中心市街地を取り巻く環境変化

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ページID1009296  更新日 令和6年3月8日

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(1) 商業・業務機能の立地変化と中心市街地

 中心市街地の衰退を招いた最大の環境変化は、モータリゼーションの進展とこれに伴う、商業・業務機能の郊外化ですが、近年、都市を取り巻く幹線道路の整備が進む中で、郊外部の交通環境は従来以上に改善されてきており、市街化されやすくなってきました。こうした中で自動車交通を前提とした郊外型大規模商業店舗が増加し、地域の中の商業の重要な位置を占めるようになってきました。
 一方、中心市街地の商店街は、駐車場整備などのモータリゼーションへの対応、魅力向上、消費者の望む価格設定や多様な品揃えなどが遅れ、中心市街地の商業は停滞・衰退の方向にあります。
 また、一部のサービス機能についても郊外部の商業集積地や交通の利便性が高く住宅の集積があるところに移転するものが出ています。

(2) 社会環境の変化と中心市街地

 知識情報化の進展、高齢化の進展、環境共生指向の高まりなど、近年の社会環境変化のなかで中心市街地に期待される役割が変化してきています。

知識情報化の進展に伴う期待

 わが国の産業構造は、技術高度化、高度情報化、国際化の流れる中で、従来以上にソフト、サービスを中心とするようになってきました。例えば職業構造の面では、サービス産業が成長しています。こうした職種・業種の多くは、知識集約的であり、人の集散が行われやすい都市への立地指向を示しています。こうした中で、都市の活性化に向けて、高次の業務・サービス機能の立地誘導が可能な中心市街地の整備が重要性を増してきています。
 広域的な拠点性の高い中核都市として、宇都宮市においても広域的な業務機能の立地誘導の面で中心市街地に対する期待が高まっています。

高齢化の進展に伴う期待

 わが国の人口は、2000年の初頭をピークに減少し、構造的には少子高齢化すると見込まれています。こうした中で、ソフト、ハードの両面で高齢者にとっても暮らしやすいまちづくりを進める必要が高まっています。また中心市街地は高齢化率が高く、高齢化に伴うまちづくり上の問題が先行的に発生する可能性があります。
 一方、中心市街地は比較的狭い範囲に多様で高次の都市機能が立地し、高齢者が生活する場として優れた条件を備えていることから、こうした条件を生かした高齢化社会のモデル的なまちづくりの具体化が期待されています。
 宇都宮市においても中心市街地をはじめとして高齢化が進んでおり、こうした取り組みに対する期待は高いものと推察されます。

環境共生指向の高まりに伴う期待

 近年、地球温暖化やオゾン層の破壊など地球環境問題が深刻する中で、人々の環境問題に対する関心が急速に高まりを見せています。そのため、まちづくりの面でも環境共生の視点が重視されるようになっており、各地で公共輸送機関の充実、電気自動車の導入、リサイクル技術の導入、水循環システムの構築などの取り組み等が検討されています。
 宇都宮市の中心市街地には、歩行者優先のコンパクトな市街地構造の形成が可能であり、さらに公共輸送機関の充実を通じて、Nox・CO2等の排出が少ない環境にやさしい都市づくりに資することが期待されます。

(3) 国の法制度の整備

 中心市街地の活性化の必要性に対する認識が高まるなかで、中心市街地活性化法、大規模小売店舗立地法、都市計画法の改正などによって、中心市街地活性化に向けての制度的条件が整備されてきました。これからの中心市街地の整備にあたっては、こうした制度を活かすことによって、効果的に対応していくことが重要です。

中心市街地活性化法(平10年6月3日公布)

 地域における創意工夫を活かしつつ、市街地の整備改善及び商業等の活性化を一体的に推進するための法律。市町村のイニシアティヴによる「市街地の整備改善」と「商業等の活性化」の一体的な推進に向けて、基本計画の作成などについて定められている。

大規模小売店舗立地法(平成10年6月3日公布)

 大規模小売店舗を設置する者に周辺環境への配慮を促すとともに、小売業の発達を図ることにより地域社会の発展、向上に寄与することを目的とした法律。大店立地法では、都市計画法のガイドラインの内容と指針の運用について、各自治体にその裁量を委ねており、市町村の意思の反映や広範な住民の意思表明の機会の確保が可能になっている。

都市計画法の改正(平成10年5月29日公布)

 各自治体による土地利用を柔軟にし、計画的な街づくりができるようにすることをねらいとして改正された。市町村は「商業地域」など従来の12種類の既存の用途地域の類型にとらわれず、種類・目的を柔軟に定められるようになった。

このページに関するお問い合わせ

都市整備部 NCC推進課 都心部まちづくり推進室 まちなかにぎわいグループ
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