蚊が媒介する感染症 ジカウイルス感染症(ジカ熱)など

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ページID1004549  更新日 令和6年3月8日

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蚊が感染症を媒介することがあります

 感染症を引き起こすウイルスなどを保有する蚊に刺されることによって、発熱や発疹等の症状が現れることがあります。こういった感染症を総称して、蚊媒介感染症と呼んでいます。

 海外諸国(特に熱帯や亜熱帯地域)では、こうした蚊媒介感染症が多く発生しており、海外旅行等で感染し、国内で発症することもあります。

 2014年8月には約70年ぶりとなる、デング熱の国内感染例が報告されました。また、デング熱は基本的に軽症で予後良好な疾患ですが、2016年7月にデング出血熱患者(輸入症例)1名の死亡例の発生がありました。海外旅行時だけではなく、日頃から蚊に刺されないように注意しましょう。

  • 海外からの入国者(帰国者)は、体調に異常がある場合は、到着した空港等の検疫ブースで検疫官に申し出てください。入国後(帰国後)に症状が認められた場合は、速やかに医療機関を受診し、海外への渡航歴を告げてください。

ジカウイルス感染症(ジカ熱)

 ジカウイルス感染症とは、ジカウイルスを持った蚊(ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ)に刺されて感染するもので、ブラジルなど中南米地域を中心に流行が拡大しています。症状は発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、発疹、疲労感などを示しますが、症状は軽く、通常2日から7日続きます。

  • 妊婦の方及び妊娠の可能性のある方へ

 ジカウイルスは、母体から胎児への感染を起こすことがあり、小頭症などを起こす可能性があるとされています。このことから、妊婦の方は流行地域への渡航を控えた方がよいとされています。やむを得ず渡航する場合は、長そでや長ズボンの着用や蚊の忌避剤を使用するなど、厳密な防蚊対策を講じることが必要です。

  • 流行地域に滞在中の注意

 症状の有無に関わらず、性行為の際にはコンドームを使用するか、性行為を控えることが推奨されています。また、長そでや長ズボンの着用や蚊の忌避剤を使用するなど、防蚊対策を講じることが必要です。

  • 流行地域から入国(帰国)された方へ

 他の人に感染させないために、次の点にご注意ください。

  1. 国内の蚊活動期には、症状の有無に関わらず、入国日(帰国日)から2週間程度は防蚊対策を行う
  2. 流行地域から入国(帰国)した男女は、症状の有無に関わらず、少なくとも6ヵ月、パートナーが妊娠中の場合は妊娠期間中、性行為の際にコンドームを使用するか性行為を控える
  3. 入国日(帰国日)から4週間以内の献血を自粛する
  • 入国時(帰国時) 発熱等の症状がある方や心配のある方は、検疫官にご相談ください。
  • 入国後(帰国後) 発熱等の症状が出た方や心配のある方は最寄りの保健所等にご相談ください。 

デング熱

ヒトスジシマカ 出典:国立感染症研究所

 ヒトスジシマカやネッタイシマカが媒介するウイルス感染症で、3日から14日(多くは3日から7日)の潜伏期間の後、発熱に始まり、頭痛、眼窩痛、筋肉痛などの症状が現れます。基本的には軽症で予後良好な疾患ですが、稀に重症型のデング出血熱になることがあります。

 デング熱を媒介するヒトスジシマカは日本のほとんどの地域(本州以南)に生息しており、5月中旬から10月下旬が活動時期となります。蚊は水の溜まった場所に発生しやすいので、植木鉢の受け皿や空き缶、古タイヤなど水が溜まっていないか確認し、定期的に水を捨てることが、蚊の発生予防につながります。

チクングニア熱

 ヒトスジシマカやネッタイシマカが媒介するウイルス感染症で、3日から7日の潜伏期間の後、発熱、関節痛、発疹などの症状が現れます。また、出血傾向(鼻出血、歯肉出血)をきたすこともり、重症化した場合は神経症状や劇症肝炎に進行することもあります。

その他、蚊が媒介する主な感染症

日本脳炎

 コガタアカイエカが媒介するウイルス感染症で、1週間から2週間程度の潜伏期間の後、発熱、頭痛、吐き気、めまい等の症状が現れます。感染しても発症するのは、100人から1000人に1人程度で、ほとんどの方は症状が出ることはありません。

マラリア

 ハマダラカが媒介する原虫による感染症で、7日から40日の潜伏期間の後、発熱、悪寒、頭痛、筋肉痛、関節痛などの症状が現れます。原因となるマラリア原虫の種類によって、熱帯熱マラリア、三日熱マラリア、四日熱マラリア、卵形マラリアに分類されます。もっとも危険なものは、熱帯熱マラリアで、適切な治療が遅れると死に至ることもあります。

予防のポイント

 蚊に刺されることで感染するため、蚊に刺されないように対策を取ることが重要です。具体的には、長袖、長ズボン等でなるべく肌の露出を少なくし、虫除け効果のある薬剤(虫除けスプレーやシート、軟膏など)を使用しましょう。屋内に蚊が侵入してしまう場合には、蚊取り線香や殺虫剤で対応しましょう。また、庭先などでは、蚊の幼虫の発生源となる水溜り(バケツの水など)を作らないように注意しましょう。
 疾患別の予防策としては、日本脳炎は不活化ワクチンによる予防接種が、マラリアは医師の処方による予防内服薬が有効です。デング熱やチクングニア熱には、ワクチンや予防薬はありません。

関連情報

このページに関するお問い合わせ

宇都宮市保健所 保健予防課 感染症予防グループ
電話番号:028-626-1115
住所:〒321-0974 宇都宮市竹林町972
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。