県立(けんりつ)宇都宮女子高等学校(うつのみやじょしこうとうがっこう)3年(ねん) 芳賀 奈月(はが なつき)さん
宇都宮市(うつのみやし)には、スポーツや芸術(げいじゅつ)をはじめ様々(さまざま)な分野(ぶんや)で、日本一(にほんいち)になったり日本(にほん)を代表(だいひょう)する活躍(かつやく)をしている人(ひと)がたくさんいます。そんな、輝(かがや)いている「宮(みや)っこ」を紹介(しょうかい)します。
瀧(たき)の一生(いっしょう)から学(まな)んだ努力(どりょく)の価値(かち)
県立(けんりつ)宇都宮女子高等学校(うつのみやじょしこうとうがっこう)3年(ねん) 芳賀 奈月(はが なつき)さん
毎年(まいとし)、小学生(しょうがくせい)から高校生(こうこうせい)まで、全国(ぜんこく)の児童(じどう)・生徒(せいと)が参加(さんか)する「青少年(せいしょうねん)読書感想文(どくしょかんそうぶん)全国(ぜんこく)コンクール」。
数多(かずおお)く応募(おうぼ)される作品(さくひん)の審査(しんさ)は、まず、各学校(かくがっこう)で行(おこな)われ、小学校(しょうがっこう)低(てい)・中(ちゅう)・高学年(こうがくねん)、中学校(ちゅうがっこう)、高等学校(こうとうがっこう)の区分(くぶん)ごとに市区町村(しくちょうそん)コンクール、都道府県(とどうふけん)コンクールと段階的(だんかいてき)に進(すす)んでいきます。都道府県(とどうふけん)コンクールで各区分(かくくぶん)2点(てん)にまで絞(しぼ)られた作品(さくひん)は、全国(ぜんこく)コンクールで審査(しんさ)されます。
このような厳(きび)しい審査(しんさ)が行(おこな)われる中(なか)、見事(みごと)、高等学校(こうとうがっこう)の部(ぶ)で、芳賀奈月(はがなつき)さんが最優秀賞(さいゆうしゅうしょう)となる内閣総理大臣賞(ないかくそうりだいじんしょう)を受賞(じゅしょう)しました。
芳賀(はが)さんは「自分(じぶん)が内閣総理大臣賞(ないかくそうりだいじんしょう)を受賞(じゅしょう)したと聞(き)いたとき、どれほどすごい賞(しょう)なのか分(わ)からず、実感(じっかん)が湧(わ)かなかった。家(いえ)に帰(かえ)って家族(かぞく)に話(はな)すと、母(はは)がものすごく喜(よろこ)んでくれた。その様子(ようす)を見(み)て、ようやく嬉(うれ)しさが込(こ)み上(あ)げてきた」と笑(え)みがこぼれます。
芳賀(はが)さんが選(えら)んだ本(ほん)は、音楽家(おんがくか)、瀧廉太郎(たきれんたろう)の一生(いっしょう)を描(えが)いた「廉太郎(れんたろう)ノオト」。「表紙(ひょうし)がきれいだったのと、音楽(おんがく)の授業(じゅぎょう)で習(なら)って瀧廉太郎(たきれんたろう)を知(し)っていたので、興味(きょうみ)が湧(わ)いた」と手(て)に取(と)ったきっかけを振(ふ)り返(かえ)ります。
「一番(いちばん)印象(いんしょう)に残(のこ)ったのは、瀧(たき)が亡(な)くなるシーン。瀧(たき)は、生前(せいぜん)、音楽家(おんがくか)として成功(せいこい)しないまま、若(わか)くして亡(な)くなってしまう。自分(じぶん)の人生(じんせい)は無意味(むいみ)だったと嘆(なげ)き、一生(いっしょう)を終(お)えた。後(のち)の世代(せだい)にも語(かた)り継(つ)がれるような偉大(いだい)な人(ひと)でも、そんなことを思(おも)うんだとショックを受(う)けた」と率直(そっちょく)な気持(きも)ちを語(かた)ります。
しかし、「潰(つい)えたと思(おも)った夢(ゆめ)を、後世(こうせい)の人(ひと)が引(ひ)き継(つ)いでくれることもある。努力(どりょく)したことが後(のち)に実(みの)っていく。どんな努力(どりょく)も無駄(むだ)にはならないと前向(まえむ)きに捉(とら)えられた」と心(こころ)動(うご)かされた瞬間(しゅんかん)を思(おも)い返(かえ)します。
普段(ふだん)の読書(どくしょ)については「あまりたくさん本(ほん)を読(よ)む方(ほう)ではなかったが、昨年(さくねん)の自粛期間(じしゅくきかん)からは、よく読(よ)むようになった」とはにかむ芳賀(はが)さん。「読書感想文(どくしょかんそうぶん)などの作文(さくひん)を書(か)くのも、今(いま)までは苦手意識(にがていしき)があった。でも、今回(こんかい)の賞(しょう)を受(う)けて、自信(じしん)が付(つ)いた」と晴(は)れやかな表情(ひょうじょう)です。
また、将来(しょうらい)は、「医療関係(いりょうかんけい)に進(すす)みたい。祖父(そふ)や父(ちち)のような医師(いし)に憧(あこが)れる。そのために、今(いま)は、来年(らいねん)の大学受験(だいがくじゅけん)に向(む)け、勉強(べんきょう)に力(ちから)を入(い)れたい」と真剣(しんけん)な面持(おもも)ちです。
瀧(たき)の人生(じんせい)に触(ふ)れ、努力(どりょく)の価値(かち)を見出(みいだ)した芳賀(はが)さんは、これからの夢(ゆめ)に向(む)かって突(つ)き進(すす)んでいきます。
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