平成14年度第2回行政改革大綱策定懇談会(概要)

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ページID1010498  更新日 令和6年3月8日

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日時
平成14年11月18日(月曜日)午後2時から午後4時15分
会場
宇都宮市役所16階中会議室
出席者
委員
赤塚委員、阿久津(裕)委員、阿久津(好)委員、磯貝委員、稲葉委員、海老原委員、加藤委員、亀卦川委員、杉原委員、添田委員、長門委員、橋立委員、原田委員、福嶋委員、三村委員、簗委員、雪竹委員(50音順)
市側
総務部長、総務課長、財政課長、企画審議室長、自治振興課長、総務課長補佐、人事課長補佐、行政管理係長、事務局職員
会議経過
1. 開会
2. 市長あいさつ
3. 報告事項
 「第1回懇談会において求められた資料について」
 ⇒事務局(総務課長)から、資料に基づき、以下の事項を説明
  • 第2次行政改革の取組状況
  • 第2次行政改革に対する評価
  • 主な外部委託による削減効果
  • 外郭団体の取組状況について
  • 市民ニーズの複雑・多様化について
  • 地域資源について
  • 外国人登録人口の推移
  • 大気環境等について
  • 第3回行政サービス調査の結果について

委員からの主な意見・質問等(要旨)

委員

  • 外郭団体(注1)の取組の状況について、これらの取組にどういう形で市が関与したのか。各法人にすべて任せたのか、具体的な説明が聞きたい。また、今後の課題などについてもあれば伺いたい。
  • 外郭団体の取組の中に「退職職員を嘱託員に切り替え」とあるが、それはどういうことなのか。

事務局

  • 外郭団体の行政改革への取組については、市の行政改革と併せて取組を行っており、具体的には、各団体を所管している課を通じて改革を進めている。
  • 退職職員の嘱託員への切り替えについては、法人で退職者が出た場合に、職員を補充せずに非常勤嘱託員で対応している、ということである。

委員

  • 退職者を再雇用したということか、それとも新たに非常勤を雇ったということか。

事務局

  • 基本的に、新たに別の職員を非常勤として雇った。

委員

  • 資料の6ページに「職員の自主研究グループの活動実績が縮小傾向にある」とあるが、このことについて、詳しく聞きたい。
  • また、同じく6ページの「法定外税(注2)の創設の検討」について、状況を伺いたい。

事務局

  • 市では、職員の能力向上のために、職員が勤務時間外に自主的に集まって市の課題について研究する「自主研究グループ制度」をつくっているが、近年、それに参加する職員がやや少なくなってきている傾向にある。現在、研修等を通じて活性化に向けたPRや意識啓発を行っている。
  • 法定外税については、現在、内部で研究会等をつくり検討しているところだが、徴収にかかる経費との費用対効果などから、現在のところ適切な税財源は見つかっていない。今後とも引き続き検討していく。

委員

  • 外郭団体の行政改革の取組について、所管課で対応しているとあるが、ここに挙げられた取組は、各団体が行政改革の認識を持って取り組んだものなのか。それとも、ただこれまでの取組のうち、改善されたものを並べただけなのか。
     また、市の行政改革として具体的に各団体に目標を持たせ、改革の計画を作成させるなどの取組を行っているのか。

事務局

  • 外郭団体については、所管課を通じて市と同様の改革への取組を行うように指導しているところだが、一方では独立した組織であるので、自主性等も尊重しなくてはいけないことから、計画の作成等は行っていない。今回は、各団体で自主的に改善したものを取り上げた。
     実際には、大きな改革的なものを行っている団体となかなか進んでいない団体があり、このことについては、課題と認識している。今後は、ご意見を踏まえ、積極的に取り組んでいく必要があると考えている。

委員

  • 結論的には、これらの取組は行政改革の視点で取り組んだものではなく、これまでやってきた改善の取組の中から行政改革に該当するものをピックアップしたということか。

事務局

  • 各団体が作成した調査票から、市の行政改革の取組に沿うような取組をピックアップした。

委員

  • 自主性を重んじるのも必要であろうが、基本的に、外郭団体においても行政改革は不可欠であるという視点をしっかりと持っておいてもらいたい。

委員

  • 職員数の削減といっても、数だけを見れば多いように思うが、その中身をみるとほとんどが学校の用務員や給食調理員であり、ずいぶん偏りがあるように思う。
     例えば、給食調理であれば、それによって受けるサービスの質がどう変わったのか。父兄の負担は本当に減ったのか。ただ数だけの目標を立ててそれを達成させるのではなく、中身も吟味していかなければならないと思う。

事務局

  • 民間委託によってサービスの質が落ちたり、市民の負担が増えることがあってはならないと考えている。給食業務の委託を行った学校に対するアンケート調査によると、「給食が以前よりもおいしくなった」との回答が得られている。

委員

  • 資料P2にある「設定した実施年度より取組が遅れているもの」は、どのような理由で遅れているのか?

事務局

  • 1つ目の「苦情処理機関(庁内)の設置」については、現在、取り組んでいる第3者の苦情処理機関との役割分担の調整を図る必要があることから、設置が遅れている。
  • 2つ目の「JR宇都宮駅サービスセンターの設置」については、JRの再整備計画に併せて検討していく予定であったが、同計画が未定となったため、再検討が必要になっている。
  • 3つ目の「各種手当の振込通知書送付の見直し」については、各種手当の種類が非常に多く、廃止できるものとできないものとの整理・見直しが困難なことから、見直しが遅れている。
  • 4つ目の「服務、財務等の庶務事務の一元化」については、全庁的に庁内各部への権限委譲を進めている段階で、庶務事務の一元化をどのように位置づけていくのかの整理が困難なことから、取組が遅れている。
  • 5つ目の「保育園の公設民営化(注3)への移行」については、実施が遅れているが、16年4月に民営化できるように取組を行っている。
  • 6つ目の「職員提案制度の活性化」については、今回の行政改革に併せて、ユニークな提案制度を作っていきたいという考えがあり、実施年度は遅れているが、魅力的な制度を創設していきたいと考えている。

委員

  • 資料P11の「地域資源について」の資料について、市のものだけが書いてある。地域開発やまちづくりには、市の施設等だけでなく県や国の資源でも利用できるものがあるのではないか。それぞれ相互に利用し合い、効率的な施設整備あるいは環境の保全などについても考えていく必要がある。市の資源だけにこだわるような発想は止めたほうが良い。

会長

  • まだ意見はあるかと思うが、時間の都合もあるので、参考資料やデータの質問等については、後で適宜行うこととし、次の協議事項に移らせていただく。

4 協議事項
(1)「第3次行政改革大綱の素案について」

 ⇒事務局(総務課長)から、資料に基づき、以下の事項を説明

  • 第3次行政改革大綱「(仮称)行政経営指針」の概要

会長
 資料の中身が大変多いので、いくつかに区切って議論していきたい。議論の進め方について、事務局の方で何か考えがあればお聞きしたい。
事務局
 この指針は、本市の行政改革の方向性を示す大変重要なものであるので、委員の皆様には十分な議論をいただきたい。できれば、2回に分けてご議論いただければと考えている。協議の方法については、本日は第1章から第4章あるいは第5章までを中心にご議論いただき、第6章以降は次回にさせていただければと考えている。
会長
 第1回の会議の時にも、「この懇談会は、大変大きな意味付けを持った懇談会であるので、会議の回数が若干増えることがある」との事務局の説明があったかと思う。今日、示された議題は内容も多く、十分な議論が必要である。事務局でも時間を作っていただいたようなので、事務局の提案どおり、今日は第1章から第4章、できれば第5章までを議論し、次回は第6章以降を話し合っていくということでよろしいか。

各委員

 了承

委員からの主な意見・質問等(要旨)

委員

  • 具体的な指針の中身に入る前に、今回この行政改革の大命題として新たに「行政経営」という言葉を使い、経営的な視点を取り入れたことについて、もう少し説明をしてもらい、それについての議論をすべきではないか。

会長

  • 「行政経営指針」とは、第4章の「本市が目指す新たな行政経営」という章立てを踏まえてつけた見出しであろう。今までの行政改革でも、市民の立場や経営の感覚でとらえてきたところであるが、実際に見出しの文言に掲げるということは大きな転換になると思う。これらも含めて、第1~第4章まで議論していきたいと思う。
     まずは、事務局に表題の「行政経営指針」の基本的な考え方をお聞きしたい。

委員

  • 「経営」ばかりでなく、この指針には「運営」・「協働」・「マネジメント」など目新しく大変立派な言葉が出てきているが、それらの言葉は、どこで議論して出てきた言葉なのか。具体的に聞かせてほしい。特に、「協働」という言葉が前面に出ており、そのことについても私たちには責任があると思うので、付け加えて説明願いたい。

委員

  • 本編のP3で「都市の構成である市民」として、「個人・地域団体等」を「市民」ととらえ、市民・企業・行政が三角形の一辺をそれぞれ担い合うように書かれている。ここに第3次行政改革で取り入れていこうとしている「協働」の考え方が表現されているのではないかと思う。このことについて詳しく説明してもらいたい。
  • 後段では、「企業」を「市民」として全体的に括っている。「市民」と「行政」という大きな括りでとらえているようだが、このことについて説明をいただきたい。
  • 今まで「行政の責務」といわれるようなものが、今回は行政の「使命」という言葉で表現されるようになってきている。こうした点も、第3次行政改革大綱策定のキーポイントとなっているのではないかと思う。それについてもお答えいただきたい。

会長

  • 具体的な話し合いに入る前に、まずは、指摘された点についての共通認識が必要となると思うので、事務局の説明を聞いてから議論に入りたいと思う。

委員

  • 今回の大綱は「協働」がキーワードとなっており、経営理念の中でも、「市民との協働を通じて、市民満足の向上を目指す」とある。そのためには、市民も痛みを分かち合わなければならない。
  • 協働を進める際、「信頼関係の構築」が、一番難しいことだと思う。まずは、この懇談会の中で「協働」に対する理解を深め、また、この指針を見て、多くの市民が理解し、「これならば痛みを分かち合っても…」という気にならなければ、折角いいことが書いてあっても絵に描いた餅になってしまう。「『協働』とは、どういう関係が一番理想的なのか」ということについて委員はもちろん、市民の間に温度差があってはいけない。それが一番大事だと思う。

会長

  • 今回の指針は、大胆な言葉遣いをしている。また、このような章立てにした理由について加えて説明をいただき、それから具体的な議論に入っていきたい。

事務局

  • 今回、これまでの「運営」という言葉から敢えて「経営」に変えた理由であるが、これからの行政は、法令等を遵守(注4)し、既存の制度を踏襲(注5)するばかりではなく、法令や制度をより一層活用し、民間の理念や手法に学び、取り入れるべきものについては行政にも取り入れていかなければならないという考え方のもと、「行政経営指針」としたものである。
  • 「協働」については、「社会経済環境の変化等」の中でも説明したとおり、市民の意識が変化しており、また、これまで行政だけで取り組んできた公共の課題について、行政だけの能力・ノウハウだけでは捉えきれないものもあり、これからは、市民との「協働」が必要になってきていると認識している。
  • 「市民との信頼関係」では、「協働」を進めるにあたっては、痛みを市民の方に負担してもらうことも出てくる。行政の自己改革もきちんとやりながら、信頼関係を構築していくことを重要な柱としている。
  • 「経営」やその他の新しい言葉については、今回の大綱がこれからの新しい時代に向けて市の職員が共有できるものであるように、各部局の意見交換を通じて出してきたものである。用語については、委員の皆様にもご理解いただけるように事務局の方でも整理していきたいと考えている。
  • 「運営」から「経営」に言葉を変えた理由についての補足であるが、これまでの行政改革は、従来の行政管理手法をもって、行政のスリム化を図っていくことにとどまってきたが、それだけでは現状の閉塞感を打破することは難しく、従来型の行政改革にはない、「行政経営」とい視点が必要となってきている。今回の行政改革では、行政管理のあり方そのものを見直し、効率的・効果的な組織に見直していく。また、これまでの行政の縮減・削減だけではない、行政の仕組みを抜本的に改革していくという発想から新たな指針を策定した。

会長

  • なかなか具体的なイメージが湧かない曖昧模糊とした言葉使いで、議論していくのは難しいと思う。(仮称)「行政経営」というタイトルのつけ方については、また改めて議論することとし、具体的な内容に入っていきたい。

委員

  • 行政経営とは、「これからは行政も民間並みにマネジメントを行っていく」という決意表明だと思う。
  • 概要P1の「都市経営における新たな関係(イメージ)」で、「大学」が抜けている。大学は教育文化や生涯学習活動の場であって、まちづくりには、やはり「大学」も入れた方がいいのではないかと思う。
  • 概要P3の経営指針の中で「限りある経営資源」に、「人・モノ・金」と記載があるが、近年のIT化の普及や時代を踏まえ、人・モノ・金に「情報」を加えた方が良いのではないか。

委員

  • 素案があまりに出来すぎている。1回でここまで出来ているのは、「協働」の理論に反するのではないかという気がする。
  • 本編P2の「市民意識の変化」で、「きめ細やかさが求められるソフト面に力を入れてほしいという声が強くなっている」とあり、この「きめ細かい」行政が、これからの行政のキーワードになってくると思うが、これが本文に全然入ってこない。
  • 行政とはすべからく住民主体であるのが基本であると思っている。本編P12で「公共の領域のイメージ」で、「市民の主体性のもと」とあるが、主体性という言葉を使わず、「市民が中心となって」とした方がよいのではないか。また、「市民と行政がそれぞれの主体性のもと」は「市民と行政が協力して」と表現した方がわかりやすいのではないか。

委員

  • 「協働社会」云々という話だが、簡単に言うと、行政が今までの「お上的立場」から「対等の立場」に立つということかと思う。そのためには、当然、情報の公開と情報の共有が必要不可欠になってくる。
  • 今まで長い間「お上」という考え方が強かったので、いきなり「対等」といわれても、市民にとっては意識の切り替えが必要だと思う。これを進めていくには、当然、「教育」が大切になってくる。行政と市民の双方とも意識の改革が必要である。今後、行政改革を進めていくには、具体的にどのように意識改革を進めるべきか、よく考えていく必要がある。

副会長

  • 先程から言われている「経営」という言葉は良い言葉である。だが、ここで言葉を細かくチェックしても仕方がないので、内容について意見を述べる。
  • 資料9の自治体ランキングを見ると、岡山市では、改革度では1位だが、サービス度では32位になっている。このように、「改革をしてもサービスに結びつかない」のでは、何のための改革かわからない。その点を注意して改革とサービスの整合性を図っていくべきである。
  • 市民との「協働」の例として、本校の学生の事例を挙げる。ある学生が、卒業論文で「保育園の民営化をめぐる諸問題」というテーマの研究のため、市の担当課に相談したところ、「何でそのような調査をするのか」「そのような調査は、行政がやるからいい」と言われたそうである。また、「どんなアンケートをするのか一度見せてほしい」と言われ、担当課に持っていったところ、また、別の職員に「こんなものは持ってきても困る」と言われ、どうしてよいかわからなくなり、私のところへ相談に来た。
     これは一例であるが、「協働」とは、このような些細な事例でも適切に対応できることだと思う。市民との「協働」には、様々な方法がある。市民に対し、行政側が決めたシステムに沿ったことについてのみ、きちんと対応し、そこから外れたものについては、取扱わないというようであってはいけない。「改革あって、サービスの改善がない」ことになりかねない。
  • また、「自律行動型の職員の育成」とあるが、先の例を見ると、確かに「自律行動型」の職員になっている。ある職員は、アンケートを持ってくるように言い、ある職員はこんなものは受け取れないと言う。プロフェッショナル意識もそうである。「一般の人がそのようなアンケートをする必要はない。それは、行政がやるものだ」といっている点では、プロフェッショナル意識が十分高い。しかし、待機児童(注6)に関するアンケートなどがあるかといえば、それはないという。そのような不具合をなくしていくというのが行政改革だと思う。

委員

  • 私が先程から言いたかったのは、新しい言葉を使う・使わないという言葉の問題ではなく、経営的な発想を柱にするという大原則があるならば、もう少しきちんとした説明があった方がよいということである。
  • 例えば、「はじめに」というところで、経営的な発想を入れる必要性について、「ここまで行政は追い詰められている」という切迫性を出すなどして、もう少し市民に分かるように説明した方がよい。
  • 協働のためには、情報の共有化が本当に必要だと思う。

委員

  • 今までの行政は「管理改善」あるいは「業務改善」という視点であったが、今回、成果を重視する「経営」という意識に変わったことは、非常に良いことだと思う。
  • 行政も会社経営と同じようしていくということになれば、まず、その経営のトップは市長である。また、市では議会という意思決定機関があり、そこで決まったことについて、各部署の職員が動いていくことになる。そのため、トップと意思決定機関と各部署の良好な関係が必要になってくる。
  • 経営を考えるときには、必要な4つのファクター(注7)がある。
    まず1つ目は、「住民本位」である。経営で言えば「お客様」のことであり、お客様は大切にしなければならない。お客様があって会社が成り立つし、住民があっての行政である。本編P4の図では、市民や地域団体と行政が同じように並んでいるが、「経営」という考えであれば、市民はお客様であり、図の位置関係が違ってくるのではないか。市は住民に対し、「どのような価値のあるサービスを提供できるか」ということを真剣に考えなければならない。
  • 2つ目は、「地域との調和」である。地域とは、PTAや自治会、NPOなど地域でできた団体や職員が個人的に行う地域のボランティア活動のことを指す。
  • 3つ目は、「職員の重視」である。職員に不平不満ばかりあったら、お客様である市民に対して質の高いサービスを提供できない。
  • 最後に、「競争力・特異能力」である。指針にも「都市間で競争しよう」と表記されているが、これを具体化するために「自分の都市が何で優位に立っているのか」「他よりも勝っているものは何か」を見つけることが必要である。
    例えば、福祉分野の行政サービスが他市に勝っていれば、福祉のやり方や仕組について、他よりも良いものを持っているということになる。そのようであれば、他市から「そのやり方や仕組について教えてください」とくることもあるだろう。
  • これらの4つのキーワードを経営の基本的な考え方とすれば、行政はうまく進んでいくものだと思う。
  • また、市民と行政が責任や役割を分け合ってやっていく、とあるが、それは住民に対して失礼である。住民は一番大切にしなくてはいけない。ただ、自主的にまとまってできた団体など、自主的な住民の団体については、パートナーとして大事にしなくてはいけない。このように、考え方を少し整理していけば、この指針もより良いものになる。

委員

  • 行政側が、市民に対し「市民の責任」として何を考えているのか。それを考えていかなければならないと思う。

委員

  • 経営の世界では、「創造的破壊」とう言葉があるが、全社が「創造的破壊」を目指したら全社ともダメになる。野球場などのスタンドで前が見えないからといって、全員が立ってしまったら全員が見えなくなるのと同じである。行政は権利の調整を担うなどの役割がある。企業の場合は、自分のところの利益を考えて選択と集中ができるが、行政では企業のようにできない場合がある。そこに行政が存在する意味がある。「経営」の視点を取り入れる場合でも、企業の経営視点だけではいけない。都市のガバナンスは経営のガバナンスと少し違う。

委員

  • 市民がどのように「協働」の役割を担うのかを、ある程度この素案で分かるようにしてもらいたい。お互いの特性があるので、相互のアイデンティティー(注8)を生かしたうえでの協働について明らかにしてもらいたい。
  • はじめのところでは、痛みが多くなるような印象だけではなく、行政改革によって、「市民がこのまちに住んでいることに誇りと自信が持てるようになる」など、市民に希望が持てるような文言をぜひ入れてもらいたい。

委員

  • 行政が「経営」という言葉を取り入れる感覚になってきたことについては、評価している。
  • 「経営」というと効率が出てくるが、効率だけでは割り切れないところに行政がある。そこに行政の意味があり、「経営」の視点を取り入れることによって方向を変えるのはいいことだが、行政は効率だけを求めるものではないことを認識しておいてもらいたい。
  • 行政改革をして組織をスリム化していくためには、市民の要求に何でも応えていくわけにはいかない。であるから「協働」や「市民にも自立してもらわなければ」という考え方が出てくるのは当然だと思う。ただ、「協働」を求めるためには、行政が本当に真剣になっていないと、市民からも信頼が得られないと思う。それを文言で扱っていくのは難しいことだと思うが、行政の真剣な姿勢を市民に伝えることは必要ではないかと思う。
  • この指針を作る過程では、トップである市長のサジェスチョン(提案・示唆)などあったのか。事務局だけでたたき上げてきたのか。

事務局

  • 市長も含めた検討委員会があり、そこで検討してきた。

委員

  • 本編P5の「都市の構成員としての行政の役割」の図は行政が市民、企業、地域団体を支えるような図になっているが、「行政の金はどこから出てくるのかと」考えたら、それは市民と企業からの税金である。企業もよいまちなみをつくるために、きれいな建物を建てるなどしてまちづくりに貢献している。むしろ行政を支えているのは、企業と市民である。このことも考えて、この図を見直した方がよい。

委員

  • この指針は具体性に欠ける。机上の論議である。「どうすればこれができるか」「これを実現するために、今どのような課題があって、それをどう克服するのか」を考えていかなければならない。例えば、「トップマネジメントの強化」という課題があり、その取組として「ビジョンの明確化」とあるが、一体どのようにすればビジョンが明確になるのか、全く見えない。
  • この指針に書かれていることは、どの自治体にも通じる記述で、宇都宮独自の課題が抜けている。市としての特有の課題に取り組んでいくことも必要である。

委員

  • 「市民満足」という言葉がたくさん出ていてありがたい。しかし、CS(顧客満足)を得るための方策の具体性が乏しい。ニーズの把握にどう切り口をつけていくのかが重要である。

副会長

  • 副題に「先進都市」とあるが、「先進」とあれば、どうしても反対の「後進」を思い浮かべてしまう。「先をいく」とか「遅れている」などのイメージがある表現を使うより、せっかく新しい時代を切り開くのであれば、「先進」ではなく「新しい」という言葉などに変えた方が良いのではないか。

会長

 今後は、まず、行政改革の基本的な考え方(思想・哲学など)をきちんと明らかにし、その上で、我々は具体的に実現できるような提案をしていくべきである。
今日はまだ中身の具体的な意見交換には至っていないので、次回、もう一度より具体的に意見交換を行っていきたいと思う。
(2)次回の会議開催日程について
 ⇒事務局(総務課長)から、次回の会議日程(12月下旬予定)の説明
  なるべく早い時期に開催するよう、委員から要望を受ける。
5 閉会

【語句説明】
注1 外郭団体 これまで行政が行っていた業務を外部の受託業者に委託することをいいます。現在、市では、道路補修業務や公園管理業務、学校給食業務等を外部委託しています。

注2 法定外税 地方自治体は、地方税法に制限列挙された住民税や事業税、固定資産税以外にも、条例によって使途の制限されない普通税を課すことができ、それを法定外普通税といいます。また、条例により、使途を特定して課す税を法定外目的税といいます。
注3 公設民営 公共機関が設置した公共施設の運営管理を民間機関に委ねることをいいます。
注4 遵守 規律・法律などにしたがいそれをよく守ることをいいます。
注5 踏襲 いままでのやり方を受け継いで、そのとおりにやっていくことをいいます。
注6 待機児童 保育所に入所できず空きを待っている児童のことをいいます。
注7 ファクター 要素、要因と訳せます。
注8 アイデンティティー 自分とはこのような人間であるという明確な存在意識のことをいいます。

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