増えると分かった段階で市長に報告すべきだと思われるが、確定した情報しか報告できないのはなぜか伺う。
建設部長 重要な案件であることから、市長には正確な情報を伝えるべきであり、途中の段階での報告は時期尚早だと判断しました。
記者 11月の市長選では、LRT事業は争点のひとつでもあり、LRT事業費の大幅な増額に係る報告がなかったのは、職員が市長に忖度をしたという多選の弊害ではないのか。
市長 報告を受けた時期については、精査した内容が確定してからということで、この時期になったのだと思いますので、私としては、受け入れなければならないと考えています。報告内容については、確定した事業費と増減理由、そして、今後どう対応するかということを、数値や具体例で示してもらったので、納得しました。 
記者 市長選前の定例記者会見において、市長は、事実でないことについては、きちんと意見をしていかなくてはならないと話していた。対立候補は、LRTの建設費は概算事業費の412億円以上かかると主張していたが、なぜ意見しなかったのか。
市長 今回の選挙における討論会などでは、LRT整備事業費について、明確には出てきませんでした。対立候補の方の、宇都宮市分の概算事業費についての話は、一度聞かせてもらったことはありますが、それ以外は、選挙前も選挙中にも聞いていません。どれくらい増額するとか、これくらいの事業費になると予期していたとか、そのような話は聞いていません。
記者 LRTが宇都宮市に不可欠な事業だと考えるならば、市民にある程度、正確な情報を伝えた上で選挙戦に臨むべきと考える。また、仮に200億円近い事業費の増額が選挙前に明らかになっていたら、選挙戦の結果も違っていたと思われるが、どのような認識か伺う。
市長 事業費については、精査中ということでしたので、重ねて問うことはしませんでした。選挙の結果について、仮定の話は推測できないので、何とも言えません。

需要予測について

記者 すでにLRTの需要予測や中期見通しを出していると思うが、費用が増えたことによって、再度検証する考えはあるか。
市長 もちろん、考えていく必要があると思います。
LRT企画課長 今回の事業費増額に伴い、効果の検証は、必要になるものと認識しています。LRTの開業を見越した高層マンションの建設や沿線開発のプロジェクトも進んでおり、沿線人口の増加や地価の上昇も見受けられます。このような状況も踏まえて、これから効果を含めて検証をしていきたいと考えています。

宇都宮ライトレール株式会社の開業前経費について

記者 宇都宮ライトレール株式会社の開業前経費が5億円程増額になるが、宇都宮市と芳賀町の負担割合はどのようになるのか。
LRT企画課長 整備延長で負担割合を算出するということで協議を進めています。宇都宮市が12.1kmで82.88%、芳賀町が2.5kmになりまして、17.12%ということで、芳賀町と調整しているところです。

 

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