令和元年度 視察概要

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ページID1029917  更新日 令和6年3月8日

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令和元年度 視察概要

視察の様子(文教)
視察の様子(戸田市)

1 視察日  令和元年10月7日、8日、9日
2 視察先  埼玉県戸田市  エドテックを活用した学校教育改革について
        福岡県北九州市 学校における業務改善の取り組みについて
                学校におけるSDGsの取り組みについて
        東京都狛江市  不登校対策について
3 参加者  福田智恵、福田久美子、菅原一浩、成島隆裕、山崎昌子、
        馬上剛、駒場昭夫、渡辺道仁、櫻井啓一
4 視察結果
 本委員会においては、「不登校対策」「学校教育改革」について、先進都市の事例を学び、本市の参考とするため、行政視察を行った。

文教消防水道常任委員会委員長 福田 智恵

1 エドテックを活用した学校教育改革について(埼玉県戸田市)
 戸田市では、教育改革の柱として、「生徒指導と学級経営の充実」「校長のリーダーシップと同僚性強化」「素人の目から見てもわかる授業改善」の3点を掲げ、教育長の強いリーダーシップのもと、各学校への教育改革コンセプトの落とし込みを図っている。
 エドテックに関しては、ICTは手段であり目的ではないとして、「経験と勘と気合い」の教育から「客観的な根拠」に基づく教育への転換や、教室や授業を科学することをモットーに、教育とテクノロジーの融合に取り組んでいる。
 特に、授業を実証の場と位置づけ、企業とのウイン・ウインの関係を構築し、低コストで最先端技術を導入している点や、画一的にICT化を推し進めるのではなく、教育改革の目標のもと、それぞれの学校が独自性を発揮し、さまざまなプロジェクトに取り組んでいる点などはすばらしい。
 21世紀型の非認知スキルを育成することができる「戸田モデル」は、教育界のファーストペンギンとして、全国の指針となる先進的な事例であり、新しいことを取り入れていくチャレンジの姿勢や柔軟さも含め、本市において大いに参考とすべき内容であった。

2 学校における業務改善の取り組みについて(福岡県北九州市)
 北九州市では、業務改善の目的を、教職員が子どもと向き合う時間や指導準備時間の確保と、ワークライフバランス等の充実とメンタルヘルス等の健康保持の2点に明確化したうえで、「学校における業務改善プログラム」を策定し、教育委員会と学校が一体となって業務改善に取り組んでいる。
 当該プログラムでは、在校時間の上限目標を設定し、モデル校での好事例を取りまとめるとともに、教職員の意識調査結果も掲載することで、問題の明確化と目標の組織共有、より効果的な方策の実行に役立てており、マネジメントの基本原則にかなった取り組みは大変すばらしい。
 特筆すべき取り組みとしては、平成24年から統合型校務支援システムを導入したほか、先輩教員の蓄積した指導のコツや優れた実践教材をいつでも閲覧できる「KitaQせんせいチャンネル」の開設・充実や、研修効果の向上と拘束時間短縮のためのWeb研修の実施・充実などであり、ICTを巧みに活用し、校務・教科指導・研修を効率化し、教職員が教育に専念できる環境づくりが図られていた。
 本市としても、参考となる取り組みは多く、取り入れていきたい内容であった。

3 学校におけるSDGsの取り組みについて(福岡県北九州市)
 ユネスコスクール認定校・北九州市ユネスコスクール推進校の北九州市立黒崎中学校では、持続可能な開発のために求められる原則・価値観・行動が、あらゆる教育や学びの場に取り込まれ、社会との「かかわり」「つながり」を尊重できる個人を育むことを目指したSDGs教育が行なわれていた。
 この観点は、これまでの学校教育の本質と同義のものであり、子どもたちの活動や報告書の作成などを通して、教職員の側がSDGsの意義や目的を認識する機会となったとの報告は、印象的であった。
 本市においても、黒崎中学校の取り組みを参考に、SDGsの理念を授業の組み立てや学級運営に活用し、次世代を担う児童生徒の教育の充実及び健全育成に生かすべきである。

4 不登校対策について(東京都狛江市)
 狛江市では、不登校の未然防止の取り組みとして、学級経営に参考となる集団アセスメントhyper-QUを活用した集団づくりに取り組んでおり、教師による主観的な観察のみならず、年2回実施するアンケート結果から、学級集団の状態を、学級満足度尺度、学校生活意欲尺度、ソーシャルスキル尺度により定量的に把握し、科学的根拠に基づく学級経営を展開している。このアンケート結果は、児童生徒の状態把握とともに、教職員による声かけや個人面談、家庭との連携にも活用されており、不登校の未然防止に大いに役立つものと考える。
 また、不登校になってしまった児童生徒への対応については、不登校の段階に応じた対応策が講じられており、家庭訪問派遣事業や外部専門機関との連携、フリースクールや適応指導教室等の併用など、多様な支援に取り組んでおり、不登校になったときに頼れる資源が複数存在することの重要さを再認識することができた。
 本市では、不登校の出現率が高く、不登校状態の児童生徒が増加傾向にあることから、未然防止に資する学級経営に力を入れる必要があると考えられ、狛江市の取り組みは大変参考になった。

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