平成14年度第3回行政改革大綱策定懇談会(概要)

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ページID1010499  更新日 令和6年3月8日

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日時
平成14年12月4日(水曜日)午後2時15分から午後4時15分
会場
宇都宮市役所14階14D会議室
出席者
委員
阿久津(裕)委員、阿久津(好)委員、磯貝委員、加藤委員、亀卦川委員、添田委員、長門委員、橋立委員、原田委員、福嶋委員、三村委員、簗委員、雪竹委員(50音順)
市側
総務課長、財政課長、企画審議室長、情報政策課長、自治振興課長補佐、人事課長補佐、行政管理係長、事務局職員
会議経過
1. 開会
2. 市長あいさつ
3. 報告事項
 「宇都宮市行政経営指針 用語の説明」
 ⇒ 事務局から、以下の事項を説明
  • 「都市経営」「成果志向」「使命」それぞれの用語の説明
  • ファクスによる委員からの指摘事項について

(1) 第3次行政改革大綱の素案について(前回会議からの継続協議)

会長
会議の進め方として、まず、第1章から第4章までを中心に協議し、その後、第5章以下に移りたいと思うが、いかがか。
それとも、章で区切らずに話を進めていった方がよいか?
委員
全体的に話を進めていった方がよいのでは。
会長
それでは、全体で話を進めていくこととしたい。
委員からの主な意見・質問等(要旨)

委員

  • 5ページの「新たな発想の必要性」の中で、「既存の制度にとらわれることなく、自らの判断と責任で行動する「経営」という発想を取り入れた行政活動」とあるが、民間であれば、自らの判断やトップマネジメントで活動できる。しかし市行政は、国・県との縦の関係や、法律や条例などで枠が決められている。果たして行政が自らの判断でどこまでできるのか、どこまでの権限を担うべきなのか課題であろう。
  • 8ページに「仕組みの改革」「組織の改革」「人の改革」とあるが、行政改革では、この内部の仕組みの改革や職員の意識の改革がとても重要である。しかしながら、第2次行政改革では、職員の意見が積極的に出てこなかったという現状がある。
     私が「なぜ、行政の内部で改革が進まないのか」を職員に尋ねたところ、「とにかく余裕がない。アイデアを出す暇もない。」とのことであった。
     また、職員の中には、「市民の意見や批判に対しては反論しづらい」という意識があるためか、対応するまでの各部・各課との調整などに、相当の時間がかかるとのことであった。
     大綱の中では「何でもやる」といっているが、それをどのようなシステムで動かしていくのか。
     特に、「組織の改革」を進める場合は、組織を小さな課に細分化するのでは職員が働きづらくなる。職員が動きやすい柔軟な組織にしてほしい。

会長
 第2次の行政改革を踏まえた意見であったが、少し議論を進めていきたい。ただ今の話は、行政は当然、法律に基づき活動するものであり、その中で「自己改革」や「職員の意識改革」を行っていかなければならないということであった。
 また、「組織の改革」となると当然、部・課の編成があるが、その場合に、仕事を進めていく上で調整がスムーズにとれるような組織改革をしてほしいとの意見だった。これは、行政改革の中で非常に大切なところであろう。このことに関連して他に意見はないか。
 また、事務局から何かあるか。
⇒事務局
 第1点目の職員の意識改革については、委員のご指摘のとおり、第2次行政改革の積み残し課題については、当然、「第3次をつくったから、それでいい」ということにはならない。職員の意識改革は非常に重要な点と捉えているので、職員提案の活性化などに向け、具体的に効果のある取組を検討していきたい。
 第2点目の組織の改革についてであるが、これから求められる組織は、委員のご指摘のとおりである。今後、行動計画を作成していく中で、具体的に検討していきたいと考えている。
委員

  • 第2次行政改革と、今回の第3次行政改革とを比べて、職員に余裕ができているかといえば、現状は何も変わっていない。それでも「職員の意識改革」を進めるというが、どのような手法で結果を出していくのか。その道筋が見えてこない。
  • 職員の意識改革はトップダウン(注1)でやった方がよいと思う。例えば、良いアイデアを出したら報償を与えたり昇格できるようにするなど、能力を評価するシステムが必要である。職員に見える仕組みを作るべきではないか。「改革をやってもやらなくても自分に影響なし」では、職員の意識改革は進まない。「成果重視」というからには、職員の意識が「成果重視」に向くための動機づけを考える必要がある。

委員

  • 一般の職員にとって、行政改革は、限られた時間の中でより多くの仕事をすることになり、労働強化につながるのではないか、との印象を受ける。率先して動くと仲間からあまりいい目でみられないという組織風土であったならば、改革の雰囲気はなかなか育たないのではないか。そこを変えることが重要である。
  • また、市の業務は法律や施行規則で詳細に決まっているため、「職員が改革することが本当にできるのだろうか」という疑問がある。新しいことに取り組もうとすると、必ず、何かの法令等の制約に阻まれることも多い。
  • また、職員が改革の案を上司に持っていくと、上司が「そのやり方を変えてみよう」「法令等を変えてみよう」と前向きに捉えることが少ない、との話をよく聞く。このような現状からも、現場の職員だけでなく、管理する立場の職員についても、しっかりと意識改革に取り組んでいかなければならないと思う。

会長
 「職員の意識改革」は、担当職員ばかりでなく、管理職ももちろん行っていかなければならない。行動計画の中で、どのように具体化していくかが大切になってくる。
委員

  • 17ページの「トップマネジメントの強化」で、「各部局の立場を超えた全庁的な視点から」とあるが、そうはいっても、私たち市民の立場からは、市内部の各部・各課の協力体制や職員同士の情報交換が本当にうまくいっているのか心配である。
    例えば、現在、市では、高齢者の問題は主に保健福祉部で所管しているが、住宅の問題についても建築分野だけでなく高齢者分野との関わりも考えていかなくてはならない。
     このように、少子高齢化など社会環境の変化に伴い生じている課題は、各部・各課にまたがる課題であり、これまでの市の縦割りの体制ではとらえきれない。市内部で柔軟に協力し、市民サービスを提供していくことがとても重要になってきている。
     特に、宇都宮市は中核市なのだから、縦割り行政ではなく、「中核市として、市民のニーズにこのように応えていきます」といったことを打ち出していかなければならない。
  • 少子高齢化が進み、やや自然増の中でも人口が減っていくことは資料で明らかになっているが、「社会減」の見込みは今回出されているのか。
     具体的には、企業の合理化など、さまざまな面で動態による減少が進んでおり、他市への転出も想定できるので、少子高齢化という面の把握だけでよいのか。統計があれば、今回の検討の材料に加えてはいかがか。

委員
 「組織の改革」をどのように考えているのか。
 例えば、国際交流については、「地域の国際化推進」「外国人との多文化共生」という時代の大きな流れの中で、国内では、宇都宮市より行政規模も小さく人口も少ない多くの市町村で、「国際交流課」として独立しており、先駆的な独自の行政経営を行っている。
 宇都宮市では、市民に対する国際化啓発や姉妹都市交流(中学生・一般人の受け入れ・派遣)、長年活動している市民団体のまとめは、総務部秘書課とその管轄である宇都宮市国際交流協会(6年前に設立)が担当し、地域に住む外国人相談窓口は広報課で担当し、外国人登録は市民課、総合的な学習の時間・現代的な課題である国際理解授業や市内の小中学校に通学の外国人児童・帰国子女は、学校教育課で担当し、国際理解やボランティアの育成は生涯学習課(生涯学習センター)に分かれて担当しているのが現状である。
 今度の行政改革では、現在、複数の課で取り組んでいるこれらの体制をどのように改革していこうとしているのか。予算も職員数も内容も、市民団体が蓄積したノウハウ・ソフト・人材などを“市民との協働”により効率良く、時代の流れやコミュニティーの社会的な変貌に対応した行政経営をどのように考えているのか。今のままの体制でトップマネジメントが強化されても、集中的・効果的なサービスができないのではないか。職員一人ひとりの能力を最大限に発揮していくためにも、包括的な組織の仕組みが必要と思う。
会長
 そのような意味での大きな再編成、組織の改革ということで、行政では何か検討していることはあるのか。それともこれからやるのか。
⇒事務局
 この指針の考えは、トップと十分協議をした中で「素案」として取りまとめたものである。この指針を踏まえて、組織体制などを見直すことを考えている。
委員
 「地域の国際化推進」の取組では、既に多くの自治体が「国際交流課」という形で独立し、組織としてしっかり機能して成果を上げている。宇都宮市でもそのような組織を考えていただき、本市が目指す新たな行政経営を成功させるための一つのモデルとして「国際交流課」の設置を是非ともお願いしたい。
会長
 県内の市町村でも積極的にそのような再編成がなされているようだ。
⇒事務局(人事課)
 「国際交流」という一つの例でお話しいただいたところだが、市全体を見ると、そのほかにも、例えば高齢者や子ども、障害者に関連するもの、または、青少年の教育に関するものなど、実際に複数の課で対応している現状である。大括りな組織での対応が効果的なものについては見直しが必要であると考えており、ご指摘のような視点を取り入れて検討していきたい。
委員
 実際には、先程申し上げたようなシステムになっている弊害で、現場に携わる担当者は調整にとても苦労していることもあるようだ。今回の素案にある、5つの行政経営像である「分かりやすい・市民と共に歩む・市民の期待に応える・すばやい・ムダのない行政経営」を実現させるためにも考慮していただきたい。
会長
 今のところ、「組織改革」・「職員の意識改革」などの方向性について意見が出ているところであるが、これらについて他には意見はないか。
委員
 自分の話で恐縮であるが、先月、家の前の道路の修繕について市に電話し、職員に来てもらった。その際、職員が「ここをこう直せばいいんですね。」と確認して帰ったが、2,3日後、別の職員から「その工事は1件ではできない。」と電話があった。
 なぜ、同じ職場・職員の間で対応が分かれてしまうのか。内部で話があまり伝わっていないのではないか、との疑問を持たざるを得ない。
 行政改革も同じである。ここに書いてあるとおり、改革をやる気があることは分かるが、この懇談会の議論が、果たして一般の職員にきちんと伝わっているのだろうか。改革は一般の職員から士気を高めていかないと進まない。これが一番大事である。
 答えは要らないが、情報共有などの一貫性の問題については、他の委員からも意見があったので、ここで意見を言わせてもらった。一部の幹部職員だけが一生懸命で、それが一般の職員にはまったく伝わっていないということでは、いけないと思う。
会長
 ご意見については、行政の方でしっかりと受け止めていただきたい。
委員

  • 関連するが、市民はとにかく一貫性を求める。その場合、だれがやっても一貫性が保てるようにしようとすると、事務のやり方を細かいとこまで決めておくことになる。そうすると、逆に先程、別の委員の発言にあったように「柔軟性がない」という問題が生じる。その辺が難しいところである。
  • もう一つ、市の場合は公平・公正が基本であるから、市民に不公平感を与えてはいけない。例えば、ある人は許可を受けたのに自分は許可されなかった場合、その人がどうして不許可なのかということを明らかにし、市民に説明する必要がある。大勢の人を対象とした場合サービスにばらつきがないよう、どうしても手続きなどを細かく決めなければならない、といった問題をどのようにクリアするか。大きな課題だと思う。

委員

  • 「職員の意識改革」についてであるが、行政改革を進めるために必要不可欠だと思う。
  • 平成12年度から始まったモニター制度(注2)について。
     市政モニターの意見の中に「モニターの任期については、1年間では十分な役割を果たせない。任期を2年制にして、テーマごとに深く掘り下げた話し合いをしてはいかがか。」という意見があった。1年間の任期で施設見学なども行うと、意見交換の機会が1,2回で終ってしまい、十分な論議がされないまま次のモニターに切り替わる現状である。
  • 「行政改革大綱」や今月の広報紙に掲載されていた「第4次総合計画基本計画」など、それぞれが策定に当たって懇談会を設置しているが、市民の意見を聞く機会が輻輳しているように感じる。
     例えば、第4次総合計画に関する意見は企画審議室で、市政モニターの意見は広報課で取りまとめている。以前、機会があって、市長にu市に寄せられる意見はどこかで一元化されているのか」と質問したところ、各課で扱っているとのことであった。
     第3次行政改革の素案には、総合計画(まちづくり)(注3)と行政改革の関係が書いてあるが、第3次行政改革の素案と第4次総合計画案に対するそれぞれの市民の意見を一体的に反映できるのか、懸念される。
  • 例えば、第2次行政改革のときに、社会福祉協議会や体育文化振興公社などの法人の見直しをすべきだという意見を出した。しかし現在もいろいろな不都合が生じている。いろいろな市民の意見を踏まえ、もっと真剣に取り組まないと、本来の行政改革を進めることは難しいだろうと思う。

⇒事務局
 総合計画と行政改革の指針の関係については、8ページの下に示してあるとおり、総合計画は市のまちづくりの各種の事業等を示したものであり、行政経営指針は、それを支えるための行政の仕組みづくりを示したもの、という関係である。
 さまざまなご意見の取り扱いについては、パブリックコメント(注4)でいただいたご意見とともに、市政モニターからいただいたご意見についても十分に総合計画の中に反映していくことになる。
 行政改革の指針についても、この後、1月にはパブリックコメントを実施し、市民のご意見を十分に反映させていきたいと考えている。なるべく広いご意見をいただく中で、よりよいものを策定していきたいと考えている。
会長
 今回の第3次行政改革では、「行政経営指針」という新しい観点での改革の考え方を打ち出しているが、もう1つのキーワードとして、「協働」という考えを打ち出している。このことについて、何かお考えがあれば伺っていきたい。
委員

  • 行政の仕事の中身を知らないで言うのは大変失礼なのだが、行政も民間企業も、経営するという点では大きく変わらないと思う。
     例えば、先程から話に出てきている組織の「風通し」の問題について。
     これは「管理職が考えていることと現場の職員が考えていることが違う」、あるいは「現場の職員の苦しみを管理職は知らない」、また、「管理職にも苦しみもあるのだが、もちろんそれを現場の職員は知らない」といった問題であろう。こうした状況は、企業でもまったく同じである。
     企業では、このような状況の解決のために、まず、トップが「理念」をはっきりと持つ。市の場合も同じで、市長をはじめとする幹部が、行政を正しく進めていくための「宇都宮市の理念」をしっかりと持つことが重要である。
  • 素案では、市の「理念」について「私たち職員は、市民との協働を通じて~」と示しているが、その理念の中身をかみ砕き、現場の職員一人ひとりにまで、いかに浸透させるかが最も大切である。
     市長をはじめとして、「これから市はどのよう動いていこうとしているのか」「将来どのようなことを目指すのか」を全職員が理解することが大事なことである。
     そのためには大変な努力を要する。特に、少なくとも中間管理層以上の職員は、だれから求められようとも、理念を十分理解し、答えていなくてはならない。非常に難しいこと。
  • また、市の理念に基づいて目指すべき行政の姿とは、素案にある「5つの経営像」であろう。
     1つ目の「わかりやすい行政経営」とは、行政の透明性のこと。2つ目の「市民と共に歩む行政経営」とは、さまざまな地域団体とのパートナーシップへの取組であり、まさに「協働」のことである。3つ目の「市民の期待に応える行政経営」とは、いかに市民の満足する行政を変えていくかという、いわゆる住民満足・市民満足の向上である。4つ目の「すばやい行政経営」は、スピードのことであり、いかに業務を簡素化してスピードをつけるかということである。そのためには、権限の委譲も必要である。企業でいえば「エンパワーメント」(注5)であり、権限委譲にあたっては、内容の明確化が重要である。内容を明確に整理しておかないと、現場の職員は何でも上の了解を取らないと動けないことになる。また、5つ目の「ムダのない行政」とは、「ムダなことをやってないか」という視点で自分たちの仕事を見直すということである。企業にもいろいろなムダはあるが、行政にもあると思う。「ムダとは何ぞや」というところを問いただして、周囲の人を巻き込みながらムダを省いていくことが大事である。
  • この素案には、非常に重要なことが書いてある。
     これから行動計画を策定するにあたっては、さまざまな行政サービス分野で、5つの行政経営像について、職員一人ひとりが、経営像を実現するために自分たちは何ができるのか、を考えていく必要がある。
  • 経営像の実現に向かって、具体的に何をしていくかが最も大切である。
     企業でも一番難しいところである。たとえ考え方は素晴らしくても、一般の住民一人一人に分かりやすく説明し、具体的な施策に結びつけなければ意味がない。
     その点を十分考えて、あまり風呂敷を大きく広げず、一つ一つ「本当にこれでよいのだろうか」ということを考えながら、着実に実行していくべきではないか。
  • そして一番大事なことは、職員の満足であろう。
     一人ひとりの職員の意識・満足度を把握することは難しい。単なるアンケートでは質問の仕方によって全く違う答えになるので、職員の満足度の把握方法については、十分議論しておくことが必要である。また、アンケートで把握できない部分については、日頃のコミュニケーションの中で捉えていくことが大切である。
  • それともう一つ、組織の風通しをよくするために、企業では、トップの人が最前線に入っていくことを大切にしている。
    その理由は、一つは動機付けである。もう一つは、上司の考えを部下に知ってもらうという意味もある。例えば、市長が職員の中を歩いて、短い時間でも現場の状況について職員と話をすることで、市長に対する人間的な親近感が湧く。そのようなことを何度も繰り返すうちに、市長が職場を回ってきたら、職員が気楽に話せるという環境ができあがってくることもあろう。そうなれば、しめたものである。
     私も社長に在任してから2年しかたっていないが、まずは、自分を知ってもらうために必死に努力した。また、現場の職員と話すことは今でも大事だと思っている。
     このような場もそうだが、知らない人と話すことは非常に難しいものである。(酒を飲みながらわいわいやっているうちに自然と何でも話せる環境ができるということもあるが、)仕事の中でも、もっともっと上下左右のコミュニケーションの場を作らなくてはいけない。
  • また、日常のコミュニケーションが深まることで、さまざまな意思決定の場で、直接、関係のない人も参加できる。これを我々は「経営の参画」と言っているが、他の人が入ることで、すばらしい意見や、これまで関係者だけでは気づかなかったことや新たな発見が生まれることがある。会議の場では発言を規制してはいけない。自由に言わせる環境を作ることが大事である。そうすることで少しずつ、幹部がやっている仕事の中身を現場の人に触れさせるという環境を作っていかなければならない。
     このようなことは、企業と全く同じように、行政でも十分に生かせると思う。
     要は、理念と経営のビジョン(方針)を持って、それを達成するために具体的にはどういうことをやればよいのか、方策を決めていけばよい。手順は企業でも行政でも同じだと思う。全く新しい方法はないと思う。
     この7ページ、8ページに書いてあることは、とてもすばらしいことだと思うので、具体的に各部・各課でどのように実践していくかを考えながら、取り組んでいけばよいと思う。

会長
 今の話は非常に分かりやすく具体的である。事務局は、よくよく認識して取り組むように。
委員
 市民の意見を聴くことは非常に大切であり、協働の第一歩であると思う。
例えば、市には苦情処理窓口があるが、そこで何か意見を受けると、窓口の職員はすぐに所管担当者につなぎ、市民は直接担当者と協議をすることになる。その場合、担当者からは「それはこのような法律で出来ません」との回答で終ってしまうことがある。
 このような対応ではなく、市民からの苦情を、市役所全体として受け止めることも必要ではないか。市民からの一つの意見や苦情について、市役所全体の問題としてとらえ、しっかりと全体を考えるチームにおいて担当部門と話し合いながら答えを出すということをやってみてはいかがか。そのような仕組みを是非とも持ってもらいたい。
 このような取組を継続していくことが行政改革に大きくつながっていくのではないかと思う。計画を策定し、改革プランを出して終わりではなく、継続的な苦情処理の仕組みをぜひとも考えていってほしい。
会長
 市民との協働作業の中で、いろいろな問題が出た場合に対応する組織・仕組みが必要であるとの意見であった。「組織の改革」の中にも当然含まれてくることであろうし、「仕組みの改革」の中にも含まれてくることである。
 現在、苦情処理の仕組みはどのようになっているのか?
⇒事務局
 「市長へのメール」やファクス、各出張所・地区市民センター、百貨店や駅に設置してある「ふれあい通信ボックス」、あるいは投書などがある。
 広報課で収受し、それぞれ担当課に振り分け、各課が責任を持って対応し、必要なもの・重要なものは市長にも報告している。ただし、現在の仕組みで市民の苦情への対応が十分かというと、そうでない部分もある。今後は、体系的な仕組みを検討していきたいと考えている。
会長
 12ページに「気軽に市民が参加できる仕組み」とあるが、市民がどのようなときでも、本当に軽く足を運んでいろいろな話ができる状況が実現すれば、市民と行政との信頼関係を深め、「協働」にもつながる。また市民の満足度の向上にもつながってくる。
 素案に示された、それぞれの項目は全て一つの流れ・一つの仕組みの中での動きだと思う。一つひとつ道しるべを立てて、分かりやすく提示するものが「経営指針」であろう。

委員

  • 15ページの「成果重視の行政経営」中の「基本的な考え方」で、「トップマネジメントの強化」とあるが、このトップマネジメントを実際に行う人は、部長や次長、あるいは、課長・係長などを指すのか。管理者にもいろいろあるが、どのあたりのレベルをトップマネジメントと言っているのか。
  • 今度の改革の中では、「権限委譲」も大きなキーワードであるが、「強力なトップマネジメント」や「人を活かす組織のマネジメント」をする中で、「権限委譲」をする場合、その権限がどこまで委譲されて、どのように変わっていくのかという、具体的な流れをだれもが分かるようにするべきである。
     先程、別の委員からも話があったが、具体的な流れ、取組を明確にすれば、仕組み・組織・人の三つの改革もうまくいくと思う。曖昧のままだと、なかなか結果が出てこない。

会長
 トップマネジメントとはどのようなものをイメージしているのか。
⇒事務局
 基本的には、各部局の部長をイメージしている。具体的には、各部長が施策や財政・職員の管理などのマネジメント能力を発揮し、今まで以上に各部局が自主的・自立的に事業を実施していくことを目指している。
 そのためには「権限委譲」が必要となってくる。このため「仕組みの改革」と「組織の改革」と「人の改革」は三位一体のような形になってくると思う。
委員
 権限は、課単位までには委譲できないのか。その方が対応が早いと思うのだが。
⇒事務局
 部から課へ、最終的には係という最小の単位に権限を下ろすという場合もあるが、大きな括りとしては、各部局までと考えている。市民の要望等にすぐ応えなければならないものや出先機関については、職員が動きやすいように権限を委譲していきたいと考えている。
会長

  • 当然、職務や権限の規定があり、「どこの係は何をやる」とか「だれは何をやる」ということが具体的に決められているので、それに従い、どのように弾力的に、横断的にできるかが重要になってくると思う。
     定めのない組織はありえないが、細かい問題が発生すると、あちこちの部署へ事務が分散することがあり、それが、いわゆる「市民の立場に立った視点が欠けている」という指摘につながってしまう。今の指摘のとおり、規則は大切であるが、それを運用するのは人である。規則をどのように運用していくのかということをしっかり考えていかなければならないと思う。
  • 15ページの「ナレッジ・マネジメント」のように意味が分かりづらい言葉がある。この他にもカタカナ文字がいくつか使われていて、市民に説明が必要となるものもある。冒頭で用語の説明があったが、使い方を工夫してもらいたい。

委員

  • 成果を重視して行政サービスを向上させる改革は大変結構なことだが、具体的にどのようなことが達成されたら行政サービスが向上するのかをはっきりさせた方がよいと思う。
     市民にとって重要なのは、手続や仕組みがどうとかいうより、問題が解決するかどうかということである。極端な話をすれば、手続や仕組みなどはどうでもよい。市民の立場からすれば、目的が達成され、満足のいくサービスが受けられればよいわけである。
     職員は、もう少し「目的を達成することが重要だ」ということを認識すべきである。
  • それぞれの問題について、職員一人ひとりが、自分ででできることは自分でやり、一人で解決できない場合は、課長や部長を巻き込んで取り組むというように、「とにかく問題を解決する」という意識を持たないといけない。意識改革とは言葉だけでは始まらない。会社で言えばソリューション(解決)である。会社ではソリューションを一番大切にする。
  • そのような意味で、市民の不平・不満、あるいはより高いレベルの要求が、日常的に吸い上げられるような仕組みになっていないといけない。
     投書が来てから対応するのではなく、市民の要望については、日常的に市民と接することの多い職員がよく知っていて、職員から問題が吸い上がるような仕組みにしておく必要がある。そして、問題の大小にかかわらず、日々起こる事柄をすぐ問題と意識して解決する。その場合、職員に問題解決をする意識、モチベーション(仕事に対するやる気)を持ってもらいたい。また、そのようなことに一生懸命取り組む職員に、しかるべき報酬を与えた方がよい。デスクワークをたくさんやることが重要なのではなく、市民とより多く接し、市民の声を吸い上げる。そして吸い上がってきたものをきちっと受け止めて、問題を解決する、それが自分たちの仕事なんだ、と考えていただきたい。
  • 中期財政計画(注6)では財政が硬直していると書かれているので、今後、硬直化しないために行政改革をどうしたらよいか、むしろそこに焦点を当てて、庁内のスリム化を考えていってもらいたい。

委員
 最近、我々の医療分野では、証拠に基づいた医療というものが話題となっている。それは、ある薬を使った時と使わなかった時の比較考量(注7)を行い、どちらが有効だったか証拠をきちんと見て、その薬の認可を判断するという考えである。
行政改革も、具体的な目標を出して、それが出来たか出来なかったか、その評価を明確にしていく段階になってきているのではないかと思う。
 素案には、「経営理念」など、十分すぎるくらいすばらしいことが書いてある。後はどうやってこれを実現していくかということが大事になってくる。
会長
根本はそこにある。
委員
 私は県の行政改革の委員もやっているが、行政改革というと、必ず「電子政府」「電子自治体」などのIT化の問題が出てくる。しかし、この大綱の中ではあまりIT化には触れていない。
 「電子市役所」についてはどの程度を目標にしているのか。また、IT化によって経費がどの程度削減されるか、試算や分析はすでにしているのか。
⇒事務局
 市では、地域情報化という視点から「電子市役所」の構築を目標と位置づけている。素案の中でも、18ページのところで触れてはいるが、具体的にどこまで電子化等を進めていくかは、これから決めていくところ。また、現時点において、試算など具体的なものは出ていない。
委員
 試算と言うのは例え話である。IT化は行政改革と密接に関連している。
 例えば、自治体によっては、ホームページから情報公開請求できるなど、いろいろなサービス向上が進められているが、この素案では、めずらしくIT化に関する記述が少ない。IT化についてどの程度の達成度を目標にするか、明らかにしていないのか。
⇒事務局(情報政策課)
 現在、市内のインターネットの普及率は、平成12年で25%、平成14年で40%程度である。IT化の計画推進については、これまでもホームページを作成したり、それを活用してさまざまな情報提供を行っているところである。現在のところ、他の自治体と同様に「電子政府」・「電子自治体」構築の流れの緒についたところであろう、と考えており、本市では、まだ、紙ベースのものと電子で流せるものの両方で情報を管理・提供している。そのような中で、どのようなものから順次IT化し、行政サービスの向上につなげるか、一つずつ検証し、費用対効果を十分見極めながら進めているのが実態である。
 IT化を全体でどの程度進めていくかは、まだ明確に詰めていない。
委員
 14ページの「地域自治の確立に向けた改革」について。
 現在、自治会役員などで活動しているが、私の地域では高齢化や世代交代が進んでおり、役員のなり手がいない。会合を開いても手をあげる人がいないため、強制的に当番制でやっている。しかし地域によっては、自治会長が長年、同じ人であるという話も聞く。地域ごとにばらつきがあるのが実態である。
 また、会費も年間1万円と高く、高齢者の負担が大きい。このような状況ではとても地域の自治は確立できない。リーダーシップの温度差も大きく、順番制や交代制で、本当に住民自治ができるのか。リーダーシップが本当に発揮できるのか。やはり地域の実態を見ていかないと、本当の地域自治の確立は難しいと思う。
⇒事務局
 ご指摘のとおり、地域自治の確立については、非常に重要な問題である。現在、市でも、地域自治の確立に向けた「地区行政」を進めており、その中で、地域にどのくらい権限や財源を委譲していくかなどを検討している。この問題については、引き続き市民のみなさんと協議しながら進めていきたい。
委員
 自治会長は、互選で選出するのか、それとも、市長の委嘱状をもらうのか?
 もしそうであれば、きちんと仕組みを作って、役職手当を出すなどしないとやる人がいない。
⇒事務局(自治振興課)
 地域によるまちづくりを推進するため、「地域のコミュニティと協働しながらまちづくり進めていく」ため、自治会には中核的な役割を担っていただいている。自治会長は任意団体の長であるが、市の仕事を相当お願いしていることもあるので、役割分担を明確にしていかなければならないと考えている。
委員
 今の自治会長に役職手当を出すということは、分権の流れとは逆行してしまう。むしろ違う仕組みをつくらなくてはいけない。
 今、全国で議論が起こっている「合併」でも、地域の意思を明確にするために合併の特例法で「地域審議会」(注8)を設けることができる。この方法は合併をしなくても可能であり、「この地区の将来をこうしていきたい」という地域内の意思をまとめていくなど、地域への分権について民主的なやり方で考えていくべきであると思う。
委員

  • 自治会によっては、自ら主体的・積極的に、いろいろな事業に取り組んでいるところもある。
     例えば「福祉まつり」などを開き、地域のまちづくりに貢献している自治会もある。
     地域の特性を生かしていくには、やはり「協働」が大事になってくると思う。
     地域の実情に合わせたものを私たちがどれだけ掘り起こし、吸い上げていけるかが大切な点である。また、自治会の中には、青少年の育成ということで、親の世代が行ってきたことを、子どもの世代が引き継いで行っているところもある。それらを行政がしっかりと認め、育んでいけるような関係を作っていくことが大事である。
  • 行政と市民との協働は、人と人との信頼関係であろうと思う。尊敬に似た信頼関係が行政と市民との間でどのように構築していけるかが大事である。
     一つの例で、市で初めて「女性プラン」を策定するとき、行政と個人や団体が抱き合って、一緒になって作り上げる光景が見られた。プラン策定は、職員にとっても、市民にとっても、お互いの人生の中で大変有意義な経験であった。このような関係が、より一層必要になってくると思う。
  • また、パブリックコメントを含めいろいろな情報提供の手法があるが、「本当に市民が参加でき、意見が反映されるのか」との懸念がある。
     これまでは、ほとんどが市民に「結論」を知らされるものであり、本当の意味で市民が主人公で、市民が参画していることにはならない。
     行政改革においては、職員一人ひとりが「協働」の必要性や重要性を十分理解し、市民と同じ立ち場に立って、市民と共に協力していくことが大切である。
  • 財政面で、下水道や上水道の利用について過大な見込みが市にはあったのではないか。利用する市民の中には「値段が高い」とか「これからもこの状態が続くのか」という不満の声もある。そのようなことも踏まえながら、行政改革を進めてもらいたい。
  • 最後に、素案では市町村合併の問題には全く触れていないが、市民や議会の中でも話題となっている。素案の策定にあたっては、市の姿勢を示しておいた方がよい気がする。

会長
事務局で意見があれば、発言をお願いしたい。
⇒事務局
 「合併」については、一般的には行政改革の一つの手法とも言われているが、このことついては、市民の幅広い議論の中で進められるものであると考えている。このため、結果として素案では合併に触れていない。
委員

  • 4ページの図についてであるが、今までの都市経営とは、行政が中心となった都市経営であり、今後は都市の構成員がお互いの力を発揮しあうことを基本とした都市経営にしていきたいという意味は分かる。
     しかし、図の表し方には疑問がある。「これから」の市民と行政などの関係図を見ると、市民と行政が対等であり、企業や地域団体が同じ土壌の上で描かれているが、私のイメージでは、市民がその基となる大きな円(土台)ではないかと思う。そこに、企業や地域団体・行政が成り立っているのではないか。
     市民は、他と同列ではなく、もっとそれを囲む大きなもの、つまり、もとになるものが市民ではないかと思う。
  • この図では、だれが宇都宮市の経営責任者であるかということが分からない。
     また、議会(立法)がどこにあるのかが見えてこない。リーダーが不在で、「みんな仲良くやろうね」と言っているように見えてしまう。
     都市の構成員のベクトルを合わせて、宇都宮市が一つのことをするんだということを表せないか。例えば、地域団体と行政が対等に表現され、地域団体でできるものはどんどん地域団体でやってもらうということになっているが、それは会社でいえば「内外制分担」である。社内でものをつくるよりも外部のパートナーが、より効率的によい品質のものを作ることができるであれば、それは外部にお願いしている。
     しかし、行政と地域団体の関係はそれとは異なるはずである。行政がこれはやりたくないからといって外部に出してしまうというわけにはいかない。先程、自治会の話があったが、地域によっては自治会長のなり手がいないという実態がある。そのことを考えずに、行政が自治会に仕事をお願いするわけにはいかないであろう。これまで市がやってきたことをどんどん手放し、外部にどこまで委ねるのか、市民の満足につながらない可能性もあるので、定期的にチェックしていく必要がある。
     そうしなければ、市民一人ひとりのパワーを100%出し合ってまちづくりをしようということにはならないと思う。
  • やはりどこかで不満を持っている市民がいる。市民とは、不特定多数で、全ての人が行政の方を向いているとは限らない。そのような人たちも含めて、8ページに書いてあるような「ひとに活力 まちに魅力 未来へ羽ばたく つどいの都うつのみや」を実現するためには、やはり、行政と地域団体との役割分担に、お互いの認識の差(壁)があってはいけない。
     もちろん、営利主義で独立して切り離してできるものがあれば、それはそれでよいし、市民へのサービスが適切になされていればそれでよい。
     しかし、それが儲けだけに走ってしまったら、それは全く違う方向に向かってしまう。
     行政における「協働」は非常に難しいと思う。時間が立つにつれ、「協働」が良い方向にいくものもあれば、悪い方向にいくものも出てくるのではないか。定期的なチェックが大切であろう。
     外部に委ねれば結果的には何人減って、どれだけ得した、との金銭勘定は、行政の勝手な考え方であろう。果たして、市民が本当に喜んでいるのかと言うと、喜んでいないのかもしれない。注意しないといけない。
  • もう一つ、市民へのサービスを考えた場合、市民と接する最前線に、最も優秀な人間を配置しなければいけないと思う。
    後ろにいる人より、市民と接する最前線の人がどれだけ優秀か、そこへどれだけ権限を与えているかが大切である。課長や係長などが最前線にいた方が、直接市民の意見を聞くことができてよい知恵が出てくるかもしれない。後ろにいては分からないこともある。
     選挙の時、議員の方々は市民と握手をし、いろいろな話をする機会を持つと思うが、行政も同じで、日常の市民サービスの場で、常にそういう気持ちを持てる人を育てることが大切である。
     今、組織の潮流は、ピラミッド型ではなく逆ピラミッド型である。最前線にいる人を一番重要視している。よく聞かれると思うが、アメリカの軍隊なども昔はトップの指令がピラミッド型の命令系統を使って最前線まで徹底させていたが、今は、インターネットを使って、指令を送り、最前線の人がすぐ判断して対応できる仕組みになっている。
     行政も、決断するところが現場から遠いのであれば、そこをいかに短く、近くするかを考えるべきである。
     最前線にいる人は、最も大事であり、医者のように現場での診断力が必要である。以前と比べて職員の応対はすばらしくよくなっているが、応対だけではなく、資質向上に向けて、人材育成や能力開発も大事だと思う。

会長
 改革の具体的な中身である、仕組み・組織・人についてご指摘いただいた。
 4ページの図は、あいまいなイメージになってしまっている気がする。やはり「経営」という言葉を使う以上は、「行政経営」にしろ、「都市経営」にしろ、最高責任者がいて、その意思が最前線まで通るような仕組みにならないといけない。4ページや5ページのイメージ図については、もう少し練っていった方がよいと思う。非常に分かりづらい。
委員

  • 本来、市は、各地域コミュニティから形成されているはずである。ところが、今の自治会組織は、コミュニティを形成するためにできたのではなくて、上のものを伝達するためにできたような組織になっている。本来なら、コミュニティが自主的にできて、それらをとりまとめるために市役所が出来上がるのでなければならない。
     今は市役所の存在感が強く、市役所から地域へいろいろなことを流すイメージである。そこのところをがらりと変えないといけない。
     他の委員の意見でもあった、自治会組織の問題とは、このことであろう。一度には解決できないと思うが、発想を逆転していかないといけない。
    企業のガバナンスと自治体のガバナンスとは少し異なるものであろう。

委員

  • 市民の方から声を出していくということは非常に大切な責務だと思うが、自治会やその地域だけにこだわる必要はない。もっといろいろな分野で市民が活躍できる場があった方がよい。

委員

  • 私も自治会長の経験があるが、本当に回覧などの業務が多い。自治会長になると、会合のために仕事を休んだりしなければならない場合もある。この資料の中で、以前は自治会加入率が92%であったが、現在では70%程度のようだ。自治会に入らない人の意見を聞くと、「自治会に入らなくても行政の情報は、広報紙から入手できる」とのことである。行政サービスは自治会に入らなくても受けられるようになっている。そのようなことから、若い世代の人は、会社を休んだり仕事を犠牲にしてまで自治会の活動に熱心な人は少ない。そこは改めなくてはいけないと思う。
  • 今回の改革でも「協働」がキーワードになっており、また、以前、市長が言っていた「5K」(環境・教育・家庭・協働・活力)の中にも「協働」が入っていた。
     しかし、連合自治会のメンバーに「協働」について知っているかと尋ねたところ、知っている人は少なかった。
    というのも、家族の団欒を大切にするために定めた「家庭の日」(毎月第3日曜日)に、行政はまったく行事を行わないこととしているが、自治会長は「家庭の日」のことを知らないので、地域の行事を入れることがある。自治会と行政が一体となっていない。連携がとれていないのではないか。
     そこで、私は、協働を実践するために、「市会議員や市の職員が一斉清掃などの市民活動に率先して参加してはどうか」と提案したところ、市側から「そのとおりです」との回答を得た。しかし、私が毎回出ている一斉清掃でも、なかなか市議会議員や市職員の参加は見られない。
  • また、私の自治会でも自治会長は、1年で交代している実態である。地域の実態を反映させるためにも、自治会長は4~5回くらい続けた方がよいのではと思う。

⇒事務局
 自治会の加入率の問題であるが、2世帯同居や3世帯同居が増えたり、アパート全体で自治会に加入していたりする実態を勘案し、自治会の方で再度計算をし直したところ、現在の加入率は82%であった。
委員

  • 地方分権一括法で機関委任事務が廃止されたが、それと同じことを市と自治会の関係でも進めなくてはいけない。
     つまり、「法定受託」(注9)のように、適正な対価を支払ってお願いするものと、自主的に取り組んでいくものとに分ける必要がある。そのような「地域内分権」を進めていかなければならない。

⇒事務局

  • 先程、委員からご指摘があった市職員の地域への参加については、市長のモットーでもあり、市職員は自治会やPTAなど地域に積極的に参加すべきであるところ、まだ十分浸透していないところもある。
     市職員も自ら積極的に地域に関わり、市民方の意見を肌で感じることの必要性を実感している。この素案においても、市民から信頼していただけるパートナーとして、協働を自ら実践していくと記載しており、市職員が積極的に参画していきたいと考えている。

会長
 まだまだ議論はあると思うが、要は、市民と行政との間に流れる血がさらさらした血液でなければならないと思う。今は、どろどろした血液の部分があちこちで見られるが、それをきれいにすることが、行政改革である。
 今まで、委員の皆さんからいろいろなご指摘があったので、これらを受けて、また事務局で、しっかりと、直すところは直し、改めるものは改めるなど、検討をお願いしたい。
(2) 意見書の作成について
 事務局説明
会長
 事務局の案について意見・質問はあるか。
委員
 この意見書の提出先は市長だけか。議会への提出もあるのか。
⇒事務局
 市長へ出していただくことになる。
会長
 事務局の案のとおりでよいか。
委員
 了承
(注意) その他
 事務局から次の2点を説明

  • 第2回行政改革大綱策定懇談会議事録の作成について
  • パブリックコメントの実施について

4 閉会
「語句説明」
注1 トップダウン トップの決定に従って、その通りに組織が動くことをいいます。
注2 モニター制度 市では、毎年1年を任期として一般市民の応募者の中から50名にモニターをお願いしています。モニターに選ばれた方々には、特定の市政の課題や市政全般について建設的なご意見・ご提言をいただき、市政に反映させるとともに、モニターで学んだことを広く市民のみなさまに伝えていただいています。
注3 総合計画 市町村における「まちづくりの憲法」とも言えるもので、その地域における行財政運営の長期的な指針となる最上位の計画のことです。
注4 パブリックコメント 市の重要な施策、例えば計画等を策定していく中で、その計画などの素案を公表し、広く市民の皆さんに意見や情報を求め、提出された意見などを考慮して決定していくものです。また、意見等に対し、市の考え方も示していきます。
注5 エンパワーメント 変革の主体となる力をつけることをいいます。みんなで力を合わせ、ともに力をつけ、一人ひとりがその人らしく活動する中で現在の状況を変えていく力を持つことです。
注6 中期財政計画 中期的な視点から財政収支の見通しを立て、これをもとに現在及び将来における問題点を捉え、財政運営の健全性を確保するための対応策を明らかにしたものです。
注7 比較考量 差異をみるために他のものと比べ、考えはかることをいいます。
注8 地域審議会 合併をした自治体が、合併後も地域住民の声を施策に反映させ、きめ細やかな行政サービスを実現させるために、合併前の市町村の協議により、旧市町村の区域を単位として必要な区域に「地域審議会」を置くことができます。「地域審議会」は、旧市町村の区域に関する事務に関して、新市町村の長の諮問に応じ、意見を述べます。
注9 法定受託 適正な処理を確保するため、法令によって国から都道府県、市町村、特別区に処理を委任された事務(第1号法定受託事務)と、都道府県から市町村、特別区に委任された事務(第2号法定受託事務)があります。機関委任事務の廃止に伴って設けられたもので、国と地方が対等協力の関係であることが前提とされます。

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