結核

Xでポスト
フェイスブックでシェア
ラインでシェア

ページID1004514  更新日 令和6年4月3日

印刷 大きな文字で印刷

結核は日本と世界の重大な感染症です

 結核は、昔の病気と思われがちですが、今でも新たに結核を発病した患者がいる、わが国の重大な感染症となっています(令和4年に結核を発病した患者数は全国で10,235人)。
 しかしながら、結核は注意をしていればそれほど怖がる必要はありません。まずは結核について正しく理解しましょう。

1 結核ってどんな病気?

 結核とは、結核菌によって主に肺に炎症を起こす病気です。結核菌は重症の結核患者の咳やくしゃみで飛び散り、それを周りの人が吸い込むことで感染します。(空気感染)
 現在日本の結核は、外国出生者などの若い世代にも患者が増えている、高齢化が進んでいるなどといった特徴があります。
 特に高齢者は、若いころに結核の流行を経験し、すでに感染している人が多く、体力や抵抗力が低下したときに、眠っていた結核菌が目を覚まして発病するケースが増えています。市の結核患者新規登録者の年齢を見ても、70歳以上が半数以上を占めており、高齢者は特に注意が必要な病気です。

2 感染と発病の違いは?

 結核菌を吸い込んでも(感染しても)、生涯のうちで実際に発病するのは、10人に1~2人程度で、全員が結核を発病するわけではありません。
 体の免疫の働きによって、結核菌の増殖が抑えられている場合は発病しません。しかし結核菌はしぶとい菌なので、免疫の力だけでは菌を完全に殺すことはできません。そのため、体内に残った結核菌は、休眠状態で生き続け、私たちの免疫力が弱るチャンスをひそかに狙っています。
 乳幼児や高齢者、糖尿病などの生活習慣病がある場合や栄養状態が悪い場合など、免疫力が低下している場合に、結核菌の増殖を抑えられない結核菌に弱みを見せないようにするには、日々の健康管理が大切です。

3 早期発見が重要!

  結核を発病したときの初期症状は、風邪に似たもので見過ごされがちです。
次の1から6のどれかの症状が2週間以上続く場合には、早めに医療機関を受診しましょう。
 1.咳
 2.痰
 3.微熱
 4.倦怠感
 5.胸の痛み
 6.体重減少
「早めに病院・診療所を受診する」「年1回は健康診断を受診する」ことは、結核を早期発見するためにも、とても大切です。

4 結核を予防しましょう

 

 結核菌に感染しても、すべての人が発病するわけではなく、健康であれば免疫の働きによって結核菌を抑え込みます。健康的な生活が免疫力を高め、結核の予防につながります。
 感染予防・発病予防のため、普段から次の5つのことを実践し、免疫力を高めましょう。
 1.適度な運動
 2.バランスの良い食事
 3.十分な睡眠
 4.タバコは吸わない
 5. 症状がなくても、定期的に健診を受ける。

また、抵抗力の弱い乳児は、結核に感染すると重症化しやすいため、BCG接種が有効です。
 

5 結核と診断されたら?(結核治療の基本)

 症状が重い場合やほかの人に感染させる恐れがある場合は、入院が必要になります。
 結核治療の基本は、規則正しい服薬です。薬は症状に合わせ、3種類から4種類を組み合わせ、6か月から9か月ほど薬を内服します。
潜在性結核感染症(結核菌に感染しているが、結核の症状はなく、今後発病する恐れがある状態)治療では、発病を抑えるために1種類から2種類の薬を、最低3か月から6か月間ほど服用します。
 しかし、薬を飲んだり飲まなかったり、症状が消えたからといって自分の判断で勝手に服用をやめてしまうと治りません。決められた期間中、毎日きちんと薬を飲むことが大切です。 
 長期間、薬を忘れずに飲み続けることは、誰にとっても難しいことです。ご家族や周囲の方々の協力が大切です。なお、安心して治療していただくために、結核医療費の公費負担制度があります。

6 保健所からの支援

結核医療費の公費負担
 結核で治療を受ける方の医療費負担の軽減と、安心して適正な医療が受けられることを目的として、「結核指定医療機関で医療を受けた場合、国や自治体が医療費を負担する制度(=公費負担制度)」があります。入院や通院、医療内容、所得額等に応じ公費負担額が異なります。詳しくは保健所までお問い合わせください。
確実な治療に向けた患者支援
 保健所では全結核登録患者に対して、直接服薬支援(DOTS)を行っています。また、きちんと服薬しても薬が効かなかった菌が生き残ることがあり、再発の起こりやすい治療終了後約2年間は胸部エックス線検査などの管理検診を実施し、経過を観察しています。
 
 接触者健診(患者の家族や周囲の方々の健診など)
 新たな感染性のある患者の発生を予防するためには、周囲の人たちの健康診断の実施が大切です。保健所では、患者の状況や接触状況、健診を受ける方の年齢や健康状態などを考えて、必要な方へ接触者健診を行い、患者の早期発見、早期治療に力を入れています。

 患者さん自身は、突然結核と診断され、長期にわたる入院や外来治療を迫られ、動揺されていると思います。また、家族や周囲の人に感染させてしまったのではないかと不安を抱かれていると思います。周囲の方が、結核について正しく理解することで、患者さんは治療に専念でき、その後順調に今までの生活に戻ることができます。
患者さんも周囲の方も、心配なことがあるときには、いつでもご相談ください。
 

このページに関するお問い合わせ

宇都宮市保健所 保健予防課 感染症予防グループ
電話番号:028-626-1115
住所:〒321-0974 宇都宮市竹林町972
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。