令和4年11月LRT事業に関する臨時記者会見

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ページID1030309  更新日 令和6年3月8日

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(注意)このページは、臨時記者会見のもようをLRT整備課がまとめたものです。

日時・会場

令和4年11月21日(月曜日)午後5時から
宇都宮市役所14階・大会議室

発表事項

 まず、11月19日(土曜日)、午前0時30分頃に発生いたしました、ライトライン試運転中における脱線事故につきまして、市民の皆様、事業者の皆様、関係者の皆様方に、大変ご心配、ご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。

 今回の事故についてですが、宇都宮駅東口停留場に向けまして、カーブに進入したところ脱線が発生いたしました。この事故の走行パターンは、通常運行では使用しない、緊急時使用の走行パターンであり、本来の利用を逆走していく状況での試験運転を実施していたものであります。怪我人はおりませんでしたが、車両の先頭部などに損傷がありました。
 本日は現時点で新たに判明している状況と、今後の対応について報告をさせていただきます。明日以降、外部有識者の現地調査などを行った上で、事故原因の検証と再発防止の対策の検討を進めていきたいと考えております。改めて、詳細が分かり次第、ご報告をさせていただきます。今後、有識者のご意見をいただきながら、原因をしっかりと検証して、再発防止の対策を検討し、皆さんに安心してご利用いただけるよう努めてまいります。

 まず、試運転、入線試験の概要につきましてご説明させていただきます。資料の2ページをお開きください。当初の予定通り、17日から19日にかけて実施し、表に記載の「主な試験内容等」につきまして確認を行いました。
 次に、試運転入線試験の結果につきましてご説明させていただきます。3ページをお開きください。「停留場」につきましては、宇都宮駅東口停留場のほか、表に記載の6か所におきまして車両とホームの離隔の確認を行い、宇都宮駅東口停留場のみ、ホームと車両の乗降口のステップが干渉する結果となりました。詳細につきましては、後ほどご説明させていただきます。
 次に、「軌道」につきましては、一般部と分岐部、曲線部につきまして、車両が支障なく走行できることの確認を行い、一般部においては、異常はありませんでした。分岐部、曲線部につきましては、宇都宮駅東口及び平石停留場周辺の2か所で確認を行ったところ、駅東口では、時速5キロメートル以下で走行し、異常はありませんでした。ただし、時速15キロメートル以下で走行した結果、全8パターンのうち、1パターンのみ異常があり、脱線事故が発生しました。詳細につきましては、後ほどご説明させていただきます。平石停留場付近では、全4パターンの確認を実施し、異常はありませんでした。「信号設備」「電車線路設備」につきましては、各確認事項に対して、異常はありませんでした。
 次に、参考になりますが、「LRT整備区間の主な曲線区間について」ご説明いたします。4ページをお開きください。全線における主な曲線区間を図示しておりますが、宇都宮駅東口の曲線につきましては、本線上において最も小さい曲線半径25メートルの区間であり、かつ、宇都宮駅東口停留場の列車運用のために分岐器が設置されている区間となっております。
 次に、「宇都宮駅東口停留場付近の試運転結果」につきまして、ご説明させていただきます。5ページ、6ページを併せてご覧ください。
 まず、「軌道」の分岐部、曲線部の結果につきましては、通常走行4パターン、緊急走行4パターン、計8パターンについて確認を行い、時速5キロメートル以下で走行した結果、異常はありませんでした。
 次に、時速15キロメートル以下で走行した結果、全8パターンのうち、下り本線から2番線方面へ進行するパターン8において、分岐器を超え右カーブに差しかかったところで脱線事故が発生しました。
 次に、「停留場」につきましては、1番線及び2番線で車両の一部がホームと干渉する箇所がございました。停留場東側の1番線ホームについては、ホーム手前から約10メートルの箇所で1両目の1番目における乗降口ステップが干渉しました。停留場西側の2番線ホームについては、ホーム手前で1両目の2番目における乗降口ステップが干渉しました。これらの結果を踏まえ、停留場ホームを調整する予定としております。
 次に、11月19日(土曜日)の深夜に発生いたしました脱線事故につきまして、ご説明させていただきます。7ページの「脱線事故の概要(パターン8)」をご覧ください。脱線事故の経過ですが、18日(金曜日)、午後8時30分頃、駅東口に向けて306号車が車両基地を出発し、午後10時30分頃、宇都宮駅東口停留場に到着いたしました。日付が変わり19日(土曜日)、午前0時30分頃、2番線停留場への入線試験を行った後、分岐器の入線試験を行うため、再度、「ライトキューブ宇都宮」南側交差点付近から、2番線停留場に向け、進入したところ、曲線部において先頭車両の4輪と中間車両の後方2輪が脱線いたしました。進行方向に約10メートル進行し、歩道の部分に車両が進入停車、その際に車止め4本、地上変圧器を破損、また、車両先頭部及びパンタグラフを破損、なお、一般の方及び作業員の負傷者はいませんでした。
 次に、参考になりますが、「脱線事故時の走行パターンについて」ご説明いたします。8ページをお開きください。今回、脱線事故が発生した走行パターンが図面左側になっておりまして、開業後、緊急時に使用する走行パターンとして、下り線を逆走する際の、分岐器のレールと車輪との接触状況を確認するため、下り線から停留場の2番線へ向けて時速約13キロメートルで入線試験を実施いたしました。開業後の走行パターンが図面右側になっておりまして、上り線からは停留場の1番線・2番線へ進入します。停留場の1番線・2番線からは下り線に進入しますので、脱線時の走行パターンは通常時の走行では使用しないパターンとなります。
 次に、「事故後の被害状況等について」ご説明いたします。9ページをお開きください。下線の内容は、これまで公表しております内容から新たに判明した内容です。車両につきましては、前頭部の強化プラスチック部の破損、パンタグラフの破損のほか、車体側面の擦り傷、脱線した車輪の一部損傷、前頭部下部の信号装置の破損を確認しております。台車、モーター等は今後の調査により被害状況を確認いたします。架線につきましては、架線柱へ電車線を固定している金具の破損を確認しております。軌道につきましては、レールや分岐器等に損傷は認められませんでした。道路とその他につきましては、車止め4本と、地上変圧器の外箱のゆがみを確認しており、変圧器自体の損傷はありませんでした。現在、車両保険の適用につきまして、保険会社と確認中であります。

 最後に「今後の対応について」ご説明させていただきます。10ページをご覧ください。「ドライブレコーダー等による運行記録の確認」や「関係者へのヒアリングによる事故原因の情報整理」、「脱線事故現場、車両の破損状況等の確認」、「有識者と立会いのもと、事故現場の検証を行った上でご意見をいただきながら、事故原因の究明と対応策の検討」を実施してまいります。有識者による現地調査の実施につきましては、明日、11月22日(火曜日)の午後に有識者による、試運転の実施個所について、現場検証等を実施してまいります。有識者については記載のとおりでございまして、撮影につきましては調査の実施状況のみ撮影可とさせていただきたいと思います。
 以上で説明を終わります。

資料

質疑事項

記者 試運転の確認パターンは番号順に行ったという理解でよいか。また、事故現場に差し掛かった際の速度は適切であったのか伺う。
LRT担当参事 まず、試運転の順番につきましては、この順番で確認をしております。また、脱線時の時速13キロメートルが適切な運転速度かという点につきましては、設計速度が時速15キロメートルであり、それに基づいて試運転を行ったところでありますので、適切な速度で実施していたと考えております。

記者 緊急時の逆走パターンとはどのような事態を想定しているのか伺う。
LRT担当参事 下り方面での事故や車両故障などにより宇都宮駅東口停留場へ引き返さなければいけない状況など、様々な事態を想定し、逆走パターンの試験をしたものです。

記者 カーブを通過した際、3両目は分岐を通過していたのか伺う。
LRT担当参事 長さが30メートルある車両なので、後ろの車両は分岐の中に残っていたものと考えております。これらにつきましては、今後、詳細に検証させていただくので、これ以上の話はここでは差し控えさせていただきます。現時点では、現場での車両痕などを保存しておりますので、そういったものを整理し、改めて、どういう状況だったのかご説明させていただければと思います。

記者 前日までの発表で、カーブに進入する際に運転手が異常を感じて非常ブレーキをかけたとあるが、異常とはどのようなものか伺う。
宇都宮ライトレール株式会社 通常、車両が通行する際は、軌道と同じ向きに車両が動くのですが、目視で違う方向に動いたところで異常を感じたものです。

記者 非常ブレーキをかけたのは脱線の前か後か伺う。
LRT担当参事 非常ブレーキをかけたタイミングにつきましては、現地のレールの傷などから判断しなくてはなりませんので、運転手の聞き取りだけで判断すると違った内容になる可能性がありますので、調査をしてから回答をさせていただきたいと思います。

記者 事故区間は脱線防止レールがついていないと認識しているかどうか伺う。
LRT担当参事 脱線防止レールはついておりませんが、溝付レールを使って、同じような働きをさせて運用している区間でございます。

記者 溝付レールに脱線防止の効果はあまり期待できないという専門家の意見もあるが、どう考えるか伺う。
LRT担当参事 専門家のご意見を聞いてから対応させていただければと思います。

記者 今回の脱線はポイントを渡った後、カーブに差し掛かるところで発生しているが、該当箇所間の距離はどれくらいあるのか伺う。
LRT整備課長 ポイントを通り過ぎてから次の急曲線に入るまでの直線距離は約10メートルとなっております。

記者 今後、平石側にポイントを10メートル移設する等の対策は考えているのか伺う。
LRT担当参事 その点につきましても検証させていただきます。移設ではなく、運行速度のルールの明確化などもあり得ると思いますので、しっかりと検証していきたいと考えております。

記者 今回の脱線事故を受けて、開業時期に影響はないのか伺う。
LRT担当参事 しっかりと調査をし、安全を担保した上で進めていきたいと思っておりますが、現時点で、開業時期の延期については考えておりません。

記者 今回の入線試験では脱線も想定していたのか伺う。
LRT担当参事 最悪の想定として、ないものではないとは考えておりました。そのため、非常事態の対応策等を事前に用意し、対応したという状況となります。

記者 車両が軌道に戻るまで12時間程度かかったが、対応の時間としてはどうだったのか伺う。
LRT担当参事 実際に脱線復旧装置を使用して車両を移動させるのは今回が初めてでしたので、対応時間が長かったのか短かったのかということはありますが、そういったことに関しましても、今後、しっかりと宇都宮ライトレール株式会社と連携しながら、時間を短縮する対応策なども考えていきたいと思います。

記者 運転士の人的ミスがあったという認識はないのか伺う。
LRT担当参事 現時点ではなかったものと受け止めていますが、今後、しっかりと調査をし、そのあたりの所見に関しましても公表させていただきます。

記者 曲線半径や現場のカント量により制限速度の時速15キロメートルが適当であったということでよいか。また、制限速度以下で事故が起きてしまったことについて構造的な問題を解決する必要があると思うがどうか伺う。
LRT担当参事 計算上、制限速度は構造や曲線半径を組み合わせた中で出しているものであり、時速15キロメートルが妥当であったと認識しておりますが、それらに関しましても、専門家のご意見などを再度お伺いし、修正が必要な場合は修正をしていきたいと思っております。それらに関しましても、今後、回答させていただきたいと思っております。

記者 対策として制限速度を下げると、顧客の満足度、利便性、性能がかなり低くなると考える。構造的な問題も含めて対策を考えていくことでよいか伺う。
LRT担当参事 まずは、安全に人を運べることが優先されると考えております。ただし、今の話に関しましても、総合的に判断しながら対応策を検討したいと考えており、いずれにしても専門家の意見などをしっかりとお聞きした上で、対応させていただきたいと思います。

記者 軌道と歩道を隔てるものが、車止めや間をつなぐ鎖しかなく、歩道には人が通行していてもおかしくない状況だったことを考えると、最悪の想定として脱線が考えられる中で、歩道などを通行止めにする必要が無かったのか伺う。
LRT担当参事 これから検証させていただきながら、対応させていただこうと思います。

記者 現時点で開業時期の延期を考えていないとする理由を伺う。
LRT担当参事 来年8月の開業を考えておりますので、その中でしっかりと対応する時間が残されていると考えております。

記者 今後の試運転の予定について伺う。
LRT担当参事 試運転の再開の時期についてですが、できるだけ早く、原因を究明していきたいと考えており、今回、入線試験をした区間では、ほぼ、今回事故を起こした箇所以外は異常がありませんでしたので、そういったものを考えながら対応していきたいと思います。

記者 今回の脱線事故について、国土交通省などには報告されたのか伺う。
LRT担当参事 まだ、営業線ではありませんので、報告義務はないものと認識しております。ただし、許認可をいただいた関係もありますので、一報は入れさせていただいている状況でございます。

記者 事故の原因について、現時点では運転操作ミスの可能性はないと考えているとのことだが、レールなどの構造上の問題が原因と見ているということか伺う。
LRT担当参事 総合的な話が色々重なって脱線に至ったと認識しております。軌道構造や運転ミスが端的に結びつくかにつきましても、これからしっかりと検証させていただきたいと思います。

記者 対象のカーブについては、本来、制限速度内であれば安全に進入でき、曲がり切れる構造であるという認識でよいか伺う。
LRT担当参事 あくまでも設計上の話ですので、様々な要因が重なって耐えられないということであれば、これからしっかりと検証させていただきたいと思っております。

記者 ほかの事業者での事故や脱線の状況は市として把握していたのか伺う。
LRT担当参事 当然、そういった事例も把握しておりまして、例えば他都市の場合には軌道が古く、新しい車両がなじまなくて脱線したなど、様々な要因がございます。今回、軌道も新しく、車両も新しい非常に国内でもまれなケースですので、原因を専門家と相談しながら精査させていただきたいと思っています。

記者 現時点では人為的なミスではなく、車両にトラブルもなく、軌道や分岐にもミスはないという報告を受けているということでよいか伺う。
LRT担当参事 現在、どういう状況なのか1つ1つ紐解いている状況であり、個別には異常が無いと、現状、認識している状態です。

記者 今回の脱線事故が歩道に及んだことにより、市民に非常に不安を与えてしまったと考えるが、改めて、今後どのように考えているのか伺う。
LRT担当参事 様々な検証をこれからさせていただきますので、例えば、歩道の保護の仕方とか距離の取り方に関しましても、しっかりと安全が取れるような形で確認しながら、対応していきたいと考えております。

記者 野高谷区間は曲線半径が110メートルとあるが、この設計速度は、今回、事故が起きたカーブとは違うものなのか伺う。
LRT担当参事 曲線がゆるやかになれば、設計速度は向上し、曲線がきついと速度は落ちると考えていただければと思います。

記者 清原地区市民センター前のカーブについても設計速度は時速15キロメートルとなるのか伺う。
LRT整備課長 清原地区市民センター前の36メートルのカーブにつきましても、時速15キロメートルとなっております。

記者 分岐区間は平石停留場周辺と事故があった駅東口となると思うが、今回、事故が起きた箇所と似た性質を持つところは平石停留場周辺だけか伺う。
LRT担当参事 駅東口と平石停留場周辺のカーブと分岐器の状況は近いものになっており、平石停留場周辺では同程度の速度で試験走行をしても問題がなかったものとなります。

記者 原因や対応策はいつまでにまとめる考えか伺う。
LRT担当参事 どういったことが原因で、その対応策がどういった形になるかについては、すぐに分かることなのか、時間がかかることなのかを含め、専門家のご意見などを伺いながら、これから整理させていただきます。そういった状況が見極められる状況になりましたら、改めて、お話をさせていただければと思います。

記者 明日の現地調査は事故現場を調査するということか。
LRT担当参事 まずは、事故現場の状況と走行していた車両の状況を見ていただく予定であります。

記者 損傷した車両などの修理費用はどうなるのか伺う。
LRT担当参事 現在、メーカーに確認依頼をしているところで調査中となります。

記者 明日の専門家の現地調査に車両は来るのか伺う。
LRT担当参事 車両は駅東口には来ません。車両基地の中で、事故を起こした車両について、専門家の方に見ていただきます。また、先の駅東口の事故現場についても、専門家の方に見ていただくことになります。

記者 明日の現地調査で撮影ができる場所はどこになるのか伺う。
LRT担当参事 現時点では現地でのご案内になると思いますので、駅東口の現場に来ていただければと思います。

記者 事故の原因については、総合的にミスが重なってとのことだが、現時点では想定することも難しいということか伺う。
LRT担当参事 私どもとしては、ミスが重なったとは考えていないということでご理解いただければと思います。これからそれぞれの原因を検証しながら、何がどうなったのかということを、明らかにさせていただければと思います。

記者 今回の脱線事故の原因の1つにLRT特有の4つの車輪が独立して付いているという構造が関係しているのではないかと考えるが伺う。
LRT担当参事 検証しなければ分からないところです。

記者 原因については、総合的に様々な要因があるということだったが、想定している要因について伺う。
LRT担当参事 軌道や車両、運転、気象条件など、様々な要因がある中で、まずはどういう状況で起こったのかを整理しながら、その状況を専門家の方にお話しさせていただいて、何が原因だったのかを特定していく作業があると思っています。総合的にという表現をさせていただきましたのは、色々な事象が重なる可能性も否定はできないという意味でご理解いただければと思います。

記者 緊急走行時の確認をしたのは306号車が初めてだったのか伺う。
LRT担当参事 試運転自体を、今回、初めて行っておりますので、306号車で確認させていただいたのが初めてでございます。

記者 平石停留場付近では、緊急時を想定した入線を行ったのか伺う。
LRT担当参事 同日、午後8時30分から試運転を開始いたしまして、平石停留場付近の分岐器やカーブにおいて問題なく走行を行った後、鬼怒通りの方に出て走行したものとなります。

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