平成28年度 視察概要

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ページID1029913  更新日 令和6年3月8日

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平成28年度 視察概要

視察の様子(文教)
視察の様子(飛騨市)

1 視察日  平成28年8月2日、3日、4日
2 視察先  富山県富山市 学力向上に向けた取り組みについて
        岐阜県飛騨市 命をつなごうジュニアパラメディックプロジェクトについて
               スーパー少人数指導授業について
        大阪府茨木市 茨木っ子ジャンプアッププランに関する取り組みについて

3 参加者  駒場昭夫、金崎芙美子、内藤良弘、渡辺通子、岡本芳明、
        今井恭男、熊本和夫

文教消防水道常任委員会委員長 駒場 昭夫

 本委員会においては、「学力向上に向けた取り組み」「命をつなごうジュニアパラメディックプロジェクト」「スーパー少人数指導授業」「茨木っ子ジャンプアッププランに関する取り組み」について、先進都市の事例を学び本市の参考とするため、行政視察を行った。

1 学力向上に向けた取り組みについて(富山県富山市)
 富山市では、富山市教育目標の具現化に向けた学習指導及び生徒指導、今日的な課題や方策等を周知することで義務教育水準の維持向上を図るため、富山市学校教育指導方針を作成し、市内の全幼稚園、小学校、中学校の校長、教頭、教諭、養護教諭等に配付するとともに、授業を行う上で、教員が必ず実践しなければならない基本的な事柄をまとめた授業のイロハとなる「道しるべ」を配付し、研修等での活用を図っているほか、自主研修の一環として、「とやま教師塾」や「とやま技塾」を開催し、教員としての資質向上と幅広い人間性の形成を図っている。また、学校と家庭がしっかりと連携して、互いの立場から子どもたちの学びの基盤づくりの一助となるよう「家庭学習の手引き(小学生)」や「学びの羅針盤(中学生)」を作成し、配付している。
特に、学習課題や学習の割り振りから子どもとの人間関係など細部まで示されている「道しるべ」は、新任教師からベテラン教師まで活用できる内容であり、本市の取り組みにおいても非常に参考となるものである。

2 命をつなごうジュニアパラメディックプロジェクトについて(岐阜県飛騨市)
 このプロジェクトは、小学4年生から中学2年生までの児童生徒を対象に、自他の生命を尊重し、災害発生時に自分の命を守るとともに、地域の安全確保に向けて積極的に行動できる人材の育成や意識の啓発につなげようとする取り組みであり、命の大切さ、命の守り方について、初期の理論から実技まで、それぞれの学年に見合った内容の指導が行われており、最終学年となる中学2年生では、下級生に対し、自らが指導者として心肺蘇生等の命を守る指導ができるようカリキュラムが組まれていることが特徴である。また、心肺蘇生の訓練においては、見学時間を短縮し、なるべく実技体験できるよう使用する資機材を簡易的なものとし、参加するすべての児童・生徒に行き届くよう配慮がなされている。
この事業については、消防がこれからの時代を担う子どもたちを思い、命をつなぐことの大切さを肌で伝える体験型のプロジェクトとして発案し、教育現場の中でみずからが主体となって取り組もうとする姿勢が大変すばらしく、将来の消防団員確保にも有効な取り組みであると考えられる。
本市においても、学校だけではなく、地域で行われる防災訓練等に参加する子どもたちのために当該事業で使用している比較的に安価な資機材を活用し、実技体験の機会をふやすことなど検討の余地があり、大いに参考となるものである。

3 スーパー少人数指導事業について(岐阜県飛騨市)
 飛騨市では、ふるさとを愛し、生涯に渡って学び続ける人づくりを教育課題として捉え、「ふるさとを愛し、たくましく生きる力を育む教育」を小・中学校の教育方針として掲げ、創意工夫を生かした特色ある学校経営に取り組んでおり、この教育方針を具現化する取り組みとして、市独自に雇用した非常勤講師5名を市内の2つの中学校に配置し、習熟度別少人数指導に発展コースを開設して、生徒一人一人の習熟度に応じて、きめ細やかな指導を行うスーパー少人数指導事業を展開している。
この事業については、人口規模が小さいため、きめ細やかな対応が可能であるという側面もあるが、個を大切にした飛騨市の取り組みは、非常に参考になるものである。

4 茨木っ子ジャンプアッププランに関する取り組みについて(大阪府茨木市)
 茨木市では、平成18年度大阪府学力等実態調査の結果について、大学の研究機関の協力を得ながら、校長、教頭や教職員と共に分析し、本市の学校教育の方向性を示す指針として、「茨木っ子プラン22」を作成した。現在は「茨木っ子ジャンプアッププラン28」の取り組みを進めており、その考え方は、「一人も見捨てへん」教育として新聞報道されるなど注目を集めている。
特に、全国学力調査が徹底的に活用されており、各学校の学力分布を把握の上、学力低位層を減らすと同時に、学力高位層をふやすという明確な目標を設定し、学力向上に取り組んでいる。また、学力調査と同時に実施されている学習状況調査について、「ゆめ力」「自分力」「つながり力」「学び力」の4つの力を育みたい力として整理・分類の上、数値化することで、見える化を図っており、児童・生徒一人一人の生活状況を把握した上で、きめ細やかな指導を行っている。
また、放課後の学びルーム、専門支援員、学校でのグループ活動など、学校現場での子どもへの教え方、学びの環境までしっかりと研究をしながら、さまざまな施策に取り組んでおり、課題がある学校については、傾斜的に予算配分を行っている点が特徴的である。
これらについては、学力調査の結果に対して、年度ごとに一喜一憂するのではなく、緩やかな向上傾向をつくることが大切であると捉え、継続性をもって取り組んでいる点や学校間の学力の差や課題を認め合った上で、傾斜的に予算を配分するという方針を明確に打ち出している点など先進的な取り組みが多く、本市の学力向上に向けた取り組みにも大いに参考になるものである。

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