令和4年度施政方針

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ページID1029300  更新日 令和6年3月8日

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 令和4年第2回市議会定例会の開会に当たり、私の市政運営に対する所信の一端を申し上げるとともに、議案第21号から第35号までの令和4年度宇都宮市一般会計予算及び特別会計予算につきましての大綱を御説明申し上げ、議員各位を始め、市民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。

市政運営の基本方針

 それでは、「市政運営の基本方針」につきまして、述べさせていただきます。

 我が国におきましては、世界的に感染が再拡大している新型コロナウイルス感染症について、令和3年11月に「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」を策定し、感染拡大の防止や原油価格高騰などへの対応、社会経済活動の再開などにより、一日も早く、日常生活と経済を回復できるよう取り組んでいるところであります。
 さらに、経済再生の要として、「新しい資本主義」を掲げ、デジタルを活用した地方の活性化や新たな成長のエンジンとなるグリーン社会の実現などの「成長」と、所得向上に向けた賃上げや新しいアイディアを生み出す「人」への投資の抜本強化などの「分配」の好循環に取り組むこととしております。

 このような中、本市におきましては、市民の生命や暮らしを守ることを第一に、引き続き、新型コロナウイルス感染症対策として、感染状況を十分に注視しながら、感染拡大防止と社会・経済活動の両立に迅速かつ的確に取り組むとともに、近年、激甚化・頻発化する豪雨災害の被害の早期軽減を図るため、総合的な治水・雨水対策をより一層強化することが重要であると考えております。

 また、人口減少、少子超高齢化の更なる進行は、地域経済を支える働き手の減少を始め、都市の活力やにぎわい、地域コミュニティ力の低下など、まちづくりのあらゆる分野に影響を及ぼし、特に、次の世代を担う子どもたちの負担が大きくなることが懸念されますことから、人口減少対策は、本市が将来にわたり持続的に発展するための最重要課題であると認識しているところであります。

 このため、新年度におきましては、引き続き、新型コロナウイルス感染症対策として、3回目のワクチンの早期接種やPCR検査等が必要な方が迅速に検査できる体制の確保、本市の地域経済を支える中小企業への支援など、感染拡大防止と社会・経済活動の両立に取り組み、一日も早い日常生活と地域経済の回復に向けて全力を尽くすとともに、「宇都宮市総合治水・雨水対策推進計画」に基づく「流す」「貯める」「備える」の3つの柱の下、自助・共助・公助の各取組を推進するなど、「安全・安心」なまちづくりに最優先で取り組んでまいります。
 また、本年2月に発生したクリーンパーク茂原の火災への対応につきましては、市民や事業者の皆様にごみの減量に御協力いただいているところでありますが、更なるごみの減量化に向け、あらゆる方策を動員するとともに、一日も早い施設の復旧に全力で取り組んでまいります。

 そして、こうした喫緊の課題に取り組むとともに、新型コロナウイルス感染症を契機とした新しい生活様式への転換や今後起こり得る自然災害に備えた災害に強いまちづくり、人口減少対策、それらを支える持続可能な行政経営の確立など、中長期的なまちづくりに取り組むことにより、本格化する人口減少社会におきましても、本市が人や企業から選ばれ、将来にわたり発展し、世界共通の目標であるSDGsに貢献する、子どもから高齢者まで、誰もが豊かで便利に安心して暮らすことができ、夢や希望がかなうまち「スーパースマートシティ」を実現してまいります。

 その具現化に当たりましては、車が運転できなくても誰もが移動しやすく、商業や医療、教育などの様々な都市の機能や魅力を享受でき、住み慣れた地域で安心して暮らせるNCCの形成をまちづくりの基盤としながら、人とデジタルを原動力に、地域住民の絆を深め、共に支え合うことができる「地域共生社会」、誰もが活躍し、多種多様なモノが交流する「地域経済循環社会」、二酸化炭素排出量を実質ゼロとし、未来への責任を果たす「脱炭素社会」の3つの社会が融合した全国のモデルとなる都市をいち早く構築できるよう、第6次宇都宮市総合計画に掲げた6つの「未来都市」を着実に推進してまいります。

 特に、新年度は、都市拠点であるJR宇都宮駅東口地区のまちびらきや、ネットワークの基軸となるLRTの開業、それに合わせたバス路線の再編等による階層性のある公共交通ネットワークの構築など、「NCC」の姿が目に見える形になり、まちと暮らしが大きく変わる節目の年となります。
 さらに、本市のまちづくりの羅針盤である「第6次宇都宮市総合計画改定基本計画」を策定する重要な1年でもあります。

 「スーパースマートシティ」が本格的に動き出す節目の年に当たりまして、市民や団体、事業者の皆様と連携・協力し、全市一丸となって創り上げていくことができるよう、その具現化に向けた施策・事業に優先的・重点的に取り組んでまいります。

予算編成の基本方針

 このような認識の下、「予算編成の基本的な考え方」につきまして、御説明申し上げます。

 本市における自主財源の根幹である市税収入は、令和3年度当初予算から68億円を超える増収となり、900億円台となる見込みであり、歳出においては、社会保障関係経費が引き続き高い水準で推移するものと見込んでおります。

 このような中、新年度の予算編成に当たりましては、引き続き、新型コロナウイルス感染症の拡大防止と社会・経済活動の両立に最優先で取り組みながら、本市が人や企業から選ばれる高い都市力を備え、将来にわたり安全・安心で持続的に発展していくため、総合的な治水・雨水対策や公共交通ネットワークの形成と更なる利用促進、あらゆる場面におけるデジタル・トランスフォーメーションの推進などの施策・事業に優先的・重点的に取り組むこととしたほか、行政事務の効率化や公民連携の推進などによる「行政経営基盤の強化」に取り組むことといたしました。

 このような基本的な考え方の下に編成いたしました一般会計当初予算案は、前年度当初予算額に対しまして、2.0パーセント減の2,246億円を計上したところであります。
 また、11の特別会計の予算額1、157億円余と3つの企業会計の予算額503億円余を合わせた予算の総額といたしましては、前年度の当初予算総額に対しまして、0.1パーセント減の3,906億円余を計上したところであります。

主要な施策

 次に、「主要な施策」につきまして、「新型コロナウイルス感染症への対応」と「第6次宇都宮市総合計画」の施策の体系に基づき、その概要を御説明いたします。

 初めに、「新型コロナウイルス感染症への対応」についてであります。
 まず、「感染拡大防止のための取組」といたしましては、新型コロナワクチンの更なる接種を進めるとともに、PCR検査センターの運営やビジネスPCR等検査費用の助成などによる検査体制の充実、市有施設や本市で実施するイベント等における感染予防対策の徹底に取り組んでまいります。
 また、「市民生活を守るための取組」といたしましては、生活困窮者に対する相談・支援体制の強化や路線バスの運行便数の確保などに取り組んでまいります。
 
 さらに、「事業活動継続のための支援」といたしましては、新型コロナウイルス感染症対策特別資金の融資等による中小企業への資金支援の実施などに取り組んでまいります。

 次に、総合計画施策体系の第1といたしまして、「子育て・教育の未来都市」についてであります。

 まず、「全ての子ども・若者を健やかに育成する」につきましては、とちぎ結婚支援センターへの入会登録料の助成を実施するとともに、安心して産み育てられる環境の充実に向け、専門職による母子健康手帳交付時の妊婦全数面接の実施や医療的ケア児を受け入れる保育施設への支援に取り組んでまいります。
 また、年間を通した待機児童ゼロの達成に向け、教育・保育施設の整備促進による供給体制の確保や保育士宿舎借上げへの支援などによる保育士の確保に取り組むなど、結婚から子育てまで切れ目ない支援の充実を図ってまいります。

 次に、「確かな自信と志を育む学校教育を推進する」につきましては、保護者とのデジタル連絡ツールの導入や小中学校の校内通信ネットワークの充実など、ICTの活用を推進するほか、学校施設の長寿命化改修の実施などによる教育環境の充実に取り組んでまいります。

 次に、「誰もが生涯を通じてスポーツを楽しむ社会を実現する」につきましては、「いちご一会とちぎ国体・とちぎ大会」の開催のほか、北西部地域体育施設の整備に向けた基本設計の実施や宮原運動公園野球場の再整備などに取り組んでまいります。

 第2は、「健康・福祉の未来都市」についてであります。
 まず、「健康づくりと地域医療を充実する」につきましては、子宮頸がん予防ワクチンの積極的な勧奨やオンラインによる健康講座の開催など、更なる健康寿命の延伸に向けて取り組んでまいります。

 次に、「高齢期の生活を充実する」につきましては、居住誘導区域内におけるサービス付き高齢者向け住宅の新設への支援や認知症の方とその家族、地域住民などの交流の場となる認知症サロンの拡充など、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らすことができるよう取り組んでまいります。

 次に、「障がいのある人の生活を充実する」につきましては、重度心身障がい者医療費助成制度の対象に精神障がい者を加えるなど、障がいのある人が住み慣れた地域で安心して暮らすことができる環境づくりを推進してまいります。

 次に、「身近な地域の福祉力を高める」につきましては、地域共生社会の実現に向け、「共生のこころをはぐくむ」プロモーションによる理解促進や子ども食堂等への支援の充実、親と子どもの居場所づくり事業の本格実施に取り組むなど、共に支え合う地域社会づくりを推進してまいります。

 第3は、「安全・安心の未来都市」についてであります。
 まず、「危機への備え・対応力を高める」につきましては、豪雨や台風の襲来に備え、河川や公共下水道雨水幹線の整備、田んぼダムの普及促進、河川への監視カメラ・水位計の設置などに取り組むほか、洪水や土砂災害に係る危険箇所や避難所などの情報を一体的に表示したハザードマップを配布するなど、総合的な治水・雨水対策を推進してまいります。
 また、消防団員の処遇改善を図るなど、消防団の充実に取り組んでまいります。

 次に、「市民が主役のまちづくりを推進する」につきましては、魅力ある自治会づくりに向けた取組への支援を拡充するなど、市民協働によるまちづくりを推進してまいります。

 次に、「日常生活の安心感を高める」につきましては、歩行者や自転車・自動車運転者に向けたLRT交通安全教育に取り組んでまいります。

 次に、「相互理解の促進による共生社会を形成する」につきましては、男性の育児休業取得を促進するため、企業の経営者や従業員向けの啓発講座を開催するなど、ワークライフバランスの推進に取り組んでまいります。

 第4は、「魅力創造・交流の未来都市」についてであります。
 まず、「都市ブランドの確立と更なる魅力を創出する」につきましては、宇都宮市版ご当地ナンバープレートの交付など、本市の魅力発信に取り組むほか、大谷地域におきまして、グリーンスローモビリティの運行期間の拡充や大谷公園・大谷景観公園の再整備に向けた検討を行うなど、大谷地域の振興を図ってまいります。

 次に、「移住・定住を促進する」につきましては、相談窓口の充実・強化を図るとともに、統一的なコンセプトの下、東京圏における集中的なプロモーションを戦略的に展開するなど、市内外の人や企業から選ばれる都市を実現してまいります。

 次に、「MICE誘致を推進する」につきましては、多くの集客が見込まれる会議やイベントであり、新たな交流やにぎわいの創出が期待できるMICE開催への助成やプロモーション動画の作成などに取り組んでまいります。

 次に、「個性豊かな観光と交流を創出する」につきましては、「ジャパンカップサイクルロードレース」等における5Gを活用した動画の配信や「FIBA3x3 ワールドツアー うつのみやオープナー」の開催などによる「3x3のまち」の推進などに取り組んでまいります。

 次に、「暮らしに息づく文化の創造・活用を推進する」につきましては、大谷の文化的景観保存活用計画の策定に取り組むなど、本市の歴史や文化を守り、市民が宇都宮に誇りを持つことができるよう取り組んでまいります。

 第5は、「産業・環境の未来都市」についてであります。
 まず、「地域産業の創造性・発展性を高める」につきましては、企業立地・定着促進拡大再投資に対する支援の拡充などに取り組んでまいります。

 次に、「商工・サービス業の活力を高める」につきましては、オリオン市民広場の大型映像装置を改修するなど、中心市街地の活性化に取り組むとともに、中央卸売市場の再整備事業などに取り組んでまいります。

 次に、「農林業の生産力・販売力・地域力を高める」につきましては、新規就農者への支援やICT機器を活用したスマート農業の推進など、生産体制の強化に取り組むとともに、マーケティング調査などによる流通・販売戦略の強化に取り組んでまいります。

 次に、「環境への負荷を低減する」につきましては、SDGs未来都市の推進に向けた普及啓発に取り組むとともに、宇都宮ライトパワー株式会社と連携した再生可能エネルギーの地産地消や、国による脱炭素先行地域の選定を見据えた事業構築などによる脱炭素化の促進に取り組んでまいります。

 第6は、「交通の未来都市」についてであります。
 まず、「暮らしやすく魅力のある都市空間を形成する」につきましては、宇都宮駅東口交流拠点施設等の整備やこれらの施設の供用開始に合わせた令和4年11月の「まちびらきイベント」の開催、JR宇都宮駅西口周辺地区整備に向けた駅前広場の概略設計などに取り組むほか、駅西側の都心部におけるウォーカブルなまちづくりに向けた自動車などの円滑な誘導を図る駐車場の適正配置などの検討や東部総合公園の整備など、都心部やLRT沿線のまちづくりを推進してまいります。
 また、拠点形成と防災対策を両立するため、浸水ハザードエリアに立地する誘導施設の浸水対策への支援に取り組んでまいります。

 次に、「誰もが快適に移動できる総合的な交通ネットワークを構築する」につきましては、令和5年3月のLRT開業に向け、JR宇都宮駅東側の整備を着実に進めるとともに、駅西側におけるLRTの事業化に向け取り組み、LRTを基軸とした階層性のある公共交通ネットワークの構築を推進してまいります。
 また、LRT・バス・地域内交通間での乗継割引制度の導入や地域内交通への交通ICカードシステムの導入などによる公共交通サービスの向上に取り組むほか、LRT開業に合わせたバス路線再編に取り組んでまいります。さらには、公共交通の利用環境の充実を市民に広く周知するパンフレットの全戸配布や中学1年生から高校3年生まで等への「totra」の配付、シェアサイクルなどの新たなモビリティに係る導入実証実験などを行う公共交通利用促進運動「MOVE NEXT UTSUNOMIYA」を展開し、多くの方に公共交通を利用していただけるよう取り組んでまいります。

 次に、「質の高い上下水道サービスを提供する」につきましては、安全で安心な水道水の安定供給や下水の適正処理を推進するほか、老朽管の改築・更新や基幹施設の耐震化などを進め、強じんなライフラインの構築に取り組んでまいります。

 最後に、「未来都市を支える行政経営基盤」についてであります。
「強固な行政経営基盤を確立する」につきましては、転出・転入などの行政手続のオンライン化や窓口における手数料へのキャッシュレス決済の拡充、市有施設におけるWi-Fi整備などの自治体デジタル・トランスフォーメーションの推進による市民サービスの向上に取り組んでまいります。
 また、本市と大学、民間企業で構成するUスマート推進協議会による最先端技術の実装に向けた実証実験やデジタルコンテンツ等を活用したスーパースマートシティの体験機会の創出、戦略的な広報の推進などに取り組んでまいります。
 さらに、公共施設等のマネジメントや公民連携事業による民間事業者等のノウハウを生かした提案促進などに取り組み、限りある資源の力や価値を最大限に発揮し、社会や暮らしの変化に対応した持続可能な公共的サービスの提供に向け、全庁一丸となって取り組んでまいります。

 ただ今申し上げた「スーパースマートシティ」を具現化する様々な施策の着実な推進に当たり、特に、喫緊の課題である新型コロナウイルス感染症対策として、本年2月に保健所に「コロナワクチン対策室」を設置し、4月からは、人口減少対策を強化するための「人口対策・移住定住推進室」、全てのまちづくりの基盤となるNCCの形成を加速化するための「NCC推進課」を設置するなど、行政課題に対応した柔軟で機動的な執行体制を整備してまいります。

結び

 以上、市政運営に関する私の所信の一端と、令和4年度当初予算案の大綱などにつきまして申し上げました。
 本市が目指す、子どもから高齢者まで、誰もが豊かで便利に安心して暮らすことができ、夢や希望がかなうまち「スーパースマートシティ」をいち早く創り上げることができるよう、全身全霊でまちづくりに挑戦してまいりますので、議員各位を始め、市民の皆様には、なお一層の御支援と、御協力を賜りますよう、心からお願い申し上げます。

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