石綿が原因で発症する病気は

Xでポスト
フェイスブックでシェア
ラインでシェア

ページID1005282  更新日 令和6年3月8日

印刷 大きな文字で印刷

 石綿(アスベスト)の繊維は、肺線維症(じん肺)、悪性中皮腫の原因になるといわれ、肺がんを起こす可能性があることが知られています(WHO報告)。石綿による健康被害は、石綿を扱ってから長い年月を経て出てきます。例えば、中皮腫は平均35年前後という長い潜伏期間の後発病することが多いとされています。仕事を通して石綿を扱っている方、あるいは扱っていた方は、その作業方法にもよりますが、石綿を扱う機会が多いことになりますので、定期的に健康診断を受けることをお勧めします。現に仕事で扱っている方(労働者)の健康診断は、事業主にその実施義務があります。(労働安全衛生法)
 石綿を吸うことにより発生する病気としては次のものがあります。労働基準監督署の認定を受け、業務上疾病とされると、労災保険で治療できます。

  1. 石綿(アスベスト)肺
     肺が繊維化してしまう肺線維症(じん肺)という病気の一つです。肺の線維化を起こすものとしては石綿のほか、粉じん、薬品等多くの原因があげられますが、石綿の曝露によっておきた肺 線維症を特に石綿肺とよんで区別しています。職業上アスベスト粉塵を10年以上吸入した労働者に起こるといわれており、潜伏期間は15から20年といわれております。アスベスト曝露をやめたあとでも進行することもあります。治療法には咳、痰に対する鎮咳剤や去痰剤による薬物療法、慢性呼吸不全に対する在宅酸素療法(HOT)などの対症療法を行います。
  2. 肺がん
     石綿が肺がんを起こすメカニズムはまだ十分に解明されていませんが、肺細胞に取り込まれた石綿繊維の主に物理的刺激により肺がんが発生するとされています。また、喫煙と深い関係にあることも知られています。アスベスト曝露から肺がん発症までに15から40年の潜伏期間があり、曝露量が多いほど肺がんの発生が多いことが知られています。治療法には外科治療、抗がん剤治療、放射線治療などがあります。
  3. 悪性中皮腫
     肺を取り囲む胸膜、肝臓や胃などの臓器を囲む腹膜、心臓及び大血管の起始部を覆う心膜等にできる悪性の腫瘍です。(進行が早く、予後が悪い疾患です。)若い時期にアスベストを吸い込んだ方のほうが悪性中皮腫になりやすいことが知られています。潜伏期間は20から50年といわれています。治療法には外科治療、抗がん剤治療、放射線治療などがあります。
  4. びまん性胸膜肥厚
     良性石綿胸膜炎が発症するとそれに引き続き胸膜が癒着して広範囲に硬くなり、肺のふくらみを傷害し呼吸困難をきたします。胸部X線写真上胸膜の肥厚を認めるようになりますが、この状態をびまん性胸膜肥厚といいます。

〈参考〉良性石綿胸膜水炎(救済給付の対象外)

 肺の表面は胸膜と呼ばれる2枚の薄い膜におおわれています。通常は2枚の膜の間にスペースはほとんどありませんが、この2枚の膜の間に刺激(炎症)で水がたまります。これが胸膜炎です。半数近くは自覚症状が無く、症状がある場合は咳、呼吸困難の頻度が高いといわれています。

このページに関するお問い合わせ

環境部 環境保全課 調査指導グループ(市役所12階)
電話番号:028-632-2420 ファクス:028-632-5279
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。