やさしさをはぐくむ福祉のまちづくり条例
やさしさをはぐくむ福祉のまちづくり条例
平成12年3月24日
条例第18号
目次
第1章 総則(第1条―第6条)
第2章 福祉のまちづくりに関する施策の推進(第7条―第12条)
第3章 市民福祉の増進(第13条―第16条)
第4章 公共的施設の整備(第17条―第27条)
第5章 公共交通手段及び住環境の整備(第28条・第29条)
第6章 委任(第30条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、高齢者、障害者及び児童をはじめとするすべての市民が個人として尊重され、様々な社会活動に主体的に参加できるよう、市民、事業者及び市の責務を明らかにするとともに、それぞれが相互に協力及び連携をして、笑顔でことばを交わし、健康でいきいきと暮らせるやさしさをはぐくむ福祉のまちづくり(以下「福祉のまちづくり」という。)を推進し、もって市民福祉の増進に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 高齢者、障害者等 高齢者、障害者その他日常生活又は社会生活に身体等の機能上の制限を受ける者をいう。
(2) 公共的施設 病院、劇場、百貨店、ホテル、集会場、公共交通機関の施設、道路、公園その他の不特定かつ多数の者の利用に供する施設で規則で定めるもの及びこれらに付帯する施設をいう。
(3) 公共車両等 一般旅客の用に供する鉄道の車両及び自動車をいう。
(市民の責務)
第3条 市民は、福祉のまちづくりについて理解を深め、主体的かつ積極的に福祉のまちづくりの推進に努めなければならない。
2 市民は、それぞれが相互に協力して、福祉のまちづくりの推進に努めなければならない。
3 市民は、市がこの条例に基づき実施する福祉のまちづくりに関する施策に協力しなければならない。
(事業者の責務)
第4条 事業者は、地域社会を構成する一員として、福祉のまちづくりについて理解を深め、積極的に福祉のまちづくりの推進に努めなければならない。
2 事業者は、他の事業者と協力して、福祉のまちづくりの推進に努めなければならない。
3 事業者は、市がこの条例に基づき実施する福祉のまちづくりに関する施策に協力しなければならない。
4 事業者は、この条例の趣旨にのっとり、自ら所有し、又は管理する公共的施設について、高齢者、障害者等の安全かつ円滑な利用に供するため、必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
(市の責務)
第5条 市は、この条例の目的を達成するため、福祉のまちづくりに関する施策を策定し、実施する責務を有する。
2 市は、市民及び事業者が行う福祉のまちづくりに関する活動、公共的施設の整備その他の福祉のまちづくりの推進について、その自主性を尊重するとともに、必要に応じて支援するよう努めるものとする。
3 市は、この条例の趣旨にのっとり、自ら所有し、又は管理する公共的施設について、高齢者、障害者等の安全かつ円滑な利用に供するため、必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(市民、事業者及び市の協力及び連携)
第6条 市民、事業者及び市は、それぞれが相互に協力及び連携をし、一体となって福祉のまちづくりを推進するものとする。
2 市は、市民及び事業者と協力及び連携をして、福祉のまちづくりを推進する体制を整備するものとする。
第2章 福祉のまちづくりに関する施策の推進
(計画の策定)
第7条 市長は、福祉のまちづくりに関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、必要な計画を定めるものとする。
2 前項の計画は、高齢者、障害者等が住み慣れた地域において自立した生活を営み、積極的に社会参加ができるよう保健福祉に関する効果的なサービスの提供が図れる
ものでなければならない。
(意識の高揚)
第8条 市は、市民及び事業者が自主的に福祉のまちづくりに関する活動に取り組むよう意識の高揚に努めるものとする。
(福祉に関する教育の充実)
第9条 市は、高齢者、障害者等に対する思いやりのある福祉の心をはぐくむため、福祉に関する教育の充実に努めるものとする。
(生涯学習の機会の確保)
第10条 市は、高齢者、障害者等が生きがいを持って、豊かな生活を送ることができるよう生涯学習の機会の確保に努めるものとする。
(情報の提供)
第11条 市は、市民及び事業者の福祉のまちづくりに関する自主的な活動を促進するため、情報の提供に努めるものとする。
(表彰)
第12条 市長は、福祉のまちづくりの推進について著しい功績のあると認められる者又は福祉のまちづくりの模範となる優良な事例に係るものに対し、宇都宮市表彰条例(平成12年条例第7号)の規定により、表彰するものとする。
第3章 市民福祉の増進
(健康の保持及び増進)
第13条 市民は、健康に関する意識を高め、自らの健康の保持及び増進に努めるものとする。
2 事業者は、その事業のために雇用している者の健康の保持及び増進に努めるものとする。
3 市は、市民が健康に関する意識を高め、健康の保持及び増進に努めることができるよう必要な施策を講ずるものとする。
(児童の健全育成)
第14条 市民は、児童が心身ともに健やかに育つよう子育てに関する家庭環境を整備するとともに、地域における子育ての支援に努めるものとする。
2 事業者は、児童が心身ともに健やかに育つようその事業のために雇用している者の子育て及び地域における子育ての支援に努めるものとする。
3 市は、児童が心身ともに健やかに育ち、幸せな生活が送れるよう必要な施策を講ずるものとする。
(就業機会の確保)
第15条 事業者は、高齢者及び障害者の就業機会の確保に努めるとともに、その雇用する高齢者及び障害者に係る職場環境の整備に努めるものとする。
2 市は、高齢者及び障害者がその意欲と能力に応じて就業する機会が確保されるよう必要な施策を講ずるものとする。
(ボランティア活動への参加及び支援)
第16条 市民及び事業者は、福祉のまちづくりに関するボランティア活動に積極的に参加するよう努めるものとする。
2 市は、市民及び事業者が行う福祉のまちづくりに関するボランティア活動を支援するため、必要な施策を講ずるものとする。
第4章 公共的施設の整備
(整備基準)
第17条 市長は、公共的施設の構造及び設備の整備について、高齢者、障害者等が安全かつ円滑に当該施設を利用できるよう必要な基準(以下「整備基準」という。)を
定めるものとする。
2 整備基準は、出入口、廊下、階段、昇降機、便所、駐車場その他の市長が必要と認めるものについて、公共的施設の区分に応じて規則で定めるものとする。
(整備基準の遵守)
第18条 公共的施設の新設又は改修(建築物にあっては、増築、改築、建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第14号に規定する大規模の修繕又は同条第15号に規定する大規模の模様替えをいい、用途の変更を含む。以下同じ。)をしようとする者(改修により、公共的施設に該当することとなる当該施設の改修をしようとする者を含む。)は、整備基準を遵守しなければならない。ただし、整備基準以上に高齢者、障害者等が安全かつ円滑に当該施設を利用できる場合、当該施設における地形、構造等の状況から整備基準による新設又は改修が著しく困難である場合その他これらに準ずる場合で、市長が特に認めるときは、この限りでない。
(既存の公共的施設の整備)
第19条 この章の規定の施行の際、現に存する公共的施設を所有し、若しくは管理する者、又は現に公共的施設の新設若しくは改修を行っている者は、当該施設を整備基準に適合させるよう努めなければならない。
(維持保全)
第20条 整備基準に適合した公共的施設を所有し、又は管理する者は、当該施設を引き続き当該整備基準に適合した状態に維持し、保全するよう努めなければならない。
(事前協議)
第21条 公共的施設のうち規則で定める種類及び規模に該当する施設(以下「特定施設」という。)の新設又は改修(改修により、特定施設に該当することとなる当該施設の改修を含む。以下同じ。)をしようとする者は、整備基準に係る当該施設の構造及び設備について、規則で定めるところにより、あらかじめ市長と協議しなければならない。協議した内容を変更しようとするときも、同様とする。
2 前項の協議(以下「事前協議」という。)は、特定施設の区分に応じ、規則で定める日までに開始しなければならない。
3 市長は、事前協議に係る特定施設について、高齢者、障害者等が安全かつ円滑に利用するための措置の確保を図るため必要があると認めるときは、当該協議をした者に対し、必要な指導又は助言をすることができる。
(工事完了の届出)
第22条 事前協議をした者は、当該協議に係る工事が完了したときは、規則で定めるところにより、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。
(完了検査)
第23条 市長は、前条の届出があったときは、当該届出に係る特定施設が整備基準に適合しているかどうかの検査を行うものとする。
2 市長は、前項の検査の結果、当該検査に係る特定施設が整備基準に適合しないと認めるときは、前条の届出をした者に対し、必要な指導又は助言をすることができる。
(適合証の交付)
第24条 市長は、前条第1項の検査の結果、当該検査に係る特定施設が整備基準に適合していると認めるときは、第22条の届出をした者に対し、整備基準に適合している
ことを証する証票(以下「適合証」という。)を交付する。
2 前項に定める場合を除くほか、公共的施設の所有者等は、当該施設を整備基準に適合させたときは、規則で定めるところにより、市長に対し、適合証の交付を請求することができる。
3 市長は、前項の請求があった場合において、当該請求に係る公共的施設が整備基準に適合していると認めるときは、当該請求をした者に対し、適合証を交付する。
(勧告)
第25条 市長は、第21条第2項の規則で定める日までに事前協議を行わずに特定施設の新設又は改修に着手した者に対して、直ちに当該協議を行うよう勧告することができる。
2 市長は、事前協議を行った者が当該協議に係る特定施設の新設又は改修を行った場合において、工事の内容が当該協議と異なり、かつ、当該施設が整備基準に適合しないと認めるときは、当該協議を行った者に対し、規則で定めるところにより、当該協議の内容に従った工事を行うことその他必要な措置を講ずるよう勧告することができる。
(公表)
第26条 前条の勧告を受けた者が正当な理由なく当該勧告に従わないときは、宇都宮市行政手続条例(平成8年条例第41号)第35条の規定により、その事実等を公表するものとする。
(立入調査等)
第27条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、特定施設を設置し、若しくは管理する者又は新設し、若しくは改修しようとする者に対し、必要な報告を求め、又は当該職員に当該施設若しくはその工事現場に立ち入らせ、整備基準への適合状況を調査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2 前項の規定により立入調査又は質問をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入調査又は質問の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
第5章 公共交通手段及び住環境の整備
(公共交通手段の整備)
第28条 公共車両等を所有し、又は管理する者は、当該公共車両等について、高齢者、障害者等が安全かつ円滑に利用できるよう必要な整備に努めなければならない。
2 公共車両等を所有し、又は管理する者は、当該公共車両等を運行するに当たり、高齢者、障害者等が安全かつ円滑に当該車両等を利用できるよう案内標示設備の設置その他の必要な整備に努めなければならない。
(住環境の整備)
第29条 市民は、その所有する住宅について、当該住宅に居住する高齢者、障害者等が当該住宅を安全かつ円滑に使用できるよう配慮し、構造及び整備に関する必要な整備に努めなければならない。
2 住宅を供給する事業者は、高齢者、障害者等が安全かつ快適に利用できるよう配慮された住宅の供給に努めなければならない。
第6章 委任
第30条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行について必要な事項は、市長が定める。
附則
この条例は、平成12年4月1日から施行する。ただし、第4章及び第5章の規定は、平成12年10月1日から施行する。
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