ダニが媒介する感染症に注意しましょう

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ページID1004533  更新日 令和6年3月8日

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ダニは感染症を媒介することがあります

 野外の藪や草むら、山林などに生息しているマダニ類やツツガムシ類などのダニは、動物の体液を吸うことで生活環が成り立っています。

 農作業やアウトドアレジャー等で、適切な対策を取らずにダニの生息場所に立ち入ると、ダニに刺されることがあります。ダニは感染症の原因となる様々な細菌やウイルスなどの病原体を保有していることがあり、そういった病原体を保有しているダニに刺されると、感染症を発症する可能性があります。国内では、日本紅斑熱やつつが虫病、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、ダニ媒介脳炎などの報告があります。

 こういった感染症にかからないためには、野外でのダニ対策が重要です。

マダニについて

 マダニは、食品等に発生するコナダニや、衣類や寝具に発生するヒョウダニなどの家庭内に生息するダニとは種類が異なります。

 マダニは、硬い外皮に覆われた比較的大型(吸血前で3ミリメートルから8ミリメートル)のダニで、主に森林や草むらなどの屋外に生息しています。

ダニに刺されないために

 ダニ(マダニ類、ツツガムシ類)は、山林や草むらに生息しています。こうしたダニの生息場所に立ち入る場合には、なるべく肌を露出しないようにしましょう。

  • 長袖・長ズボンを着用する(ダニが袖口や裾から衣類の中に入らないよう、袖口は手袋の中に、シャツの裾はズボンの中に、ズボンの裾は靴下の中などに入れる)
  • 足を完全に覆う靴を着用する(サンダル等は避ける)
  • 帽子、手袋を着用する
  • 首にタオルを巻く
  • 明るい色の服を選ぶ(マダニを目視で確認しやすい)
  • DEET(ディート)を含む虫除け剤の併用も補助的な効果が期待される

ダニに刺されたら

 ダニに刺されても、痛みや痒みはないことが多く、気づかないこともあります。山林や草むらなどの野外活動後の着替えやシャワー、入浴時に身体にダニが付いていないか確認しましょう。

 マダニ類の多くは、ヒトや動物に付くと皮膚にしっかりと口器を突き刺し、長期間(数日から長いもので10日間以上)吸血します。吸着しているダニを無理に引き抜こうとすると、ダニの一部が皮膚内に残って化膿したり、マダニの体液を逆流させてしまったりする恐れがあります。自分でつぶしたり、取ったりはせず、医療機関で処置してもらいましょう。

 マダニに刺されたら、数週間程度は体調の変化に注意し、発熱や発疹等の症状がある場合には、速やかに医療機関を受診してください。

ダニが媒介する主な感染症

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

 6日から14日の潜伏期間の後、発熱、消化器症状(食欲低下、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛)などが現れます。時に重症化し、死に至ることもあります。
 多くの場合、マダニに咬まれてSFTSウイルスに感染すると考えられていますが、マダニに咬まれた跡が見当たらない患者もみられます。
 最近の研究で、SFTSウイルスに感染し発症している野生動物やネコ・イヌなどの血液からSFTSウイルスが検出されていることから、SFTSウイルスに感染し発症している動物の血液などの体液に直接触れた場合、SFTSウイルスに感染することも否定できません。医療機関を受診する際は、ペットの飼育状況やペットの健康状態、動物との接触状況についても医師に伝えましょう。


 春から秋にかけて患者の発生が多く見られます。西日本を中心に患者の発生がありますが、ウイルスを保有するマダニは患者発生のない関東地方でも確認されています。

日本紅斑熱

 日本紅斑熱リケッチアを病原体とし、2日から8日の潜伏期間の後、高熱、発疹が現れ、重症化した場合には、死に至ることもあります。

 春から初冬にかけて患者の発生が見られます。三重県、広島県、和歌山県などで多くの発生がありますが、千葉県や東京都でも発生が見られます。

つつが虫病

 つつが虫病リケッチアを病原体とし、5日から14日の潜伏期間の後、高熱、発疹が現れ、重症化した場合には、死に至ることもあります。春と秋に患者発生のピークがありますが、関東地方から九州地方では、秋から初冬に患者の発生が多く見られます。

 かつては秋田県、山形県など特定の地域での発生でしたが、現在は北海道など一部の地域を除いて全国で発生が見られます。栃木県でも発生の報告があり、2018年は2件でした。

ダニ媒介脳炎

 ダニ媒介脳炎ウイルスを保有するマダニに咬まれることで感染します。7日から14日の潜伏期間の後、発熱、頭痛、悪心などが現れます。時に昏睡、痙攣、麻痺などの脳炎症状が出現します。

 国内では、北海道で1993年に1例、2016年に1例、2017年2例、2018年に1例の発生が確認されています。

このページに関するお問い合わせ

宇都宮市保健所 保健予防課 感染症予防グループ
電話番号:028-626-1115
住所:〒321-0974 宇都宮市竹林町972
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。